速さ・旅人算は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「往復の速さ」「追いかけ算」「出会い算」「速さの比と時間の比」「周回コース」の5つのタイプに分かれます。共通するコツは「距離=速さ×時間」を基本にして、2人の速さの差や和に注目すること。追いかける場面では「速さの差」、向かい合う場面では「速さの和」を使えば、ほとんどの問題が解けます。
| タイプ | ひとことで言うと | 頻出度 | 難易度の目安 |
|---|---|---|---|
| 往復の速さ | 行きと帰りで速さが違う往復問題を方程式で解く | ★★★ | ★☆☆ |
| 追いかけ算 | 前にいる人に追いつくまでの時間を「速さの差」で求める | ★★★ | ★☆☆ |
| 出会い算 | 向かい合って進む2人がすれ違う時刻・地点を求める | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
| 速さの比と時間の比 | 距離が同じなら速さと時間は反比例。「逆比」がカギ | ★★★ | ★★☆ |
| 周回コースと定期運行 | 周回の余り距離を追跡する。ダイヤグラム型も | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
1. 往復の速さ
この問題で使う用語と公式
速さの3公式
この分野で最も大切な公式は次の3つです。どれも同じ関係を形を変えて表したものです。
- 距離 = 速さ × 時間
- 速さ = 距離 ÷ 時間
- 時間 = 距離 ÷ 速さ
単位の使い方
- 分速: 1分あたりに進む距離(例: 分速60m → 1分で60m進む)
- 時速: 1時間あたりに進む距離(例: 時速4km → 1時間で4km進む)
- 速さが「分速」なら時間は「分」、速さが「時速」なら時間は「時間」で統一してください。混ぜると計算が合わなくなります
往復問題の基本的な立式
行きと帰りの距離は同じなので、片道の距離をLとおくと
- 行きにかかる時間 =
- 帰りにかかる時間 =
- 行き+帰り = 往復の移動時間
この方程式をLについて解きます。
こういう問題が出る
「午後2時15分に家を出て分速60mで公園に行き、公園で2時間40分遊んでから分速80mで帰宅したら午後6時19分だった。家から公園までの距離は?」のように、行きと帰りで速さが異なる往復問題です。
こう考える
例題で確認
例題
2. 追いかけ算
この問題で使う用語と公式
追いかけ算の公式
2人が同じ方向に進んでいて、速い人が遅い人に追いつく問題です。
- 追いつくまでの時間 = 2人の距離 ÷ 速さの差
なぜこうなるかというと、1分ごとに「速さの差」の分だけ距離が縮まるからです。例えば、分速200mの人と分速160mの人がいれば、1分で40mずつ差が縮まります。
追いかけ算: 追いつくまでの時間 = 2人の距離 ÷ 速さの差
出会い算: 出会うまでの時間 = 2人の距離 ÷ 速さの和
出会い算の公式(セットで覚える)
2人が向かい合って進むときは、1分ごとに「速さの和」の分だけ距離が縮まります。
この2つは必ずセットで覚えてください。混同が最も多いミスです。
- 同じ方向 → 差で割る
- 向かい合う → 和で割る
こういう問題が出る
「Aは分速200m、Bは分速160mで同じ方向に歩いている。BがAの前方680mにいるとき、AがBに追いつくのは何分後か」のように、前方にいる人に追いつくまでの時間を求める問題です。
こう考える
例題で確認
例題
3. 出会い算
この問題で使う用語と公式
出会い算の基本
- 向かい合って進む2人がすれ違うまでの時間 = 距離 ÷ 速さの和
- 出発時刻にずれがある場合は、後から出発した人が出発した時点での2人の距離を求めてから公式を使います
すれ違い後の残り時間から逆算するタイプ
上級レベルでは、「すれ違った後にAがゴールまで 分かかり、Bが 分かかった」という情報から、すれ違った時刻を逆算する問題が出ます。この場合は次の原理を使います。
- 速さが一定なら、かかった時間の比 = 距離の比
この関係を2通りの式で表して比例式を作り、方程式を解きます。
こういう問題が出る
「AはX地点から、BはY地点から互いに向かって同時に出発した。2人がすれ違った地点はX地点から何kmか」のように、向かい合って進む2人がすれ違う時刻や地点を求める問題です。上級問題では、すれ違い後の残り時間の情報だけが与えられ、二次方程式を解く必要があるものもあります。
こう考える
基本パターン(速さが与えられている場合)
- 出発時刻にずれがあれば、後から出発した時点での2人の距離を計算する
- 距離 ÷ 速さの和 = すれ違うまでの時間
上級パターン(すれ違い後の残り時間が与えられた場合)
- すれ違い地点をPとおく
- Aの出発からすれ違いまでの時間を とする
- 「時間の比=距離の比」を使って比例式を2つ立てる
- 外項の積=内項の積で二次方程式にして解く
例題で確認
例題
4. 速さの比と時間の比
この問題で使う用語と公式
最重要ポイント: 距離が同じなら、速さと時間は反比例する
これがこのタイプの核心です。同じ距離を移動する場合、速さが2倍になればかかる時間は半分、速さが3倍になれば時間は です。
- 速さの比が A : B なら → 時間の比は B : A(逆比)
例えば、速さの比が 3 : 2 なら、時間の比は 2 : 3 です。速い方が短い時間で着く、と確認すれば逆比を間違えません。
「○倍」の読み方
- 「復路の速さは往路の 倍」→ 基準は往路。復路は往路より遅い
- 「自転車の速さは徒歩の4倍」→ 基準は徒歩。自転車は4倍速い → 時間は
こういう問題が出る
「徒歩と自転車で同じ道を往復したとき、往復にかかった時間の差は何分か」「いつもより15分遅れて出発したので、途中から3倍の速さで走ったらいつもと同じ時刻に着いた」のように、同じ距離で速さが異なる状況の時間を比べる問題です。
こう考える
例題で確認
例題
5. 周回コースと定期運行
この問題で使う用語と公式
周回問題の考え方
1周Lmの周回コースで2人が走る場合、注目するのは1周ごとの位置の変化量(余り距離)です。
- Aが1周する間にBが進む距離を求める
- そこから整数周分を引いた余りが、「1周ごとにBが進む余分な距離」
- この余り距離を周回ごとに積み重ねて、条件を満たす位置になる最小周回数を求める
定期運行(ダイヤグラム型)の考え方
バスや電車がN台で一定間隔で往復している場合、次の手順で解きます。
- 1台のサイクル時間 = 台数 × 出発間隔
- 走行時間 = サイクル時間 − 停車時間の合計
- 片道の所要時間 = 走行時間 ÷ 2
- 速さ = 距離 ÷ 片道の所要時間
こういう問題が出る
「1周400mのトラックでAとBが同時にスタートした。Aが止まったとき、BはAの前方20mにいた。Aの最小周回数は?」のように、周回コースで2人の位置関係を追跡する問題です。定期運行型では「8台のバスが10分間隔で出発するとき、出発してから最初にすれ違うのは何分後か」といった問題が出ます。
こう考える
周回問題
- 速さの比を求めて、Aが1周する間にBが進む距離を計算する
- 整数周を引いた「余り距離」を求める
- 周回ごとにBの位置を表にまとめて追跡する
- 条件を満たす最小の周回数を見つける
定期運行問題
- サイクル時間を計算する(台数 × 間隔)
- 停車時間を引いて走行時間を求める
- 出発時点で対向してくる車両の位置を確認する
- 出会い算(距離 ÷ 速さの和)ですれ違い時刻を計算する
例題で確認
例題