整数の性質は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「約数・倍数」「不定方程式」「余りの問題」など4つのタイプに分かれます。共通するコツは「整数ならではの性質で候補を絞り込む」こと。方程式を解くというより、「人数は整数」「割り切れる」といった条件を使って候補を狭めていくのが基本です。
| タイプ | ひとことで言うと | 頻出度 | 難易度の目安 |
|---|---|---|---|
| 約数・倍数 | 倍数の個数を数える、最小公倍数で全体を求める | ★★★ | ★☆☆〜★★☆ |
| 整数の条件からの絞り込み | 素因数分解や桁の条件から整数を特定する | ★★☆ | ★☆☆〜★★★ |
| 不定方程式 | 「合計◯円、何個ずつ?」を整数の条件で解く | ★★☆ | ★★☆〜★★★ |
| 余りの問題 | 「◯で割ると△余る」から数を特定する | ★★★ | ★☆☆〜★★★ |
1. 約数・倍数
この問題で使う用語と公式
約数と倍数
- 約数: ある整数を割り切れる整数のこと。例えば12の約数は 1, 2, 3, 4, 6, 12
- 倍数: ある整数を何倍かした整数のこと。例えば3の倍数は 3, 6, 9, 12, 15, …
- 公倍数: 2つ以上の整数に共通する倍数のこと。例えば3と4の公倍数は 12, 24, 36, …
- 最小公倍数: 公倍数の中で最も小さいもの。3と4の最小公倍数は12
N以下のaの倍数の個数 = N ÷ a(小数点以下切り捨て)
最小公倍数の求め方
- 2つの数が互いに素(共通の約数が1だけ)なら → そのままかけ算。例: 3と4 → 3 × 4 = 12
- 互いに素でないなら → 共通部分を1回だけかける。例: 6と8 → 6 = 2 × 3、8 = → 最小公倍数 = (6 × 8 = 48 ではないので注意)
包除原理(「または」の数え方)
「AまたはB」の個数 = Aの個数 + Bの個数 − 「AかつB」の個数
こういう問題が出る
「1から2000までの整数のうち、4の倍数であるが3の倍数でないものは何個か」のように、ある範囲の中で条件に合う倍数の個数を数える問題です。
こう考える
- 「aの倍数 かつ bの倍数でない」→ (aの倍数) − (aとbの公倍数)
- 「aの倍数 または bの倍数」→ 包除原理を使う
例題で確認
例題
2. 整数の条件からの絞り込み
この問題で使う用語と公式
素因数分解
- 素数: 1と自分自身以外に約数を持たない、2以上の整数。2, 3, 5, 7, 11, 13, …
- 素因数分解: 整数を素数の掛け算で表すこと
- やり方: 小さい素数から順番に割っていく
- 例: 84 → 2で割って42 → 2で割って21 → 3で割って7 →
- よく出る素因数分解: 、、
平方数
- 平方数: ある整数を2回かけてできる数(= の形になる数)。1, 4, 9, 16, 25, 36, …
- 平方数かどうかの判定法: 素因数分解したとき、すべての素因数の指数が偶数なら平方数
- 例: → 指数が全部偶数 → 平方数
- 例: → 3と7の指数が1(奇数)→ 平方数ではない
約数の個数 = 素因数分解の各指数に1を足してかけ合わせる
例: → 約数の個数 = 個
こういう問題が出る
「ある整数を素因数分解すると…」「3桁の整数の各桁が次の条件を満たすとき…」のように、整数に関する条件から答えとなる整数を特定する問題です。バリエーションが最も多く、素因数分解を使うもの、桁の条件から絞るもの、投票の得票状況から当選確実ラインを求めるものなど、さまざまです。
こう考える
このタイプに共通するアプローチは「順番に調べず、まず候補を見つけてからチェックする」ことです。全部の可能性をしらみつぶしに調べていると時間が足りません。
- 素因数分解の問題: まず素因数分解し、平方数条件や約数の個数の公式を使って絞る
- 桁の条件の問題: 各桁を文字に置いて条件を式にする。2倍・3倍した数の条件があるときは「繰り上がり」の検討を忘れずに
- 得票・当選確実の問題: 「残り票が全部ライバルに流れたらどうなるか」という 最悪のケース で考える
例題で確認
例題
3. 不定方程式
この問題で使う用語と公式
不定方程式とは
- の形の方程式で、解が1つに定まらないもの
- ただし「x, yは正の整数」という条件がつくと、解の候補が限られる
- 例: → x, yがともに正の整数になる組み合わせは数個しかない
つるかめ算
- 「合計個数」と「合計金額」の2つの条件が与えられるタイプでは、つるかめ算で解くこともできる
- やり方: 「全部安い方だったら」と仮定 → 実際の合計との差額を、単価の差で割る
こういう問題が出る
「大人700円、小学生300円で合計5000円。それぞれ何人?」のように、1つの式に未知数が2つある方程式(不定方程式)の整数解を求める問題です。
こう考える
例題で確認
例題
4. 余りの問題
この問題で使う用語と公式
余りと不足
- 「aで割るとr余る」は、「あと (a − r) あれば a で割り切れる」という意味でもある
- この「あと何あれば割り切れるか」を「不足」と呼ぶ
- 例:「5で割ると1余る」→ あと4あれば5で割り切れる → 「4不足」
- 例:「8で割ると4余る」→ あと4あれば8で割り切れる → 「4不足」
余りが共通のとき → 最小公倍数 + 共通の余り
不足が共通のとき → 最小公倍数 − 共通の不足
こういう問題が出る
「ある数を5で割ると1余り、8で割ると4余る」のように、複数の割り算の余りの条件から数を特定する問題です。公務員試験では非常によく出ます。
こう考える
鉄則: まず「余り」と「不足」の表を作る
| 割る数 | 余り | 不足(= 割る数 − 余り) |
|---|---|---|
| 5 | 1 | 4 |
| 8 | 4 | 4 |
表を作ったら次のように判定します。
- 余りが全部同じ → 「最小公倍数 + 余り」
- 不足が全部同じ → 「最小公倍数 − 不足」
- どちらも揃わない → 条件を満たす数を小さい方から列挙して共通する数を探す
例題で確認
例題