売買損益

数的推理 解法ガイド

売買損益は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「定価・原価・利益の基本」「複数条件の売上総額」「割合のみ(数値仮定型)」の3つのタイプに分かれます。共通するコツは「原価・定価・売値・利益の4つの関係を整理し、割合を正確に式に変換する」こと。「○割増し」「○割引」を数式にする変換ルールさえ押さえれば、あとは方程式を立てて解くだけです。

タイプひとことで言うと頻出度難易度の目安
定価・原価・利益の基本上乗せ率と割引率から利益や原価を求める★★★★☆☆〜★★☆
複数条件の売上総額定価売り・値引き売り・売れ残りを整理して方程式を立てる★★☆★★☆〜★★★
割合のみ(数値仮定型)具体的な金額がないので仕入れ値を100円と仮定して解く★★☆★★☆
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このパターンで頻出の用語と公式

売買損益のどのタイプでも繰り返し使う基本の用語と公式です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。

この問題で使う用語と公式

原価・定価・売値・利益の関係

  • 原価(仕入れ値): 商品を仕入れた価格
  • 定価: 原価に利益を上乗せして設定した「販売予定価格」
  • 売値: 実際に販売した価格(定価どおり、または割引後)
  • 利益: 売値 − 原価(マイナスなら損失)

基本の関係式はこの3つです。

  • 定価 = 原価 ×(1 + 上乗せ率)
  • 売値 = 定価 ×(1 − 割引率)
  • 利益 = 売値 − 原価

例えば、原価1,000円の商品に4割(40%)の利益を上乗せして定価をつけると、定価 = 1,000 × 1.4 = 1,400円。これを2割引で売ると、売値 = 1,400 × 0.8 = 1,120円。利益 = 1,120 − 1,000 = 120円です。

割合変換の早見表

売買損益で最もミスしやすいのが「○割増し」「○割引」の数式への変換です。以下の表を頭に入れておきましょう。

日本語の表現数式での表し方具体例
a割増し×(1 + a10\frac{a}{10})3割増し → ×1.3
a%増し×(1 + a100\frac{a}{100})25%増し → ×1.25
a割引×(1 − a10\frac{a}{10})2割引 → ×0.8
a%引き×(1 − a100\frac{a}{100})15%引き → ×0.85
上乗せは原価に対して、割引は定価に対してかかります。「原価の4割増しで定価をつけ、定価の2割引で売った」とき、割引を原価にかけてしまうミスが非常に多いです。

1. 定価・原価・利益の基本

この問題で使う用語と公式

原価・定価・売値・利益の関係(復習)

  • 定価 = 原価 ×(1 + 上乗せ率)
  • 売値 = 定価 ×(1 − 割引率)
  • 利益 = 売値 − 原価

この3つの関係式を組み合わせて、未知の値を求めるのがこのタイプの基本です。

上乗せ率と割引率の掛け算のコツ

「原価のa割増しの定価を、b割引で売った」ときの売値は、

売値 = 原価 ×(1 + a10\frac{a}{10})×(1 − b10\frac{b}{10})

です。この掛け算の結果が1より大きければ利益、1より小さければ損失になります。

  • 4割増し × 2割引 → 1.4 × 0.8 = 1.12(原価の12%の利益)
  • 2割増し × 2割引 → 1.2 × 0.8 = 0.96(原価の4%の損失)
  • 5割増し × 3割引 → 1.5 × 0.7 = 1.05(原価の5%の利益)

こういう問題が出る

「原価に一定の利益率を上乗せして定価をつけ、セールで定価の○割引で売ったときの利益(または原価)を求めよ」という問題です。条件が2つ程度で、商品は1種類、販売パターンも1つだけのシンプルな構成です。

こう考える

原価を xx 円とおく
定価を xx の式で表す: 「原価の6割増し」なら定価 = 1.6x1.6x 円
売値を xx の式で表す: 「定価の5%引き」なら売値 = 1.6x×0.951.6x \times 0.95 円
問題文の条件と等式を立てる: 「売上が34,200円、30個売った」なら1個あたりの売値 = 34200÷30=114034200 \div 30 = 1140 円
方程式を解く
「2割引」を「定価の0.2倍で売った」と読み違えてしまう人がいます。「2割引」は定価から2割を引くので、定価の 0.8倍 です。

例題で確認

例題

ある文具店で、万年筆に原価の一定の割合を上乗せして定価をつけた。この万年筆は、定価の25%引きで売っても原価の2割の利益が出るという。定価の5%引きで30本を販売したところ、売上は34,200円であった。1本あたりの利益はいくらか。
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2. 複数条件の売上総額

この問題で使う用語と公式

売上総額と利益の公式

商品を複数の方法で販売した場合の利益は、次の式で求めます。

利益 = 売上総額 − 仕入総額

ここで、

  • 売上総額 = (定価で売った個数 × 定価) + (値引きで売った個数 × 値引き後の売値)
  • 仕入総額 = 仕入れた個数の合計 × 原価

売れ残りがある場合、売れ残り分の仕入れコストは回収できないので、仕入総額にはカウントされますが売上にはカウントされません。つまり売れ残りが多いほど利益は減ります。

こういう問題が出る

「ある商品をN個仕入れ、原価の○割増しで定価をつけた。M個は定価で売れ、さらにL個を定価の○割引で販売し、残りは売れ残った。合計P円の利益を得た。原価はいくらか」という問題です。販売パターンが2つ以上あり、条件を整理して方程式を立てる力が試されます。

こう考える

このタイプは条件を表で整理してから方程式を立てるのがポイントです。

原価を xx 円とおく
定価を xx で表す
販売状況を表にまとめる(定価販売・値引き販売・売れ残りの個数と売値を整理)
「売上総額 − 仕入総額 = 利益」の方程式を立てる
方程式を解く
売れ残りの分を仕入総額に含め忘れる(売れなくても仕入れた代金は払っています)。「半額」や「○割引」の売値を、原価に掛けてしまう(割引は定価に対してかかります)。

例題で確認

例題

あるパン屋が焼き菓子を150個仕入れ、原価の6割増しで定価をつけた。90個は定価で売れ、閉店前に定価の半額に値下げしたところ、さらに40個が売れた。残りは売れ残った。全体の利益は11,700円であった。この焼き菓子1個の原価はいくらか。
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3. 割合のみ(数値仮定型)

この問題で使う用語と公式

数値仮定法

問題文に具体的な金額や個数が出てこない場合に、自分で具体的な数値を仮定して解くテクニックです。

  • 仕入れ値の仮定: 100円にするのが鉄板。「○%上乗せ」がそのまま円の値になるので計算がラクです(例: 50%上乗せ → 100 + 50 = 150円)
  • 仕入個数の仮定: 売れ残り率の分母に合わせます
    • 売れ残り10% → 10個と仮定(1個残る)
    • 売れ残り20% → 5個と仮定(1個残る)
    • 売れ残り25% → 4個と仮定(1個残る)

問題が割合だけで構成されている場合、仕入れ値を100円にしても1,000円にしても答え(割合)は変わりません。これは比の性質に基づくものです。

こういう問題が出る

「ある商品をいくつか仕入れ、定価の○%引きで売った。仕入れた個数の○%が売れ残り、利益は仕入総額の○%だった。定価は仕入れ値の何%上乗せした価格か」のように、問題文に具体的な金額が一切登場せず、割合(%)だけを求める問題です。

こう考える

このタイプの攻略は「仕入れ値を100円と仮定する」の一点に尽きます。

仕入れ値を100円と仮定する
仕入個数を売れ残り率に合わせて仮定する(売れ残り20%なら5個)
仕入総額・売上・利益をすべて具体的な円の値で計算する
方程式を立てて解く(ここからはタイプ1やタイプ2と同じ)
仮定せずに文字だけで解こうとして混乱する(仮定すればシンプルな計算で済みます)。「利益は仕入総額の○%」と「利益は売上の○%」を読み間違える。

例題で確認

例題

ある花屋が鉢植えをいくつか仕入れ、定価をつけた。仕入れた鉢数の80%を定価の25%引きで販売し、残りの20%は売れ残った。利益は仕入総額の14%であった。定価は仕入れ値の何%上乗せした価格か。
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