確率は、公務員試験の数的推理で毎年出題される最頻出パターンです。「余事象で解く確率」「席・配置の確率」「じゃんけん型」「反復試行+得点条件」など7つのタイプに分かれます。共通するコツは「全体の場合の数を正しく数えて、条件を満たす場合の数を見つける」こと。「場合の数」(sr-02)をしっかり押さえた上で取り組むと理解がスムーズです。
| タイプ | ひとことで言うと | 頻出度 | 難易度の目安 |
|---|
| 余事象で解く確率 | 「少なくとも1つ」は余事象が鉄則 | ★★★ | ★☆☆〜★★☆ |
| グループからの選出 | 複数グループから1人ずつ選ぶ | ★★☆ | ★★☆ |
| 席・配置の確率 | N人がランダムに座るとき | ★★☆ | ★★☆ |
| じゃんけん型 | 全員同時に手を出す確率 | ★★☆ | ★★☆ |
| 総当たり戦の確率 | リーグ戦で全員同じ成績になる確率 | ★★☆ | ★★☆ |
| 逐次選択 | 毎回確率が変わる段階的な問題 | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
| 反復試行+得点条件 | 繰り返しゲームで特定の得点になる確率 | ★★☆ | ★★★ |
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このパターンで頻出の用語と公式
確率のどのタイプでも繰り返し使う基本の公式・定理です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。
確率の基本公式
- 確率 = 条件を満たす場合の数 ÷ 全体の場合の数
- すべての場合が同様に確からしい(どの結果も同じ確率で起こる)ときに使える
- 確率の値は 0(絶対に起こらない)〜 1(必ず起こる)の範囲になる
組合せ
- n個からr個を選ぶ方法の数。順番は関係ない
- 計算方法: nCr=r!(n−r)!n!
- 実際の計算: 10C3=3×2×110×9×8=120
階乗(N!)と順列
- N人がN個の席に座る方法の総数 = N!(Nの階乗)
- 例: 6!=6×5×4×3×2×1=720
- よく使う値: 3!=6、4!=24、5!=120、6!=720
余事象
- 「少なくとも1つ〜」「1回以上〜」のような条件は、直接数えると場合分けが多くなる
- 「全部ダメなケース(1つも条件を満たさない場合)」を先に求めて、全体から引く方が楽
- 求める確率 = 1 − 余事象の確率
独立試行
- くじを引いて元に戻す場合、毎回の確率は変わらない。これを独立試行という
- K回とも外れる確率 = (1回の外れる確率)K
- 注意: 「元に戻さない」場合は独立試行にならない(毎回の確率が変わる)
乗法定理
- 事象Aが起こり、そのあと事象Bが起こる確率 = Aの確率 ×(Aが起こった条件でのBの確率)
- 各段階の確率を掛け合わせて全体の確率を求める
反復試行の確率
- 同じ試行をN回繰り返すとき、「成功r回・失敗(N−r)回」となる確率は:
- NCr×pr×(1−p)N−r
- NCr は「N回のうちどの回で成功するかの組み合わせ」
- p は1回あたりの成功確率
- 例: 4回中1回成功(成功確率 41)→ 4C1×(41)1×(43)3=4×25627=6427
1. 余事象で解く確率
組合せ(復習)
- n個からr個を選ぶ方法の数。10C3=3×2×110×9×8=120
余事象(復習)
- 「少なくとも1つ〜」→ 余事象(「1つもない場合」)を先に求めて 1 から引く
- 求める確率 = 1 − 余事象の確率
独立試行(復習)
- くじを引いて元に戻す場合、毎回の確率は変わらない
- K回とも外れる確率 = (1回の外れる確率)K
こういう問題が出る
「袋から玉を何個か同時に取り出すとき、少なくとも1個は赤玉である確率は」「くじを引いて戻すことを3回繰り返すとき、少なくとも1回は当たる確率は」のように、「少なくとも〜」という条件の確率を求める問題です。
こう考える
全体の場合の数を求める(組合せ
nCr か、べき乗
3N か)
余事象の場合の数を求める(「1つもない場合」「1回も当たらない場合」)
余事象の確率をそのまま答えてしまう(1から引き忘れ)。「少なくとも1個が赤」を求めたいのに「全部白」の確率を最終回答にしてしまうパターンです。
復元あり/なしに注意: 「元に戻す」場合(復元あり)は毎回の確率が同じ(べき乗で計算)。「同時に取り出す」「元に戻さない」場合(復元なし)は組合せで計算。問題文の指示を見落とさないようにしましょう。
例題で確認
例題
ある班には、ボランティア経験のある人が4人、経験のない人が5人、合計9人いる。この9人の中から無作為に3人を選ぶとき、少なくとも1人は経験のある人が選ばれる確率はどれか。
類題を解く
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2. グループからの選出
積の法則(独立な選択の場合の数)
- 複数のグループからそれぞれ1人ずつ選ぶとき、全体の場合の数は各グループの人数をかけ算する
- 例: A班4人、B班3人、C班5人からそれぞれ1人ずつ → 4×3×5=60(通り)
条件つきの数え上げ
- 条件を満たすパターンを数えるときは、まず条件を満たすメンバーだけに注目して場合の数を求める
- 除外すべきケース(数えすぎ)があれば引く
こういう問題が出る
「3つの店舗からそれぞれ1人ずつ選ぶとき、正社員とアルバイトが両方含まれる確率は」のように、複数のグループから独立に選んだとき、特定の条件を満たす確率を求める問題です。
こう考える
条件を満たす場合の数を数え上げる。条件が「AかつB」の形なら、条件を分解して考える
除外すべきケースがないか確認する(「両方含まれる」の条件で「全員同じ種類」を除外するなど)
条件を満たすパターンの中に「数えすぎ」がないか確認すること。例えば「正社員とアルバイトが両方いる」を求めるとき、「全員正社員」「全員アルバイト」のパターンは条件を満たさないので除外が必要です。
例題で確認
例題
あるパン屋チェーンの3つの店舗から、それぞれ1人ずつ無作為に選んで新商品の試食会に参加させる。各店舗の従業員の内訳は、駅前店が正社員2人・アルバイト3人、本町店が正社員4人・アルバイト2人、港店が正社員1人・アルバイト3人である。選ばれた3人の中に正社員とアルバイトが両方含まれる確率はどれか。
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3. 席・配置の確率
階乗(復習)
- N人がN個の席に座る方法の総数 = N!(Nの階乗)
- 例: 6!=6×5×4×3×2×1=720
「特定の人だけに注目する」解法
- 全員の座り方を考えるのが大変なときは、注目する2〜3人の席の組み合わせだけで確率を求められる
- 例: 8席のうち2人の席の選び方は 8C2=28 通り。条件を満たすのが2通りなら確率は 282=141
こういう問題が出る
「N人がくじ引きで部屋や席を決めるとき、特定の2人がどちらも決まった区画に入る確率は」のように、ランダムな席決めで特定の人が特定の位置になる確率を求める問題です。
こう考える
席・配置の問題には複数の解法がありますが、「注目する人の席の組み合わせだけで考える」方法が最も速いです。
注目する人(例えばAとB)の席の選び方の総数を求める(
NC2 通り)
全体と条件側で数え方をそろえないミス。「Aが1号室・Bが2号室」と「Aが2号室・Bが1号室」を区別するなら全体も区別して数える(7部屋なら
7×6=42 通り)。片方だけ区別すると確率が半分や2倍にずれます。最初から「2人が入る部屋の組み合わせ(
NC2)」で考えれば、この食い違いは起きません。
例題で確認
例題
A〜Gの7人が、くじ引きで1号室〜7号室の7つの個室に1人ずつ入ることになった。このうち南向きの部屋は1号室〜3号室の3つである。AとBの2人がどちらも南向きの部屋に入る確率はどれか。
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4. じゃんけん型
同時選択の場合の数
- N人がグー・チョキ・パーの3つから1つを選ぶ → 全体は 3N 通り
- 例: 3人なら 33=27 通り
対称性の利用
- じゃんけんでは「誰が勝つか」は対称。Aが勝つ確率もBが勝つ確率も同じ
- 「特定の1人が勝つパターン」を数えて、人数分をかけるのが定石
こういう問題が出る
「N人がじゃんけんを1回行い、1人だけが勝つ(または1人だけが負ける)確率は」のように、全員が同時に手を出すときの条件付き確率を求める問題です。
こう考える
特定の1人(例えばA)が勝者になるパターンを数える。Aがグーで勝つ(他全員チョキ)、チョキで勝つ(他全員パー)、パーで勝つ(他全員グー)の3通り
対称性でN人分に拡張: N人のうち誰が勝者かはN通りあるので
×N 確率 =
3N3N
対称性に気づかず、全パターンを列挙しようとして時間切れ。「1人だけ勝つ」「1人だけ負ける」なら、まずAだけで考えてN倍、が鉄則です。
例題で確認
例題
A, B, C, D, Eの5人がじゃんけんを1回行う。それぞれグー・チョキ・パーを等確率で出すとき、1人だけが負ける確率はどれか。
類題を解く
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5. 総当たり戦の確率
総当たり戦(リーグ戦)の試合数
- N人の総当たり戦の試合数 = NC2(2人の組み合わせの数)
- 例: 3人 → 3C2=3 試合、4人 → 4C2=6 試合
各試合の結果のパターン数
- 各試合で勝敗が2通り、引き分けなし → 全体は 2試合数 通り
- 例: 4人の総当たり(6試合)→ 26=64 通り
こういう問題が出る
「総当たり戦を行う。引き分けがなく各試合で勝つ確率がそれぞれ 21 のとき、全員の勝ち数が同じになる確率は」のように、リーグ戦の結果に関する確率を求める問題です。
こう考える
試合数を確認:
NC2 試合
全体の場合の数:
2試合数(同じ相手と複数回戦うなら、その試合もすべて数える)
1つの対戦カードの結果を固定して、残りが一意に決まるか確認する。「全員が同じ勝ち数」のような条件では、1カードの結果を決めると残りのカードの結果が芋づる式に決まることが多い
余事象の確率(全員同じ成績にならない確率)を答えてしまう。問題文で「何の確率」を聞かれているか注意。
例題で確認
例題
A, B, Cの3チームが、どの2チームも2回ずつ対戦する総当たり戦を行う(各チーム4試合)。引き分けはなく、各試合で勝つ確率はそれぞれ
21 である。3チームとも2勝2敗になる確率はどれか。
類題を解く
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6. 逐次選択
乗法定理(復習)
- 各段階の確率を掛け合わせて全体の確率を求める
- 事象Aが起こり、そのあと事象Bが起こる確率 = Aの確率 ×(Aが起こった条件でのBの確率)
1つ目は何でもOK
- 「同じ種類をそろえる」問題で種類が指定されていなければ、1つ目は何を引いても構わない(確率1)
- 確率の計算が始まるのは2つ目から(「残りの中に、1つ目と同じ種類が何個あるか」が確率になる)
こういう問題が出る
「数種類の品物が同じ数ずつ入った箱から、1個ずつ戻さずに取り出すとき、すべて同じ種類になる確率は」のように、毎回の確率が変化する段階的な問題です。
こう考える
各段階で「残り何個の中から選ぶか」を整理する(取り出すたびに全体が1個減る)
2つ目以降は「残りの中に条件を満たすものが何個あるか ÷ 残りの個数」を求める
種類が指定されていないのに、1つ目にも「特定の色が出る確率」を掛けてしまう。「赤で3本そろう」なら1本目から確率を掛けるが、「どの色でもよいから3本そろう」なら1本目は確率1です。
例題で確認
例題
箱の中に、赤・青・緑・黄の4色の色鉛筆が3本ずつ、合計12本入っている。この箱から1本ずつ、戻さずに3本を取り出すとき、3本とも同じ色である確率はどれか。
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7. 反復試行+得点条件
反復試行の確率(復習)
- 同じ試行をN回繰り返すとき、「成功r回・失敗(N−r)回」となる確率は:
- NCr×pr×(1−p)N−r
- NCr は「N回のうちどの回で成功するかの組み合わせ」、p は1回あたりの成功確率
なぜ nCr をかけるのか
- 例えば3回中1回成功する場合、「1回目に成功」「2回目に成功」「3回目に成功」の3通りがある
- どのパターンも確率は同じなので、3C1=3 倍する
加法定理
- 複数の条件を満たすパターンがあるとき、同時に起こりえない(排反な)場合は足し算で合算する
- 例: 「10点になる確率」+「25点になる確率」
こういう問題が出る
「クイズに何問か答え、正解なら加点、不正解なら減点する。最終得点が○点以上になる確率は」のように、繰り返しゲームの得点条件から確率を求める問題です。
こう考える
得点表を作る: 成功回数ごとに最終得点を計算して表にする
反復試行の公式に当てはめる:
NCr×pr×(1−p)N−r 複数の成功回数が条件を満たすなら足し合わせる(加法定理)
反復試行の係数
NCr をかけ忘れて、1パターンだけの確率を答えてしまう。「4回中2回成功」には
4C2=6 通りのパターンがあることを忘れずに。
例題で確認
例題
3つの選択肢から1つを選ぶクイズが4問ある。すべての問題に当てずっぽうで答え、各問とも正解する確率は
31 とする。持ち点0点から始め、正解すると+10点、不正解だと−5点とする。4問終了後の得点が10点以上になる確率はどれか。
類題を解く
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