通過算・流水算

数的推理 解法ガイド

通過算・流水算は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「列車の通過算」「流水算の基本」「流水算と速さの比」「飛行機と気流」の4つのタイプに分かれます。共通するコツは「移動距離と速さの関係を正しくつかむ」こと。列車の長さや川の流れなど、普通の速さの問題にはない要素が加わりますが、公式さえ押さえれば得点源にできるパターンです。

タイプひとことで言うと頻出度難易度の目安
列車の通過算列車がすれ違う・追い越す・トンネルを通る時間を求める★★★★☆☆
流水算の基本川の流れがある中で船の速さや距離を求める★★☆★★☆
流水算と速さの比速さの比から往復時間や距離を求める★★☆★★☆〜★★★
流水算の応用(飛行機と気流)ジェット気流を流水算に見立てて飛行時間を求める★☆☆★★★
すぐに問題を解きたい方はこちら → 「通過算・流水算」の問題演習をする

このパターンで頻出の用語と公式

通過算・流水算のどのタイプでも繰り返し使う基本の公式です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。

この問題で使う用語と公式

速さの3公式

  • 距離 = 速さ × 時間
  • 速さ = 距離 ÷ 時間
  • 時間 = 距離 ÷ 速さ

時速・分速・秒速の換算

速さの単位変換は通過算・流水算で頻出です。コツは「時速が18の倍数なら、秒速が整数になる」ことを覚えておくこと。

  • 時速 → 秒速:÷ 3.6(= ÷ 3600 × 1000)
  • 秒速 → 時速:× 3.6

よく出る換算値:時速36km/h → 秒速10m/s、時速72km/h → 秒速20m/s、時速108km/h → 秒速30m/s、時速180km/h → 秒速50m/s

例:時速126km → 126 ÷ 3.6 = 秒速35m

流水算の基本公式

  • 下り(川を下る・追い風)の速さ = 静水時の速さ + 流速
  • 上り(川を上る・向かい風)の速さ = 静水時の速さ − 流速

「静水時の速さ」とは、川の流れがないときの船自体の速さのことです。追い風なら流れに乗って速くなり、向かい風なら流れに逆らって遅くなります。

同じ距離なら速さと時間は反比例する

速さの比と時間の比は逆比の関係。例:下りの速さ:上りの速さ = 3:1 → 下りの時間:上りの時間 = 1:3


1. 列車の通過算

この問題で使う用語と公式

通過算とは

列車のように「長さのある物体」が何かを通過するとき、移動距離に列車自身の長さが含まれるのがポイントです。普通の速さの問題と違い、「先頭が出会った瞬間」から「最後尾が離れる瞬間」までを考えます。

通過算の3パターン

  • すれ違い(対向する2台): 移動距離 = 2台の長さの和、使う速さ = 速さの和
  • 追い越し(同方向の2台): 移動距離 = 2台の長さの和、使う速さ = 速さの差
  • トンネル・鉄橋を通過: 移動距離 = 列車の長さ + トンネルの長さ、使う速さ = 列車の速さ

すれ違いと追い越しで移動距離(長さの和)は同じですが、速さが「和」と「差」で異なります。ここを間違える人が非常に多いので要注意です。

速さの単位換算(復習)

  • 時速 → 秒速:÷ 3.6
  • コツ:時速が18の倍数なら秒速が整数になる

こういう問題が出る

「長さと速さの違う2本の列車が、対向してすれ違うのに何秒かかるか」のように、列車どうしのすれ違い・追い越しの時間や、列車がトンネルを通過する時間を求める問題です。

こう考える

単位を揃える: 時速が与えられたら秒速に変換する(÷ 3.6)
移動距離を求める: 上の表に当てはめて「長さの和」or「列車 + トンネル」
時間 = 距離 ÷ 速さ: 距離をステップ2の値、速さを「和」or「差」で計算する
すれ違い(速さの和)と追い越し(速さの差)を取り違える。問題文の「対向して」「同じ方向に」を必ず確認しましょう。

例題で確認

例題

長さ160mの特急列車が時速126kmで、長さ380mの貨物列車が時速36kmで、平行する線路を互いに向かい合って走っている。2本の列車がすれ違い始めてからすれ違い終わるまでの時間はいくらか。
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2. 流水算の基本

この問題で使う用語と公式

流水算の基本公式(復習)

  • 下りの速さ = 静水時の速さ + 流速
  • 上りの速さ = 静水時の速さ − 流速

通過算との融合

川で2隻の船がすれ違う場合、通過算の考え方(移動距離 = 2隻の長さの和)と流水算の考え方(下りの速さ・上りの速さ)を組み合わせます。

ポイントは「同じ時間で進む距離の比は、速さの比と等しい」ことです。すれ違いの時間は2隻とも同じなので、それぞれが進んだ距離は速さの比で按分できます。

こういう問題が出る

「川を下る船と上る船がすれ違った。静水時の速さと流速の関係が与えられたとき、すれ違う間に一方の船が進んだ距離はいくらか」のように、川の流れがある中で2隻の船がすれ違う問題です。

こう考える

速さの比を求める: 「静水時の速さは流速の◯倍」→ 静水時:流速 = ◯:1
下り・上りの速さの比を計算: 下り = (◯+1)、上り = (◯−1)→ 下り:上り = (◯+1):(◯−1)
長さの和を比で按分: 2隻の長さの和を、速さの比(= 距離の比)で分ける
「川の流れがあっても2隻が進む距離は同じ」と思い込んで、長さの和を2等分してしまう。川の流れがあるから進む距離が違うのです。

例題で確認

例題

川を下る観光船(長さ28m)と、川を上る作業船(長さ22m)がすれ違った。2隻の静水時の速さは等しく、どちらも川の流れの速さの5倍である。すれ違い始めてからすれ違い終わるまでに、上りの作業船が進んだ距離はいくらか。
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3. 流水算と速さの比

この問題で使う用語と公式

速さと時間の反比例(復習)

同じ距離を移動するとき、速さの比と時間の比は逆比になります。

例:速さの比が 5:2 → 時間の比は 2:5

この関係は流水算の往復問題で必ず使います。下りと上りは同じ区間(同じ距離)なので、下りの速さ:上りの速さがわかれば、下り時間:上り時間がその逆比で求まります。

速さの比から静水時の速さと流速を求める

静水時の速さを aa、流速を vv として、下りの速さ:上りの速さ = (a+v):(a−v)(a + v):(a - v) です。この比が時間の比から(逆比で)わかったら、aa と vv の関係を方程式で求めます。

例:下り時間:上り時間 = 1:3 → 下りの速さ:上りの速さ = 3:1

(a+v):(a−v)=3:1(a + v):(a - v) = 3:1 → a+v=3(a−v)a + v = 3(a - v) → a=2va = 2v

こういう問題が出る

「船Aの下りと上りの時間、船Bの上りの時間がわかっているとき、Bが下るのにかかる時間はいくらか」のように、複数の船の往復情報から、速さの比を段階的に組み立てて求める問題です。

こう考える

時間の比 → 速さの比: 同じ距離なので逆比を取る
速さの比 → 静水時と流速の関係: (a+v):(a−v)(a+v):(a-v) の方程式を解く
2隻目の速さを求める: 共通区間の時間の比から速さの比を求め、流速 vv を基準に表す
求める時間を計算: 速さの比を出してから逆比で時間に変換
速さの比をそのまま時間の比として使ってしまう。同じ距離なら速さの比と時間の比は「逆」です。これを忘れると全く違う答えになります。

例題で確認

例題

川の上流にある北港と下流にある南港の間を、遊覧船Aと水上タクシーBが行き来している。Aは北港→南港(下り)に1時間40分、南港→北港(上り)に2時間30分かかる。Bは南港→北港(上り)に1時間15分かかる。Bが北港→南港(下り)にかかる時間はいくらか。ただし、川の流れの速さと、各船の静水時の速さはそれぞれ一定とする。
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4. 流水算の応用(飛行機と気流)

この問題で使う用語と公式

ジェット気流=川の流れ

飛行機が追い風(ジェット気流)で飛ぶ → 流水算の「下り」に相当

飛行機が向かい風で飛ぶ → 流水算の「上り」に相当

つまり流水算の公式がそのまま使えます。

  • 追い風での速さ = 飛行機の速さ + 気流の速さ
  • 向かい風での速さ = 飛行機の速さ − 気流の速さ

秒速 → 時速の換算

気流の速さが「秒速○m」で与えられることがあります。秒速 → 時速の換算は × 3.6 です。

例:秒速40m → 40 × 3.6 = 時速144km

× 3600 だけだと「m/時」のままです。km/時にするにはさらに ÷ 1000 を忘れずに(まとめて × 3.6 と覚えましょう)。

時差の計算

時差のある都市間の問題では、出発地と到着地の時差を考慮して飛行時間を求めます。到着地の現地時刻を出発地の時刻に揃えてから引き算します。

例:到着地の時刻が出発地より3時間遅れている場合

到着地の現地時刻 8:20 → 出発地の時刻に直すと 8:20 + 3時間 = 11:20

こういう問題が出る

「時差のある2都市の間を飛行機で往復した。気流の秒速と飛行機の時速が与えられ、行きの出発・到着時刻から帰りの飛行時間を求めよ」のように、気流を流水算に見立てて、単位換算や時差計算と組み合わせる問題です。

こう考える

単位を揃える: 気流の秒速を時速に変換(× 3.6)
速さの比を求める: 飛行機:気流の速さの比 → 追い風:向かい風の速さの比
行きの飛行時間を算出: 時差を考慮して実際の飛行時間を求める
帰りの時間を比で計算: 追い風と向かい風の時間の比は速さの逆比
秒速→時速の単位換算で「× 3600」だけで止めてしまう(m/時になるだけで km/時 にならない)。また、時差の足し引きの方向を間違えるケースも多いです。

例題で確認

例題

無風時の速さが時速540kmの貨物機が、東にある都市Pから西にある都市Qへ飛び、同じ経路でPへ戻った。この経路には西から東へ秒速25mの気流が吹いており、行き(P→Q)は真正面から、帰り(Q→P)は真後ろから受ける。行きはP時間の22時15分にPを出発し、Qに現地時間の翌日3時15分に到着した。Qの時刻はPの時刻より2時間遅れている。帰り(Q→P)の飛行時間はいくらか。
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