仕事算

数的推理 解法ガイド

仕事算は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「基本の引き継ぎ型」「共同作業と日数差」「3者の組合せ作業」「段階作業」「給水・排水算」など6つのタイプに分かれます。共通するコツは「全体の仕事量を1とおいて、1日(1分)あたりの仕事量を分数で表す」こと。これさえ押さえれば、あとは分数の足し引きで解けます。

タイプひとことで言うと頻出度難易度の目安
基本の仕事算(引き継ぎ型)AがN日で終わる仕事を途中で引き継ぐ★★★★☆☆
共同作業と個人の日数差共同と単独の日数差から個人の日数を求める★★☆★★☆
3者の組合せ作業ペアの作業量を連立方程式で解く★★☆★★☆〜★★★
段階作業(仕事量の分担計算)順番に作業するペアから個人の能力を逆算★☆☆★★★
給水・排水算(水槽の容量)複数の蛇口の条件から水槽の容量を求める★★☆★★☆
給水・排水算(給水+排水の複合)給水と排水が同時に起こる状況を計算★★☆★★★
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このパターンで頻出の用語と公式

仕事算のどのタイプでも繰り返し使う基本の考え方です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。

この問題で使う用語と公式

全体の仕事量を1とおく(仕事算の大原則)

仕事算では、全体の仕事量を「1」とおくのが出発点です。「N日で完了する仕事」なら、1日あたりの仕事量は 1N\frac{1}{N} になります。

  • 例: 25日で完了する仕事 → 1日あたり 125\frac{1}{25}
  • 例: 45分で満水にする蛇口 → 1分あたり 145\frac{1}{45}

共同作業の仕事量は「足し算」

AとBが一緒に作業するとき、2人の1日あたりの仕事量は足し算で求めます。

  • AとBの共同作業の1日あたりの仕事量 = 1NA+1NB\frac{1}{N_A} + \frac{1}{N_B}
  • 例: Aが9日、Bが18日で終わる仕事を共同で行うと → 1日あたり 19+118=2+118=318=16\frac{1}{9} + \frac{1}{18} = \frac{2 + 1}{18} = \frac{3}{18} = \frac{1}{6}

掛け算(19×118\frac{1}{9} \times \frac{1}{18})にしてしまうミスが非常に多いので注意しましょう。

仕事量と時間は逆数の関係

1日あたりの仕事量が 140\frac{1}{40} なら、全体を終えるのにかかる日数は逆数をとって 1÷140=401 \div \frac{1}{40} = 40 日です。


1. 基本の仕事算(引き継ぎ型)

この問題で使う用語と公式

全体の仕事量を1とおく(復習)

仕事算ではまず全体の仕事量を「1」とおきます。N日で完了する仕事なら、1日あたりの仕事量は 1N\frac{1}{N} です。

残りの仕事量の求め方

1人目がD日間作業したら、残りの仕事量は「1 −(1人目の仕事量)」です。

  • 例: 1日あたり 120\frac{1}{20} の人が5日作業 → 完了分 = 120×5=14\frac{1}{20} \times 5 = \frac{1}{4} → 残り = 1−14=341 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}

こういう問題が出る

「A社がN日で終わる仕事を途中まで行い、残りをB社が引き継いで完了した。B社だけでやると何日かかるか」のように、途中で作業者が交代する場面で、もう一方の能力を求める問題です。

こう考える

全体の仕事量を1とおく
Aの1日あたりの仕事量を求める: 1N\frac{1}{N}
AがD日間で行った仕事量を計算: 1N×D\frac{1}{N} \times D
残りの仕事量を計算: 1 −(Aの仕事量)
Bの1日あたりの仕事量を求める: 残り ÷ Bの作業日数
Bだけで全体をやる日数: 逆数をとる
残りの仕事量の計算で、全体が「1」であることを忘れて日数で引き算してしまうパターンです。「21日の仕事を7日やったから残りは14日分」ではなく、仕事量で考えましょう。

例題で確認

例題

ある町の古文書のデジタル化を、業者Aが1社で行うと21日で終わる。この作業をAが7日間行った後、残りを業者Bが引き継ぎ、24日かけて終わらせた。最初からBだけでこの作業を行うと何日かかるか。
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2. 共同作業と個人の日数差

この問題で使う用語と公式

日数差の条件の読み方

「2人で共同して行うとA1人より a 日早く終わる」とは、共同作業の日数を x とすると、A1人では x + a 日かかるという意味です。

  • 共同作業: x 日
  • A1人: x + a 日
  • B1人: x + b 日

x2=a×bx^2 = a \times b の公式

計算を進めると必ず x2=a×bx^2 = a \times b の関係が出てきます。x が正の整数になるには、a × b が完全平方数(ある整数の2乗)になっている必要があります。

例: a = 2, b = 18 → x2=36x^2 = 36 → x=6x = 6

こういう問題が出る

「2人で共同作業するとA1人より a 日早く、B1人より b 日早く終わる。B1人では何日かかるか」のように、共同作業と単独作業の日数差から個人の所要日数を求める問題です。

こう考える

共同作業の日数を x とおく。A1人は x + a 日、B1人は x + b 日
全体の仕事量を1とおき、方程式を立てる: xx+a+xx+b=1\frac{x}{x+a} + \frac{x}{x+b} = 1
両辺に(x+a)(x+b)をかけて展開
整理すると x2=a×bx^2 = a \times b になる
x を求めて、求められている方の日数を計算
方程式の展開で符号を間違えるケースと、x2=144x^2 = 144 から x=±12x = \pm12 として負の値を含めてしまうケース。x は日数なので必ず正の値です。

例題で確認

例題

ある冊子の編集作業を、編集者Aと編集者Bの2人で分担して同時に進めると、A1人で行うより9日早く終わり、B1人で行うより16日早く終わる。B1人で行う場合の所要日数はいくらか。ただし、各人の1日あたりの作業量はそれぞれ一定とする。
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3. 3者の組合せ作業

この問題で使う用語と公式

単位時間あたりの作業量

このタイプでは「36m²を24分で塗る」のように、面積や個数と時間が与えられます。まず「1分あたり何m²できるか」を計算するのが第一歩です。

  • 1分あたりの作業量 = 面積 ÷ 時間
  • 例: 36m²を24分 → 3624=1.5\frac{36}{24} = 1.5 m²/分

3式足して2で割るテクニック

a+ba + b、a+ca + c、b+cb + c の3つが分かっているとき、3つを全部足すと 2(a+b+c)2(a + b + c) になります。2で割れば a+b+ca + b + c が求まり、そこから既知のペアの値を引けば1人分が分かります。

こういう問題が出る

「3人のうち2人ずつの組で、それぞれ何m²を何分で仕上げたかがわかっている。そのうちの1人だけで決まった面積を仕上げると何分か」のように、3つのペア作業の条件から特定の1人の能力を求める問題です。

こう考える

各ペアの単位時間あたりの作業量を計算する
連立方程式を立てる: a+b=Xa + b = X、a+c=Ya + c = Y、b+c=Zb + c = Z
3式を足して2で割る: a+b+c=X+Y+Z2a + b + c = \frac{X + Y + Z}{2}
求めたい人の作業量を計算: 例えばBなら b=(a+b+c)−(a+c)b = (a + b + c) - (a + c)
所要時間を計算: 面積 ÷ 1人の作業量
面積と時間をそのまま方程式に入れてしまうこと。必ず「1分あたり(1日あたり)の作業量」に変換してから連立方程式を立てましょう。

例題で確認

例題

A、B、Cの3人が壁のペンキ塗りをする。AとBの2人では27m²を15分で、AとCの2人では35m²を25分で、BとCの2人では18m²を15分で塗り終える。B1人で20m²を塗ると何分かかるか。ただし、各人が1分間に塗る面積はそれぞれ一定とする。
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4. 段階作業(仕事量の分担計算)

この問題で使う用語と公式

延べ使用時間

「A+Bで2時間、その後A+Cで5時間作業した」とき、Aの使用時間は 2 + 5 = 7時間です。各段階の作業に誰が参加しているかを整理して、1人あたりの合計使用時間を求めることが大切です。

既知の情報から逆算する考え方

全体の仕事量と既知の人の仕事量が分かれば、残りの仕事量から未知の人の能力を逆算できます。

  • 未知の人の仕事量 = 全体 − 既知の人の仕事量
  • 未知の人の能力 = 仕事量 ÷ 使用時間

こういう問題が出る

「3台の機械を2台ずつ組み替えながら順番に使って仕事を完了した。1台の能力と残り2台を合わせた能力がわかっているとき、ある1台だけで同じ仕事をすると何時間か」のように、複数のペアが段階的に作業する条件から、特定の1台の能力を逆算する問題です。

こう考える

各台の1時間あたりの仕事量を整理する(分かっているものを先に確定)
各台の延べ使用時間を計算する(どの段階で何時間使われたか合計)
既知の台の仕事量を確定させる: 能力 × 使用時間
残りの仕事量を計算: 全体 − 既知の分
残りから未知の台の能力を逆算する
答えを求める: 全体 ÷ 1台の能力
「A+Bで2時間」のとき、AもBもそれぞれ2時間使われていることを見落とすケースです。各段階での参加者を表にまとめると間違えにくくなります。

例題で確認

例題

ある物流倉庫に、商品を箱詰めする機械A、B、Cの3台がある。A1台では600個を4時間で箱詰めでき、BとCの2台を同時に使うと450個を5時間で箱詰めできる。1590個の箱詰めを、まずBとCの2台で3時間、次にAとBの2台で2時間、最後にAとCの2台で5時間行ったところ、ちょうど完了した。C1台だけで1590個を箱詰めすると何時間かかるか。ただし、各機械の1時間あたりの処理数はそれぞれ一定とする。
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5. 給水・排水算(水槽の容量)

この問題で使う用語と公式

給水算の考え方

「蛇口Aを使うと50分で満水になる」は、1分あたりの給水量が水槽全体の 150\frac{1}{50} という意味です。仕事算と全く同じ考え方で、「水槽の容量」を「全体の仕事量」、「給水量」を「仕事量」と読み替えるだけです。

2つの条件から未知数を求める

「A+Bで何分、A+Cで何分」のように2つの条件があれば、それぞれ「ペアの給水量 × 時間 = 水槽の容量V」の式を立てて、V(またはAの給水量)を求めます。

こういう問題が出る

「A管とB管、A管とC管の2通りの組み合わせで満水までの時間がわかっていて、B管とC管の毎分の給水量も与えられている。容量はいくらか」のように、複数の蛇口の組み合わせの条件から水槽の容量や各蛇口の能力を求める問題です。

こう考える

未知の蛇口の給水量を a とおく
各条件から方程式を立てる: (a + b)× 時間₁ = V、(a + c)× 時間₂ = V
どちらもVに等しいので、2つの式をイコールで結ぶ
a について解く
a をどちらかの式に代入してVを求める
具体的な給水量(毎分◯L)が与えられているのに、1N\frac{1}{N} の形で考えてしまうこと。このタイプは実際のリットル数で方程式を立てる方がラクです。

例題で確認

例題

ある防火用の貯水タンクに、A、B、Cの3本の給水管がつながっている。空のタンクにA管とB管の2本で同時に給水すると30分で満水になり、A管とC管の2本で同時に給水すると36分で満水になる。B管の給水量は毎分25L、C管の給水量は毎分15Lである。このタンクの容量はいくらか。
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6. 給水・排水算(給水+排水の複合)

この問題で使う用語と公式

排水(マイナスの仕事量)

栓を抜くと水が出ていくので、排水は「マイナスの仕事」です。栓を抜いた状態で給水すると、1分あたりに実際に溜まる水の量は「給水量 − 排水量」になります。

  • 例: 給水量 130\frac{1}{30}/分、排水量 150\frac{1}{50}/分 → 実質給水量 = 130−150=5−3150=2150=175\frac{1}{30} - \frac{1}{50} = \frac{5 - 3}{150} = \frac{2}{150} = \frac{1}{75}/分

「後半」を先に計算するテクニック

途中で作業方法が変わる問題では、条件が確定している「後半」を先に計算し、全体から引いて「前半」を逆算するのがコツです。

こういう問題が出る

「水槽に給水管と排水口があり、最初は栓を抜いたまま1本の管だけで給水し、途中から栓をして2本の管で給水した。栓をするまでに何分かかったか」のように、給水と排水が同時に起こる状況で所要時間を求める問題です。

こう考える

各管の1分あたりの給水量・排水量を整理する
条件が確定している「後半」を先に計算する(栓をしてからの仕事量)
全体から後半を引いて「前半」の仕事量を求める
前半の実質給水速度を計算: 給水量 − 排水量
前半の時間: 前半の仕事量 ÷ 実質給水速度
栓を抜いた状態で排水が起きていることを忘れ、給水管の給水量だけで計算してしまうことです。排水分の引き忘れは、このタイプで最もよくあるミスです。

例題で確認

例題

底に栓のついた水槽に、A、Bの2本の給水管がある。空の水槽をA管だけで満水にするには36分、B管だけでは45分かかる。また、満水の水槽の栓を抜くと、給水しなければ60分で空になる。空の水槽に、栓を抜いたままA管だけで給水を始め、途中で栓をしてからはA管とB管の両方で給水したところ、栓をしてから14分後に満水になった。給水を始めてから栓をするまでに何分かかったか。
類題を解く 「仕事算」の問題演習をする
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