需給の均衡とは・均衡価格と均衡取引量
30秒でわかる需給の均衡
均衡は、ある価格のもとで、買い手が買いたい量(需要量)と売り手が売りたい量(供給量)がちょうど等しくなった状態です。そのときの価格を均衡価格、取引される量を均衡取引量と呼びます。図では需要曲線と供給曲線の交点です。ここで財は、売り買いされる品物やサービスのことです。
均衡の条件
曲線の上を動く
曲線ごと動く
市場需要曲線
この図の市場(需要曲線 、供給曲線 。 は価格〔円〕、 は数量〔個〕)の均衡は、2本の線の交点です。交点では同じ数量 で2本の式の価格 が同じになるので、右辺を等しいとおいた を解き、 個、価格は 円です。このページでは、この市場を「基本の市場」と呼び、基本の図とタイプ2・3の例で使います。
価格が40円より高いと売りたい量が買いたい量を上回って売れ残り(超過供給)、低いと買いたい量が上回って品不足(超過需要)になります。価格がどう均衡に戻っていくかは、市場の安定性の論点で扱います。
試験での出方
| 地方上級 | ★★★ | 特別区Ⅰ類 | ★★★ |
|---|---|---|---|
| 市役所 | ★★★ | 国家総合職 | ★ |
| 国家一般職 | ★★ | 国家専門職 | ★★ |
出方は2つです。1つは、家計(品物を買う個人や世帯)ごとの需要曲線から、市場需要関数(市場全体の需要曲線を表す式)を求める計算です。もう1つは、いくつかの出来事(ア〜エ)が曲線をどちらへ動かすかを読み、正しいものの組合せを選ぶ問題です。どちらも、余剰分析・弾力性・市場の安定性など、需要曲線と供給曲線を使うほかの論点の土台になります。
よく出るタイプ
需給の均衡の問題は、次の3つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
基本の図均衡と曲線のシフト・市場需要曲線
均衡の図と需要曲線のシフト(需要量の変化と需要の変化の違い)
- 需要曲線:右下がりの線わかること価格が下がるほど、買い手が買いたい量(需要量)は増える
- 供給曲線:右上がりの線わかること価格が上がるほど、売り手が売りたい量(供給量)は増える
- 均衡:2本が交わる点Eわかること価格40円のとき、買いたい量と売りたい量がどちらも20個でそろう
- 価格が上がる:価格が50円なら、買いたい量は点Aの10個わかること同じ需要曲線の上を点Eから点Aへ動くだけで、曲線は動かない(需要量の変化)
- 需要の変化:正常財で所得が増え、どの価格でも20個多く買いたくなるわかること需要曲線そのものが右へ20個ずれる(需要曲線のシフト)
- 新しい均衡:ずれた需要曲線と供給曲線の交点E1わかること30個・50円。均衡価格は上がり、均衡取引量は増える
図の見方
- 横軸は数量、縦軸は価格です。右へ動くのは数量が増えること、上へ動くのは価格が上がることです。
- 点Eから点Aへの動きは、同じ需要曲線の上の移動です。財そのものの価格が上がって、買う量が減っただけです(需要量の変化)。
- 点Eから点E1への動きは、需要曲線そのものが右へずれた結果です。所得が増えるなどその財の価格以外の事情で、どの価格でも買いたい量が増えました(需要の変化・需要曲線のシフト)。所得が増えると逆に買う量が減る財もあり、タイプ2で扱います。供給曲線は動かず、均衡の点が供給曲線の上を右上へ動きます。
- 点Aと点E1はどちらも50円ですが、点Aは元の需要曲線、点E1はずれた需要曲線の上の点です。曲線がずれたので、同じ50円でも買いたい量が10個から30個に増えています。
「需要が増える」は曲線ごと右へ動くこと、「需要量が増える」は曲線の上を右下へ動くことで、問題文では言葉を使い分けています。供給曲線も同じで、右へのシフトは「どの価格でも多く売りたい」ことです。供給曲線は右上がりなので、右へのシフトは下へのずれとしても描けます。
市場需要曲線の作り方(横に足す)
- 家計1:家計1の需要曲線わかること価格10円以上では1個も買わない
- 家計2:家計2の需要曲線わかること価格6円以上では1個も買わない
- 価格4円:家計1の線までは12個、家計2の線までは2個わかること家計2の2個を12個の先に継ぎ足して、市場全体は12+2=14個(点M)
- 価格8円:家計1は4個、家計2は買わないわかること市場全体は4+0=4個(点N)。家計1の需要曲線の上の点と同じ
- 市場需要:価格ごとの点を結ぶわかること家計2が買い始める価格6円の点Kで折れる。6円より上は家計1だけ、下は2人の合計
図の見方
- 経済学では、品物を買う個人や世帯を家計と呼びます。青の2本は、家計1と家計2の需要曲線です。家計1の需要曲線は 、家計2は です(・ は各家計の需要量)。
- 同じ価格で引いた横線の上で、2人の数量を継ぎ足します。価格4円なら12個と2個で14個(点M)です。
- 価格が6円以上だと家計2は買わないので、市場全体の需要量は家計1の分だけです。だから市場需要曲線(橙)は、家計2が買い始める6円の点Kで折れます。
タイプ1市場需要関数
市場需要曲線の求め方(横に足す・折れる価格)
見分け方:家計(買い手)ごとの需要曲線が2つ以上並び、「市場全体の需要関数として妥当なのはどれか」「価格が4のときの市場全体の需要量はいくらか」のように値を聞かれます。問題では各家計の需要量を ・、市場全体を と書くことが多いです。
なぜそうなるか数量を横に足す理由
市場では、どの買い手も同じ価格で買います。買う量は人ごとに違うので、市場全体の需要量は「同じ価格での量の合計」です。だから足すのは横(数量)の方向です。縦(価格)の方向に足すのは、みんなが同じ量を一緒に使う公共財の場合です。同じ量に対する1人ずつの評価額(限界評価)を足して社会全体の限界評価を出すもので、市場需要曲線ではありません(公共財の論点で扱います)。
- 横に足す:同じ価格での数量を足すわかること市場需要曲線。1個も買われなくなる価格は10円のまま
- 縦に足す:同じ数量での価格を足すわかること1個目に家計1は10円、家計2は6円まで払うので、足すと10+6=16円。でも16円で買う人は1人もいないので、市場需要曲線ではない(縦に足すのは公共財)
図の見方:橙の線が横に足した市場需要曲線、灰色の破線が縦に足した線です。橙の線が縦軸と交わる10円は家計1が買わなくなる価格で、これより高いとだれも買いません。
注意:問題文には「需要量は負の値をとらない」と書かれています。式で計算して負になる家計は、買わない(需要量0)として足します。そのため、ある家計の需要量が0になる価格を境に、市場の式は折れます。
解き方の手順
- 1
各家計の式を「需要量=」の形に直す
たとえば なら、両辺に2を掛けて 、移して です。 のように に数が掛かっているなら、移して 、両辺を2で割って です。分母の数は掛け、 に掛かった数は割ります。10や6のような数にも同じ数を掛ける(割る)のを忘れないようにします。 - 2
需要量が0になる価格を並べる
の家計は、価格が10以上だと1個も買いません。この価格が、市場の式が折れる所です。 - 3
価格帯ごとに、買う家計の式だけを足す
低い価格帯では全員の式を、高い価格帯では残った家計の式だけを足します。同じ式の家計が6戸なら、1戸の式を6倍します(0になる価格は変わりません)。 - 4
値を聞かれたら、先に価格帯を決める
価格を与えられたら、その価格がどの価格帯に入るかを決めてから、その価格帯の式に入れます。需要量を与えられたら、境目の価格での需要量(下の例では6円で8個)と比べて価格帯を決めます。境目の価格では、隣り合う2つの式が同じ数量になります。
例で確かめる基本の2人の市場需要関数を求める
家計1の需要曲線が 、家計2が のとき(基本の図の2人)、市場全体の需要関数を求めます。
家計1は両辺に2を掛けて (10円以上で0)、家計2は (6円以上で0)です。0になる価格の6円を境に分けます。
| 価格帯 | 買う家計 | 市場全体の需要量 |
|---|---|---|
| 0円〜6円 | 家計1・家計2 | |
| 6円〜10円 | 家計1だけ | |
| 10円以上 | なし |
境目の6円では、、 で、どちらの式も8個になってつながります。価格2円なら 個(家計1が16個、家計2が4個)です。
市場需要関数の例題
自分で解いてみる市場需要曲線の求め方の例題(価格を与えて需要量を求める)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
家計1は両辺に2を掛けて (9以上で0)、家計2は両辺に4を掛けて (3以上で0)です。
価格4は家計2の0になる価格3を超えているので、家計2は買いません。 は「需要量0」と読み替えます。市場全体の需要量は家計1の だけで、正解は4です。
図の見方:青い2本が家計1と家計2の需要曲線、橙の線が市場需要曲線で、家計2が買い始める価格3の点Kで折れます。価格4の破線が橙の線と交わる点Aが、市場全体の需要量10です。
- 1:家計1で2を掛けるところを割り、 とした値です。
- 2:家計2の を0にせず足した値です(2人の和の式 を、3より高い価格でも使った値と同じ)。
- 3:各家計の式の と を入れ替えて、・ と読んだ値()です。
- 5: を絶対値の4として足した値です。
タイプ2出来事から曲線と向きを決める
需要曲線・供給曲線がシフトする要因
見分け方:「財Xを作る技術が進歩する」「財Xの代わりに使える財Yの価格が上がる」のような出来事が並び、「均衡価格を上昇させるものをすべて挙げた組合せ」を聞かれます。どの出来事も1本の曲線だけを動かす形です。
なぜそうなるかだれの事情かで、動く曲線が決まる
買い手の事情(所得・好み・ほかの財の価格)は需要曲線を、売り手の事情(費用・技術・企業の数)は供給曲線を動かします。動いた曲線と、動かなかった曲線の交点が新しい均衡です。下の図では供給曲線が右へずれ、点は動かなかった需要曲線の上を下ります。
- 元の均衡:点Eで20個・40円
- 供給の変化:原材料が安くなり、どの価格でも20個多く作るわかること供給曲線が右へ20個ずれる。右上がりの線なので、下へずれたようにも見える
- 新しい均衡:点E1で30個・30円わかること需要曲線は動かず、点は需要曲線の上をEからE1へ下る。価格は下がり、取引量は増える
図の見方:橙の線が右へ20個ずれた供給曲線です。需要曲線は動かないので、交点は需要曲線の上をEからE1へ右下に下り、価格は40円から30円に、取引量は20個から30個になります。
判定のしかた
- 1
だれの事情かを決める
買い手の事情なら需要曲線、売り手の事情なら供給曲線が動きます。財X自身の価格の変化は、どちらの曲線も動かしません(曲線の上の移動)。 - 2
右か左かを決める
同じ価格のもとで、買いたい量(作りたい量)が増えるなら右、減るなら左です。下の表で確かめます。 - 3
均衡の動きを読む
需要曲線が右なら価格は上昇・取引量は増加、左なら下落・減少。供給曲線が右なら価格は下落・取引量は増加、左なら上昇・減少です(需要曲線が右下がり、供給曲線が右上がりのとき)。1本だけ動くなら、ずれの大きさが分からなくても向きは決まります。
| 出来事 | 動く曲線 | 向き |
|---|---|---|
| 所得が増える(正常財:所得が増えると多く買う財) | 需要 | 右 |
| 所得が増える(劣等財:所得が増えると買う量が減る財) | 需要 | 左 |
| 代替財(代わりに使える財)の価格が上がる | 需要 | 右 |
| 補完財(一緒に使う財)の価格が上がる | 需要 | 左 |
| 好まれるようになる・買い手の数が増える | 需要 | 右 |
| 原材料の価格・賃金が上がる | 供給 | 左 |
| 技術が進歩する・企業の数が増える | 供給 | 右 |
| 1個あたりの税(生産者が納める) | 供給 | 左(上へ) |
| 1個あたりの補助金(生産者に支給する) | 供給 | 右(下へ) |
| 同じ設備で作れるほかの財の価格が上がる | 供給 | 左 |
| 同じ工程で一緒にできる財(副産物)の価格が上がる | 供給 | 右 |
| 将来の値上がりを消費者が予想する(保存がきく財) | 需要 | 右(今のうちに買う) |
| 将来の値上がりを生産者が予想する(保存がきく財) | 供給 | 左(売るのを先に延ばす) |
価格が下がる・税がなくなるなど、向きが逆の出来事は、表の向きも逆にします。
例で確かめる3つの出来事の向きを決める
財Xの市場で、次の出来事が1つずつ起きたときの均衡の動きを、表の左から順に決めます。
| 出来事 | だれの事情・曲線 | 価格・取引量 |
|---|---|---|
| 財Xは正常財で、消費者の所得が減る | 買い手・需要が左 | 下落・減少 |
| 財Xを作る企業の一部が市場から出ていく | 売り手・供給が左 | 上昇・減少 |
| 財Xの生産者に課されていた1個あたりの税がなくなる | 売り手・供給が右 | 下落・増加 |
3つ目は、税が課されたときに上へずれた供給曲線が、元の位置へ下がる(右へ戻る)動きです。ここでの価格は買い手が支払う市場価格で、生産者の手取り(市場価格から税を引いた額)は逆に上がります。
曲線のシフトの例題
自分で解いてみる需要曲線・供給曲線のシフトの例題(均衡取引量)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
ある財Xの市場について、次のア〜エの出来事を考える。財Xの需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がりであり、ア〜エはそれぞれ単独で起こるものとする。ほかの条件は一定とする。
ア 財Xと補完関係にある財Yの価格が上がる。
イ 財Xの生産者に、財X1単位当たり一定額の補助金が支給される。
ウ 財Xは劣等財であり、消費者の所得が減る。
エ 財Xは保存がきく財であり、財Xの生産者が「財Xの価格は将来上がる」と予想するようになる。
ア〜エのうち、財Xの均衡取引量を増加させるものをすべて挙げた組合せとして、妥当なのはどれか。
正解は 2
取引量が増えるのは、需要曲線が右へ動くか、供給曲線が右へ動くときです。
| 出来事 | 動く曲線と向き | 取引量 |
|---|---|---|
| ア 補完財の値上がり | 需要が左(一緒に使う財Yが高く、財Xも買われにくい) | 減少 |
| イ 補助金 | 供給が右(1個ごとに補助金がもらえ、同じ価格でも多く作る) | 増加 |
| ウ 劣等財で所得が減る | 需要が右(所得が減ると劣等財は多く買われる) | 増加 |
| エ 生産者の値上がりの予想 | 供給が左(将来高く売るため、今期は売るのを控える) | 減少 |
増加させるのはイとウで、正解は2です。
- 1:劣等財を正常財として扱い、所得が減ると需要曲線が左へ動くとしてウを外した組です。
- 3:補完財と代替財を取り違えてアを入れ、さらに劣等財を正常財として扱ってウを外した組です。
- 4:生産者の予想を逆に読み、今のうちに多く作って売る(供給曲線が右)と考えてエを入れた組です。
- 5:補完財と代替財を取り違え、財Yが高くなると財Xが多く買われると考えてアを入れた組です。
タイプ32本が同時に動くとき
需要と供給が同時にシフトするときの均衡
見分け方:「次の2つの出来事が同時に起きた」「消費者と生産者がともに予想する」と書かれ、「それぞれの曲線がどれだけシフトするかは分からない」と断ってあります。空欄の「上昇・下落・定まらない」を選ぶ組合せの問題です。
なぜそうなるか価格と取引量のうち、決まるのは片方だけ
需要曲線と供給曲線がともに右へ動くと、取引量はどちらの動きでも増えるので、増加と決まります。価格は、需要の右へのずれでは上がり、供給の右へのずれでは下がるので、どちらのずれが大きいかで向きが変わります。ずれの大きさが分からなければ、価格は定まりません。
- 元の均衡:点Eで20個・40円
- 需要が右:どの価格でも16個多く買うわかること需要曲線が右へ16個ずれる
- 供給を8個:供給曲線も右へ8個ずれると、交点E2は32個・44円わかること価格は元の40円より上がる
- 供給を32個:供給曲線が右へ32個ずれると、交点E3は44個・32円わかること価格は元の40円より下がる
- 比べる:取引量はどちらも20個より増えるが、価格は上がることも下がることもあるわかること取引量は増加と決まり、価格は定まらない
図の見方:灰色の2本が元の需要曲線と供給曲線、青い線が右へ16個ずれた需要曲線、橙の2本が右へ8個・32個ずれた供給曲線です。E2は40円より上、E3は40円より下にあり、どちらも20個より右にあります。
使える条件:需要曲線と供給曲線が別々に1回ずつ動き、ずれの大きさが分からないとき。ずれの大きさが数で分かるなら、計算で決まります。
判定のしかた
- 1
出来事ごとに曲線と向きを決める
タイプ2の表で決めます。1つの出来事が2本を動かすこともあります(値上がりの予想を消費者と生産者の両方がする、など)。 - 2
1本ずつ動いた場合を並べる
需要曲線だけ、供給曲線だけが動いた場合の、価格と取引量の向きを書き出します。 - 3
そろう方は決まる、食い違う方は定まらない
需要曲線と供給曲線が1本ずつ動くときは、価格と取引量のうち、決まるのはいつも片方だけです。両方とも「定まらない」と答える選択肢と、図を1枚描いて両方を決めてしまう選択肢は誤りです。 - 4
同じ曲線が2回動くときは別に考える
2つの出来事がどちらも供給曲線を左へ動かすなら、合わせて左へのシフトで、価格も取引量も決まります。逆向きなら、曲線の向きそのものが分からず、どちらも定まりません。
例で確かめる需要も供給も右へ動く
財Xの健康によい効果が報じられて買いたい人が増え、同時に、財Xを安く作れる新しい機械が広まりました。需要曲線も供給曲線も右へ動きます。
| 動き | 価格 | 取引量 |
|---|---|---|
| 需要曲線が右へ(だけ) | 上昇 | 増加 |
| 供給曲線が右へ(だけ) | 下落 | 増加 |
| 2つが同時 | 定まらない | 増加 |
基本の市場で、需要曲線を右へ16個ずらしたまま、供給曲線のずれを動かしてみます。取引量はいつも20個より多いのに、価格は40円より高くも安くもなります。
供給が右へ8個:価格44円(元より4円高い)・取引量32個(元より12個多い)
図の見方:青い線は右へ16個ずれた需要曲線、灰色の線は元の供給曲線、橙の線はスライダーの数だけ右へずれた供給曲線です。点E1が新しい均衡、点Eが元の均衡(20個・40円)で、下の1行の「元より」は点Eと比べた差です。供給のずれが8個なら価格は44円、需要のずれと同じ16個なら40円のまま、32個なら32円です。
2つのシフトの例題
自分で解いてみる需要と供給が同時にシフトするときの例題
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 1
流行は買い手の事情なので需要曲線が右へ、燃料の値上がりは売り手の費用なので供給曲線が左へ動きます。
| 動き | 価格 | 取引量 |
|---|---|---|
| 需要曲線が右へ(だけ) | 上昇 | 増加 |
| 供給曲線が左へ(だけ) | 上昇 | 減少 |
| 2つが同時 | 上昇 | 定まらない |
価格はどちらでも上がるので上昇と決まり、取引量は増加と減少で食い違うので定まりません。正解は1です。
- 2:決まる側と定まらない側を取り違え、価格と取引量の役を入れ替えた組です。
- 3:2本の曲線が動くと、価格も取引量も決まらないと考えた組です。
- 4:図を1枚描いて、需要曲線のずれを供給曲線より大きく描き、取引量を増加と決めてしまった組です。
- 5:4と同じく図を1枚描き、今度は供給曲線のずれを大きく描いて、取引量を減少と決めてしまった組です。
まとめ覚えることと間違いやすい点
覚えることの表(シフトと均衡の動き)
需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がりで、ほかの条件は一定の場合です。
| 何が変わるか | 図での動き | 呼び方 |
|---|---|---|
| 財そのものの価格 | 曲線の上を動く | 需要量(供給量)の変化 |
| その財の価格以外の事情 | 曲線ごと左右に動く | 需要(供給)の変化・シフト |
1本だけ動くとき(ずれの大きさが分からなくても決まる)
| 動く曲線 | 価格 | 取引量 |
|---|---|---|
| 需要が右へ | 上昇 | 増加 |
| 需要が左へ | 下落 | 減少 |
| 供給が右へ | 下落 | 増加 |
| 供給が左へ | 上昇 | 減少 |
2本が同時に動くとき(ずれの大きさが分からないとき)
| 需要 | 供給 | 価格 | 取引量 |
|---|---|---|---|
| 右へ | 右へ | 定まらない | 増加 |
| 左へ | 左へ | 定まらない | 減少 |
| 右へ | 左へ | 上昇 | 定まらない |
| 左へ | 右へ | 下落 | 定まらない |
2つの出来事が同じ1本の曲線(需要曲線だけ、または供給曲線だけ)を動かすときは、同じ向きなら1本だけのときと同じで両方決まります。逆向きなら、曲線がどちらへ動くか分からないので、どちらも定まりません。
市場需要曲線:同じ価格での数量を横に足します。家計の需要量が0になる価格で折れ、その価格より上では、その家計の分を足しません。
よくある間違い
| 誤りの文 | 正しくはこう |
|---|---|
| 市場需要は、同じ数量での価格を縦に足す | 同じ価格での数量を横に足す。縦に足す(同じ量での評価額を足す)のは公共財 |
| 需要量が負になる価格でも、その家計の式をそのまま足す | 0になる価格より上では、その家計の需要量は0 |
| を と直す | 両辺に2を掛けて |
| 財の価格が下がって買う量が増えたので、需要曲線が右へシフトした | 曲線の上の移動(需要量の変化)。曲線が動くのは価格以外の事情 |
| 補完財の価格が上がると、需要曲線は右へ動く | 左へ動く。右へ動くのは代替財の価格が上がるとき |
| 所得が増えると、需要曲線はいつも右へ動く | 正常財なら右、劣等財なら左 |
| 原材料の値上がりで、財が高くなり買う人が減る(需要曲線が左) | 売り手の費用なので、供給曲線が左へ動く |
| 供給曲線が左へ動くと、価格も下がる | 価格は上がり、取引量は減る |
| 生産者が値上がりを予想すると、今のうちに多く売る | 保存がきく財なら売るのを先に延ばし、今期の供給曲線は左へ |
| 副産物の価格が上がると、設備を取られて財Xの生産が減る | 一緒にできる財なので財Xの生産は増える(供給曲線が右)。設備を取り合う財とは逆 |
| 2本の曲線が同時に動くと、価格も取引量も定まらない | 向きのそろう方は決まる。定まらないのは片方だけ |
| 図を1枚描いて読み、価格も取引量も決める | ずれの大きさが分からないなら、食い違う方は定まらない |











