比と割合

数的推理 解法ガイド

比と割合は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「連比の合成」「割合の条件から比を求める」「割合の仮定法」「年齢と比の変化」「歯車・回転比」など8つのタイプに分かれます。共通するコツは「条件を比に変換して、比の合成や外項の積=内項の積で整理する」こと。与えられた条件がどんな形であっても、まず比に直すことがスタートラインです。

タイプひとことで言うと頻出度難易度の目安
連比の合成2組の比をつないで3者以上の比を求める★★★★★☆
割合の条件から比を求める「全体のうち何分のいくつ」から比を組み立てる★★★★★☆〜★★★
比の維持・按分「比が変わらない」条件から追加量や総量を求める★★☆★★☆
割合の仮定法具体的な数値がない問題で仮の値をおいて解く★★☆★★☆〜★★★
年齢と比の変化過去・未来の年齢比から現在の年齢を求める★★☆★★☆
歯車・回転比直径の比と回転数の反比例を使う★★☆★★☆
比の連鎖計算全体の倍率と内訳比の変化を掛け合わせる★★☆★★☆〜★★★
複数グループの比の合成全体・内訳の比から特定グループの内訳比を求める★★☆★★☆
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このパターンで頻出の用語と公式

比と割合のどのタイプでも繰り返し使う基本の公式・道具です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。

この問題で使う用語と公式

比の基本

  • 比: 2つ以上の量の大きさの関係を整数で表したもの。例: A:B = 3:5
  • 比は「同じ数をかけても割っても比は変わらない」。3:5 = 6:10 = 9:15
  • 最簡比: これ以上約分できない比のこと。6:10 → 3:5

分数倍と比の変換

  • 「AはBの 49\frac{4}{9} 倍」→ A:B = 4:9(分子がA、分母がB)
  • 具体例: 「兄の所持金は弟の 34\frac{3}{4} 倍」→ 兄:弟 = 3:4
  • 分子と分母を逆にしないこと。「Aが基準Bの何倍か」の分子がA側

連比の合成

  • A:B と B:C の2組の比があるとき、Bの値を最小公倍数で揃えることで A:B:C を求められる
  • 例: A:B = 3:4、B:C = 2:5 → Bを揃える(4と2の最小公倍数は4)→ A:B = 3:4、B:C = 4:10 → A:B:C = 3:4:10

外項の積=内項の積

  • a:b = c:d のとき ad = bc が成り立つ
  • 比を含む方程式を解くときの最重要公式
  • 例: (2x+3):5 = 7:10 → 10(2x+3) = 5×7 → 20x+30 = 35 → x = 14\frac{1}{4}

1. 連比の合成

この問題で使う用語と公式

連比の合成(復習)

  • A:B と B:C の2組の比があるとき、共通するBの値を最小公倍数で揃えることで A:B:C を一本の比にまとめられる
  • 例: A:B = 4:5、B:C = 3:2
    • Bの値は5と3 → 最小公倍数は15
    • A:B = 12:15、B:C = 15:10
    • よって A:B:C = 12:15:10

整数条件

  • 得点や人数を比で表した場合、「全員N点以下」「0人の部はない」などの制約で候補を絞り込む
  • 比を k倍(k = 1, 2, 3…)して候補を列挙し、制約を満たすものを選ぶ

こういう問題が出る

「ある高校のA〜Dの4つの部で、A部の部員数はB部の 23\frac{2}{3} 倍、B部はC部の 94\frac{9}{4} 倍、C部はD部の 56\frac{5}{6} 倍。どの部も部員は80人以下のとき、4つの部の部員数の合計は?」のように、複数の分数倍の条件から連比を合成し、整数条件で具体的な値を確定する問題です。

こう考える

分数倍を比に変換する: 「AはBの 23\frac{2}{3} 倍」→ A:B = 2:3
連比を合成する: 共通する文字のBを最小公倍数で揃え、A:B:C:D を一本にまとめる
整数条件で候補を絞る: 比×k の候補を列挙し、「全員N人以下」「0人の部はない」で絞り込む
追加条件があれば一意に決定
「AはBの 23\frac{2}{3} 倍」を A:B = 3:2 としてしまう(分子と分母の逆転)。「基準のBが分母、比べるAが分子」と覚えましょう。

例題で確認

例題

ある高校のA〜Dの4つの部について部員数を調べた。A部の部員数はB部の 23\frac{2}{3} 倍、B部の部員数はC部の 94\frac{9}{4} 倍、C部の部員数はD部の 56\frac{5}{6} 倍であった。どの部にも部員がおり、部員数はどの部も80人以下である。4つの部の部員数の合計を求めよ。
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2. 割合の条件から比を求める

この問題で使う用語と公式

ベン図で3グループに分ける

  • 2つの集合(電車とバス、英語と数学など)が重なる問題では、全体を3グループに分けて考える:
    • ①Aだけ / ②両方 / ③Bだけ
  • 「Aの人数」= ①+②、「Bの人数」= ②+③

割合から比への変換

  • 「電車を使う生徒のうち 16\frac{1}{6} がバスも使う」→ ②/(①+②) = 16\frac{1}{6} → ①:② = 5:1
  • 割合の基準(分母)が「電車を使う生徒」であって「全生徒」ではないことに注意

こういう問題が出る

「電車かバスの少なくとも一方を使って通学する生徒が1,450人。電車を使う生徒のうち 16\frac{1}{6} はバスも使い、バスを使う生徒のうち 310\frac{3}{10} は電車も使う。バスだけを使う生徒は何人?」のように、部分集合の割合条件から比を組み立て、全体数から具体量を計算する問題です。

こう考える

3グループに分ける: ①電車だけ / ②両方 / ③バスだけ
割合条件を比に変換する: ②/(①+②) = 16\frac{1}{6} → ①:② = 5:1
もう1つの条件も比にする: ②/(②+③) = 310\frac{3}{10} → ②:③ = 3:7
連比を合成する: ②を共通化して ①:②:③ を求める
全体数から具体量を計算する
割合の基準を取り違えること。「電車を使う生徒のうち 16\frac{1}{6}」は電車を使う生徒が基準であり、全生徒が基準ではありません。

例題で確認

例題

ある高校で通学手段を調べたところ、電車かバスの少なくとも一方を使って通学している生徒は1,450人であった。電車を使っている生徒のうち 16\frac{1}{6} はバスも使っており、バスを使っている生徒のうち 310\frac{3}{10} は電車も使っていた。バスだけを使って通学している生徒は何人か。
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3. 比の維持・按分

この問題で使う用語と公式

「比が変わらない」条件の意味

  • A, B, Cの3つの量にそれぞれ追加したあと、3つの量の比が追加前と同じだった
  • → 追加した量の比も元の比と同じでなければならない
  • 理由: 元の比がa:b:cで、追加量の比もa:b:cなら、全体の比もa:b:c。追加量の比が異なれば全体の比は変わる

こういう問題が出る

「A, B, Cの3人の貯金のうち、Bは6,300円、AとCの比は5:4。3人に合計5,400円を分けて渡したところ、貯金の比は渡す前と同じだった。CがもらったのはAより300円少ない。もらった後のAの貯金は?」のように、比を保ったまま分配する条件から具体量を求める問題です。

こう考える

核心に気づく: 「追加後の比が同じ」→ 追加した量の比も元と同じ
追加量を比で表す: 比がわかっている2人の追加量を A = 5x、C = 4x などとおく
差の条件から式を立てる: 「CはAより300円少ない」→ 4x = 5x − 300
追加量を確定し、合計から残りの1人の追加量を出す
比を確定し、既知の値から実数値を計算する
「比が変わらない」条件を「追加量も同じ比」に読み替えることに気づかず、追加量を均等配分してしまう。

例題で確認

例題

A, B, Cの3人がそれぞれ貯金をしている。Bの貯金は6,300円で、AとCの貯金の比は5:4である。祖母から3人に合計5,400円を分けて渡したところ、渡した後の3人の貯金の比は、渡す前と同じであった。また、Cに渡した金額はAに渡した金額より300円少なかった。渡した後のAの貯金はいくらか。
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4. 割合の仮定法

この問題で使う用語と公式

仮定法とは

  • 問題文に具体的な金額や個数がなく、割合(%)の条件だけで構成されている問題で使うテクニック
  • 仕入値 = 100円、仕入個数 = 10個のように計算しやすい値を仮定して解く
  • 答えが「何%か」で問われるため、仮定した値に関係なく同じ答えになる

こういう問題が出る

「ある商品を仕入れ、60%は定価で売れ、残りはすべて定価の半額で売り切った。利益は仕入れ総額の12%であった。定価は仕入れ値の何%上乗せか」のように、具体的な数値が一切なく、割合だけの条件から未知の割合を求める問題です。

こう考える

計算しやすい値を仮定する: 仕入値 = 100円、仕入個数 = 10個
仮定に基づいて具体的に計算する: 仕入れ総額、利益、売上総額
定価を未知数xとおいて方程式を立てる: 売値ごとの「売値 × 個数」を足したもの = 売上総額
方程式を解いて上乗せ率を求める
仮定法を使わず文字だけで解こうとして計算が複雑になりすぎること。「具体値がない → 仮定法」と反射的に判断できるようにしましょう。

例題で確認

例題

ある書店は、ある本をいくつか仕入れて定価をつけた。仕入れた冊数の60%は定価で売れ、残りはすべて定価の半額で売り切った。利益は仕入れ総額の12%であった。定価は仕入値の何%を上乗せした価格か。
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5. 年齢と比の変化

この問題で使う用語と公式

年齢差は一定

  • AとBの年齢差は、何年前でも何年後でも変わらない
  • 例: 現在A = 30歳、B = 20歳なら、10年後も差は10歳(A = 40、B = 30)

外項の積=内項の積(復習)

  • a:b = c:d のとき ad = bc
  • 年齢の比の条件を方程式にするときに使う

こういう問題が出る

「兄と妹の年齢の比は、6年前には5:3だったが、4年後には5:4になる。6年前、母の年齢は兄の4倍だった。現在の母と妹の年齢差は?」のように、過去と未来の年齢比から年齢を特定する問題です。

こう考える

過去の時点の年齢を比で表す: 6年前の兄 = 5x、妹 = 3x
もう1つの時点の年齢を表す: 4年後は「6年前から10年後」なので 兄 = 5x + 10、妹 = 3x + 10
比の条件から方程式を立てる: 外項の積=内項の積
解いて各人の年齢を確定する
「6年前」と「4年後」の間が 10年 であることを忘れて4年や6年で計算してしまう。時間の経過を確認するクセをつけましょう。

例題で確認

例題

兄、妹、母の3人がいる。兄と妹の年齢の比は、6年前には5:3であったが、4年後には5:4となる。また、6年前の母の年齢は、そのときの兄の年齢の4倍であった。現在の母と妹の年齢差はいくらか。
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6. 歯車・回転比

この問題で使う用語と公式

直径と回転数は反比例

  • ベルトや歯で接続された2つの車輪は、円周の移動距離が同じ
  • 直径が大きい車輪ほど1回転で進む距離が長い → 回転数は少なくなる
  • 直径の比 = a:b → 回転数の比 = b:a(逆比)
  • かみ合う歯車も同じ。1回転で送り出す歯の数が歯数なので、歯数の比 = a:b → 回転数の比 = b:a

同軸の車輪

  • 同じ軸に固定された車輪は、直径が違っても回転数は同じ

こういう問題が出る

「歯車P(歯数45)とQ(歯数15)がかみ合い、QとR(歯数40)は同じ軸に固定、RとS(歯数16)がかみ合っている。Pを10回転させるとSは何回転するか」のように、複数段の伝達で最終的な回転数を求める問題です。

こう考える

各接続部の直径比(歯車なら歯数比)を求める
回転数比に変換する(直径比・歯数比の逆比)
同軸の車輪・歯車は同回転数
段階的に掛け合わせる
「直径(歯数)が大きい → たくさん回る」と思い込んでしまう。直径・歯数と回転数は反比例です。

例題で確認

例題

歯車P(歯数45)と歯車Q(歯数15)がかみ合っている。歯車Qと歯車R(歯数40)は同じ軸に固定されて一体で回転する。さらに歯車Rと歯車S(歯数16)がかみ合っている。Pを10回転させたとき、Sは何回転するか。
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7. 比の連鎖計算

この問題で使う用語と公式

比の連鎖計算とは

  • ある量が全体として倍率で変化し、かつ内訳の比も変化する場合に、特定の部分量がどうなるかを求める計算
  • 分数を順番に掛け合わせていくのがポイント。途中の約分を丁寧にやれば計算量は意外と少ない

こういう問題が出る

「ある水族館の日曜の入館者数は土曜の 43\frac{4}{3} 倍。大人と子どもの比は土曜が7:3、日曜が5:3。土曜の子どもが90人のとき、日曜の子どもは何人か」のように、全体の倍率と内訳比の変化を組み合わせて計算する問題です。

こう考える

基準を確認する: 「土曜の子ども = 90人」
土曜の合計を計算する: 比から算出
日曜の合計を計算する: 倍率を掛ける
日曜の求める部分量を計算する: 比で分ける
倍率だけ掛けて「日曜の子ども = 90 × 43\frac{4}{3} = 120人」とする間違い。内訳の比も変わっていることを忘れないように。

例題で確認

例題

ある水族館で、日曜日の入館者数は土曜日の入館者数の 43\frac{4}{3} 倍であった。入館者の大人と子どもの人数の比は、土曜日が7:3、日曜日が5:3であった。土曜日の子どもの入館者が90人のとき、日曜日の子どもの入館者は何人か。
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8. 複数グループの比の合成

この問題で使う用語と公式

外項の積=内項の積(復習)

  • a:b = c:d のとき ad = bc
  • このタイプでは、全体の比の条件から方程式を立てるときに使う

別々の変数でおくこと

  • 大人と子どもの人数を同じ変数でおいてはいけない
  • 大人 = 3x, 2x(P, Q会場)、子ども = y, 2y(P, Q会場)のように別々の変数を使う

こういう問題が出る

「P会場とQ会場の参加者全体の比は4:5。大人の比は3:2、子どもの比は1:2。P会場の大人と子どもの比は?」のように、全体・グループ別の比から特定のグループ内の内訳比を求める問題です。

こう考える

各カテゴリの人数を比×変数でおく: P大人 = 3x、Q大人 = 2x、P子ども = y、Q子ども = 2y
全体の比の条件から方程式を立てる: (3x + y):(2x + 2y) = 4:5
外項の積=内項の積で解く
xとyの関係を求め、求める比に代入する
大人も子どもも同じ変数xでおいてしまうこと。大人と子どもで会場間の比が異なるので別々の変数が必要です。

例題で確認

例題

ある催しがP会場とQ会場で開かれた。参加者全体の人数の比はP:Q = 4:5であった。また、大人の参加者の比はP:Q = 3:2、子どもの参加者の比はP:Q = 1:2であった。P会場における大人と子どもの参加者数の比を求めよ。
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