場合の数は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「金額・個数制約の数え上げ」「条件付き並べ方」「グループからの選出」「重複組合せ」「最短経路」「組分け」など7つのタイプに分かれます。共通するコツは「条件の厳しいものから先に決めて、選択肢を狭めていく」こと。全部をいっぺんに考えるのではなく、段階的に場合分けしていくのが基本です。
| タイプ | ひとことで言うと | 頻出度 | 難易度の目安 |
|---|---|---|---|
| 金額・個数制約の数え上げ | 予算内で買える組合せを樹形図で数える | ★★☆ | ★☆☆〜★★☆ |
| 条件付き並べ方 | 「端に置く」「隣り合う」等の条件つきで並べる | ★★★ | ★★☆ |
| グループからの選出 | 各グループから指定人数を選ぶ組合せ | ★★★ | ★☆☆ |
| 役割割り当て | N人にK種類の役割を割り当てる | ★★☆ | ★☆☆〜★★☆ |
| 重複組合せ(仕切り法) | 同じ種類のものをグループに分配する | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
| 最短経路 | 格子状の道をAからBまで最短で行く道順 | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
| 組分け・チーム分け | N人をいくつかのグループに分ける | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
このパターンで頻出の用語と公式
場合の数のどのタイプでも繰り返し使う基本の公式・定理です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。
この問題で使う用語と公式
階乗(かいじょう)— n!
- 異なるn個を全部並べる方法の数を n!(nの階乗)と書く
- n! = n × (n−1) × (n−2) × … × 1
- 例: 6! = 6 × 5 × 4 × 3 × 2 × 1 = 720通り
順列(じゅんれつ)
- 異なるn個からr個を選んで順番に並べる方法の数
- = n × (n−1) × (n−2) × …(r個の数を掛ける)
- 例: 6個から3個を並べる → = 6 × 5 × 4 = 120通り
- n個を全部並べる場合は = n! と同じになる
組合せ(くみあわせ)
- 異なるn個からr個を選ぶ(順番は関係ない)方法の数
- = ÷ r!(順列を「並び順の重複」で割ったもの)=
- 例: 6個から3個を選ぶ → = ÷ 3! = = 20通り
- よく使う値: 5個から2個 = 10、6個から2個 = 15、6個から3個 = 20、7個から3個 = 35
順列と組合せの見分け方
- 選んだ後に役割や順番がある → 順列()
- 選んだ後に役割や順番がない(単に選ぶだけ) → 組合せ()
積の法則
- Aが起こる方法が a通り、Bが起こる方法が b通りあるとき
- 「Aが起こり、かつ、Bが起こる」方法 → a × b(通り)
- 例: 上着が3着、ズボンが4本 → 組合せは 3 × 4 = 12通り
和の法則
- Aが起こる方法が a通り、Bが起こる方法が b通りあるとき
- 「Aが起こる、または、Bが起こる」方法 → a + b(通り)
- ただし、AとBは同時に起こり得ないこと
- 例: 赤い玉が3個、青い玉が5個 → 「赤か青の玉を1個選ぶ」方法 = 3 + 5 = 8通り
1. 金額・個数制約の数え上げ
この問題で使う用語と公式
樹形図(じゅけいず)
- 場合分けの結果を木の枝のように広げて整理する図のこと
- 「高い方の商品の個数」を幹にして、「安い方の商品の個数」を枝として広げていく
場合分けの鉄則: 高い方から固定する
- 2種類の商品があるとき、単価の高い方の個数を1個、2個、…と固定していく
- 高い方の個数が少ないほうが場合の数が少なく、整理しやすいため
こういう問題が出る
「単価X円の商品Aと単価Y円の商品Bをどちらも1個以上、合わせてN個以内、合計M円以下で買うとき、買い方は何通りか」のように、金額や個数の上下限の範囲内で買える組合せを数え上げる問題です。
こう考える
この問題は以下の手順で解きます。
例題で確認
例題
2. 条件付き並べ方
この問題で使う用語と公式
階乗と順列(復習)
- n! = n × (n−1) × (n−2) × … × 1(異なるn個を全部並べる方法の数)
- = n × (n−1) × (n−2) × …(r個の数を掛ける)(n個からr個を選んで順番に並べる方法の数)
- 例: 5個全部を並べる → 5! = 120通り。6個から3個を並べる → = 6 × 5 × 4 = 120通り
「隣り合う」条件の処理
- 隣り合う要素をひとまとめにして1つのブロックと考える
- ブロック内の並び替え × ブロックを含めた全体の並び替え
- 例: AとBが隣り合う場合 → [AB]を1ブロックにして他と並べる。さらにブロック内でAB, BAの2通り
「端に置く」条件の処理
- 端(左端・右端)は2箇所あるので、端に置く要素の場所を先に決めてから残りを並べる
こういう問題が出る
「5色の玉を一列に並べるとき、赤は端に、青と緑は隣り合う」のように、位置の制約や隣接条件つきで並べ方を数える問題です。
こう考える
条件付き並べ方は、以下の手順で解きます。
例題で確認
例題
3. グループからの選出
この問題で使う用語と公式
組合せ(くみあわせ)
- 異なるn個からr個を選ぶ(順番は関係ない)方法の数
- = ÷ r!(順列を「並び順の重複」で割ったもの)=
- 例: 6個から3個を選ぶ → = ÷ 3! = = 20通り
- よく使う値: 5個から2個 = 10、6個から2個 = 15、6個から3個 = 20、7個から3個 = 35
積の法則
- 2つのことが独立に起こるとき、全体の場合の数 = それぞれの場合の数の掛け算
- 例: グループAから2人選ぶ方法が10通り、グループBから3人選ぶ方法が20通り → 合わせて10 × 20 = 200通り
和の法則
- 2つのことが同時には起こらないとき、「AまたはB」の場合の数 = それぞれの場合の数の足し算
- 例: 赤い玉が3個、青い玉が5個あるとき、「赤か青の玉を1個選ぶ」方法 = 3 + 5 = 8通り
- ※ただしAとBが同時に起こりうる場合は、重複分を引く必要がある(包除原理)
こういう問題が出る
「50代から1人、40代から1人、30代から2人を選ぶ」のように、複数のグループからそれぞれ指定人数を選ぶ組合せを求める問題です。
こう考える
このタイプは場合の数の中でも最もシンプルです。
例題で確認
例題
4. 役割割り当て
この問題で使う用語と公式
役割割り当てと「選ぶだけ」の違い
- 「3人から委員長と副委員長を選ぶ」→ AさんとBさんを選んだとき、「A=委員長、B=副委員長」と「A=副委員長、B=委員長」は別の結果 → 順列
- 「3人から2人を選ぶ」→ AさんとBさんを選んだとき、順番は関係ない → 組合せ
段階的に決める方法
- 制約のある役割から先に決め、残った人数で次の役割を決めていく
- 各段階の選び方を掛け算すれば答えが出る(積の法則)
こういう問題が出る
「6人のスタッフに司会2人、記録1人、受付2人、誘導1人の役割を割り当てる」のように、N人にK種類の役割を割り振る方法を求める問題です。
こう考える
例題で確認
例題
5. 重複組合せ(仕切り法)
この問題で使う用語と公式
重複組合せ(ちょうふくくみあわせ)
- 同じ種類のものを何個でも選べる場合の組合せ。「りんご3個、みかん2個、バナナ5個」のように、同じものが繰り返し選ばれる
仕切り法(しきりほう)
- n個のもの(○)をk種類に分配するとき、種類の境目に仕切り(■)を入れて並べ方を数える方法
- 仕切りの数 = k − 1(k種類の境目はk−1箇所)
仕切り法の公式(2パターンあるので注意!)
- 各種類0個でもOKの場合: ○がn個、■がk−1個の並べ方 =
- 各種類1個以上の場合: ○と○の間にだけ■を入れる =
ノルマ処理
- 「各種類2個以上」のような下限条件がある場合、先に下限分を確定させて自由な状態にしてから仕切り法を適用する
- 例: 4種類を各2個以上で合計15個 → 先に4×2=8個確定、残り7個を0個以上で分配
こういう問題が出る
「4種類の果物を合計15個、各種類2個以上買うとき、買い方は何通りか」のように、同じ種類のものを複数のグループに分配する方法を数える問題です。
こう考える
例題で確認
例題
6. 最短経路
この問題で使う用語と公式
最短経路の考え方
- 格子状の道路でAからBへ最短距離で行くには、右にm回、下にn回の移動が必要
- 道順の総数は、合計(m+n)回の移動から「下に進む」n回をどこで行うかの組合せに等しい
- 公式:
通行不可の区画がある場合
- 公式が使えないので、各交差点に到達する経路数を1つずつ書き込んでいく
- 上辺・左辺はすべて「1」(まっすぐ進む方法は1通りだけ)
- 内部の各交差点: 上の点の値 + 左の点の値
- 通れない道がある場合は、通れる方向の値だけを足す
こういう問題が出る
「4×3の格子状の道路で、A地点からB地点まで最短距離で行く道順は何通りか」のように、格子の上を遠回りせずに進む経路の数を求める問題です。通行不可の区画がある応用問題も出ます。
こう考える
- 通行不可なし: 右m回 + 下n回の並べ方 = (m+n)個からn個を選ぶ組合せ
- 通行不可あり: 各交差点に「上+左」で数値を書き込んでいく
- 特定の点を必ず通る: A→中間点→Bに分けてそれぞれの経路数を掛け算
例題で確認
例題
7. 組分け・チーム分け
この問題で使う用語と公式
区別あるグループと区別なしグループ
- グループに名前がある場合(部屋A, B, Cなど): そのまま計算すればOK
- グループに名前がない場合(「3つのグループに分ける」など): 同じ人数のグループがk組あるなら、÷k!(kの階乗)で割る
なぜ÷k!するのか
- 名前がないグループ同士を入れ替えても同じ分け方になるから
- 例: 6人を3人ずつ2組に分ける場合、「グループ①(A,B,C)・グループ②(D,E,F)」と「グループ①(D,E,F)・グループ②(A,B,C)」は同じ分け方 → ÷2! = ÷2
不均等分割の注意
- 人数が異なるグループは入れ替えても別の分け方になるので、÷k!の対象にならない
- 例: 8人を「3人・3人・2人」に分ける場合 → 3人組同士の入れ替え分だけ ÷2!(2人組は1つしかないので割らない)
こういう問題が出る
「9人を3人ずつ3つのグループに分ける方法は何通りか」のように、N人をいくつかのグループに分ける方法を求める問題です。
こう考える
例題で確認
例題