貿易理論の定理とは・ヘクシャー=オリーンの定理
30秒でわかる貿易理論の定理
貿易理論の定理は、2つの財を、労働と資本の2つの生産要素でつくる国どうしの貿易から出てくる結論に付いた名前です。試験では、定理の名前と主張の組合せが合っているかを見分けます。主張は「何が変わると・何がどう動くか」の組で覚えます。「資本を集約的に使う財」は、もう一方の財より資本を多めに使う財のことです(言葉は次のタブの表にまとめます)。
ヘクシャー=オリーンの定理
ストルパー=サミュエルソンの定理
リプチンスキーの定理
要素価格均等化定理
レオンチェフの逆説
先に読む論点比較優位
リカードの比較生産費説(比較優位の論点)では、生産要素は労働1つで、比較優位は国ごとの技術(労働生産性)の違いから生まれます。このページの定理は、生産要素を労働と資本の2つにし、技術は2国で同じと置いたモデル(ヘクシャー=オリーンのモデル)から出てきます。
試験での出方
| 地方上級 | ★★ | 特別区Ⅰ類 | ★★ |
|---|---|---|---|
| 市役所 | ★★ | 国家総合職 | — |
| 国家一般職 | ★ | 国家専門職 | ★★ |
定理の名前と主張を1つの選択肢に1つずつ並べた文の正誤と、空欄に定理の名前を入れる組合せの問題が中心です。計算の問題はほとんどありません。
よく出るタイプ
貿易理論の定理の問題は、次の2つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
どちらの財に比較優位があるかを計算する問題は比較優位の論点、関税や輸入割当による余剰の変化は貿易政策の論点で扱います。
基本の図定理の早見表
定理の違いの早見表(何が変わると何が動くか)
この論点は図より表で整理するほうが速いので、基本の図のかわりに早見表を置きます。先に、このページで使う言葉をまとめます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 生産要素 | 財をつくるのに使うもの。ここでは労働と資本(機械や工場) |
| 要素賦存量 | 国にもともとある労働・資本の量 |
| 要素賦存比率 | 資本の量 ÷ 労働の量。相手国より高い国が資本豊富国、低い国が労働豊富国 |
| 資本集約財 | 1単位をつくるのに使う資本 ÷ 労働が、もう一方の財より大きい財。小さいほうが労働集約財 |
| 要素価格 | 労働の価格(賃金)と、資本の価格(資本の報酬。資本を1単位借りる代金) |
| 実質報酬 | 賃金や資本の報酬で、財が何単位買えるか |
| 相対価格 | 一方の財の価格 ÷ もう一方の財の価格 |
| 輸入競争財 | 輸入品と競り合う、国内でつくる財 |
| 要素集約度の逆転 | 要素価格によって、どちらの財が資本集約財かが入れ替わること。試験では「無い」と置かれる |
5つの定理とリカードの比較生産費説を、「何が変わると(何を一定にして)」と「何が動くか」の組で並べます。
| 定理 | 何が変わると(何を一定に) | 何が動くか |
|---|---|---|
| ヘクシャー=オリーンの定理 | 要素賦存比率が国で違う(技術は2国で同じ) | どの財を輸出するか(豊富な要素を集約的に使う財) |
| ストルパー=サミュエルソンの定理 | 財の相対価格 | 要素価格(集約的に使われる要素は上がり、もう一方は下がる) |
| リプチンスキーの定理 | 要素の量(財の相対価格は一定) | 生産量(集約的に使う財は増え、もう一方は減る) |
| 要素価格均等化定理 | 自由貿易で財の価格が2国でそろう | 要素価格が2国でそろう(要素は国の間を移動しない) |
| レオンチェフの逆説 | 米国の貿易を測った結果 | 輸出財のほうが労働集約的で、ヘクシャー=オリーンの定理の予測と逆 |
| リカードの比較生産費説(比べる相手) | 技術が国で違う(生産要素は労働だけ) | 比較優位のある財に特化する |
表の見方
- ストルパー=サミュエルソンは「価格 → 価格」(財の価格 → 要素の価格)、リプチンスキーは「量 → 量」(要素の量 → 財の量)の組です。2つの名前と組を入れ替えた文が、誤りの選択肢で一番多い形です。
- 比較優位の源泉が技術の違いならリカード、要素賦存比率の違いならヘクシャー=オリーンです。
このページで使う例(機械と衣服の国)
タイプ2の図と例は、次の国で考えます。機械は資本集約財、衣服は労働集約財です(問題では「X財・Y財」と書かれることが多いです)。
| 1単位をつくるのに使う量 | 労働 | 資本 | 資本 ÷ 労働 |
|---|---|---|---|
| 機械1台 | 1 | 3 | 3 |
| 衣服1着 | 2 | 1 | 0.5 |
この国には労働100・資本150があり、どちらも余らせずに使います。計算を簡単にするため、1台・1着に使う労働と資本の量は、価格が変わってもいつも同じとします(本来は賃金が上がれば労働を減らす工夫をしますが、定理の向きはこれで確かめられます)。このとき生産量は機械40台・衣服30着です(労働 、資本 )。
タイプ1定理の名前と主張
貿易理論の定理の見分け方(定理の名前と主張)
見分け方:問題文の最後が「貿易理論に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか」で、選択肢ごとに「リプチンスキーの定理によれば」「要素価格均等化定理は」のように、違う定理の名前が出てきます。空欄に定理の名前を入れる組合せの問題も、このタイプです。
なぜそうなるか資本が豊富な国が資本集約財を輸出する理由(ヘクシャー=オリーンの定理)
貿易を始める前は、2国の好みが同じなら、資本が労働に比べて多い(要素賦存比率が高い)国ほど、たくさんある資本の報酬が賃金に比べて安くなります。たとえば資本豊富国は賃金10・資本の報酬5、労働豊富国は賃金5・資本の報酬10だとします。技術は2国で同じなので、安くつくれるかは要素価格だけで決まり、資本を多く使う機械は資本豊富国のほうが安くつくれます。1単位の費用は「賃金 × 使う労働 + 資本の報酬 × 使う資本」です。
| 1単位の費用 | 資本豊富国 | 労働豊富国 |
|---|---|---|
| 機械1台 | ||
| 衣服1着 | ||
| 機械の相対価格 |
機械は資本豊富国のほうが相対的に安い(1<1.75)ので、資本豊富国が機械を、労働豊富国が衣服を輸出します。
判定のしかた
- 1
定理の名前から「変わるもの → 動くもの」を思い出す
選択肢の定理の名前に線を引き、早見表の組(価格 → 価格、量 → 量、賦存の違い → 輸出、財の価格がそろう → 要素価格がそろう)を思い出します。 - 2
主張がどの組かを見る
財の価格の変化から要素の報酬を言っていればストルパー=サミュエルソン、財価格一定で要素の量から生産量を言っていればリプチンスキー、豊富な要素から輸出する財を言っていればヘクシャー=オリーンの主張です。 - 3
名前と組がずれていたら誤り
主張の中身が別の定理として正しくても、名前が違えば誤りです。このタイプの誤りの選択肢は、ほとんどがこの形です。 - 4
合っていたら向きと前提を見る
名前と主張が合っている選択肢は、豊富・希少や増える・減るの向きと、前提(財価格一定・技術が同じ・要素が移動しない)が逆になっていないかを、タイプ2の手順で確かめます。
例で確かめる3つの文を早見表に当てる
機械(資本集約財)と衣服(労働集約財)の2財で考えます。
| 文 | 主張の組 | 判定 |
|---|---|---|
| ア ヘクシャー=オリーンの定理によれば、財の相対価格を一定として資本の量が増えると、機械の生産量が増え、衣服の生産量が減る | 量 → 量(リプチンスキーの組) | 誤り |
| イ リプチンスキーの定理によれば、自由貿易で2国の財の価格がそろうと、2国の賃金もそろう | 財の価格がそろう → 要素価格がそろう(要素価格均等化の組) | 誤り |
| ウ ストルパー=サミュエルソンの定理によれば、機械の相対価格が上がると、資本の実質報酬が上がる | 価格 → 価格(名前と合う)。機械に集約的に使われるのは資本なので、向きも合う | 正しい |
アとイは、名前を入れ替えれば正しい文になります。
貿易理論の定理の例題(定理の名前と主張)
自分で解いてみる貿易理論の定理の例題1(定理の名前と主張)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
- 1:技術の違いを比較優位の源泉とするのはリカードの比較生産費説です。ヘクシャー=オリーンの定理は技術を2国で同じと置き、要素賦存比率の違いから比較優位を説明するので、技術が同じでも貿易は起こります。源泉の取り違えです。
- 2:豊富な要素の集約財を輸出する、はヘクシャー=オリーンの定理の主張です。ストルパー=サミュエルソンの定理は、財の相対価格と要素の実質報酬の関係を示します。名前と主張の取り違えです。
- 3:要素価格均等化定理の主張は、労働や資本が国の間を移動しなくても、財の貿易だけで要素価格がそろうことです。前提の取り違えです。
- 4:労働豊富国では賃金が相対的に安く、労働を多く使う財が安くつくれるので、その財を輸出します。名前・主張・向きが合っていて、正解は4です。
- 5:レオンチェフの逆説が食い違った相手は、資本豊富国は資本集約財を輸出すると予測するヘクシャー=オリーンの定理です。リカードの比較生産費説は生産要素が労働だけなので、資本と労働の集約度についての予測を持ちません。
| 選択肢 | 名前の定理 | 主張は本当はどれか |
|---|---|---|
| 1 | ヘクシャー=オリーン | リカード(技術の違い) |
| 2 | ストルパー=サミュエルソン | ヘクシャー=オリーン |
| 3 | 要素価格均等化 | 名前は合うが「移動するから」が逆 |
| 4 | ヘクシャー=オリーン | ヘクシャー=オリーン(正しい) |
| 5 | レオンチェフの逆説 | 相手はヘクシャー=オリーン |
タイプ2帰結の向きと前提
リプチンスキーの定理とストルパー=サミュエルソンの定理(帰結の向きと前提)
見分け方:問題文に「X財は資本集約財、Y財は労働集約財」「要素集約度の逆転はない」「両財とも生産される」のような但し書きがあり、選択肢が「増加する・減少する」「上昇する・低下する」「10%」で終わります。
なぜそうなるか資本が増えると衣服の生産が減る理由(リプチンスキーの定理)
財の価格が変わらないので賃金と資本の報酬も変わらず、1台・1着に使う労働と資本の量も変わりません。資本が150から180へ20%増えたとします。増えた資本で機械をつくるには労働も要りますが、労働は増えていないので、衣服から労働を引き抜いて機械に回すしかありません。だから衣服は30着から24着へ減り、機械は40台から52台へ、資本の増え方(20%)より大きく(30%)増えます。
- 労働の線:労働100をちょうど使い切る機械と衣服の組わかること衣服1着に労働2を使うので、機械0台なら衣服50着
- 資本の線:資本150をちょうど使い切る組わかること機械は衣服より資本を多く使う(資本÷労働が3と0.5)ので、労働の線より急になる
- 交点E:労働も資本も余らない生産量わかること機械40台・衣服30着
- 資本が増加:資本が150から180に(20%増)わかること資本の線だけが右へ平行に移る
- 新しい交点:Fは機械52台・衣服24着わかること機械は30%増え、衣服は20%減る
図の見方:横は機械の台数、縦は衣服の着数です。労働の線は労働100をちょうど使い切る組、資本の線は資本をちょうど使い切る組で、2本の交点が両方を余らせない生産量です。資本が増えると資本の線だけが右へ平行に移り、交点は労働の線に沿って右下(機械が増え、衣服が減る向き)へ動きます。
使える条件:機械が資本集約財で、要素集約度の逆転が無く、両財とも生産が続くとき。上はリプチンスキーの定理で、財の相対価格が一定のまま、資本が労働より大きい率で増えたとき。下はストルパー=サミュエルソンの定理で、機械の価格が衣服の価格より大きい率で上がったときです。減るもの・下がるものはマイナスの率で並べます(下の例では 30%>20%>0%>−20%、40%>20%>0%>−10%)。集約的な側は大きいほうの変化より大きく、もう一方は小さいほうの変化より小さく動きます。動いたのが1つだけ(片方の要素だけが増える・片方の財の価格だけが上がる)なら、もう一方は逆向きに動きます。
判定のしかた
- 1
何が変わったかを見る
要素の量が変わったならリプチンスキー、財の価格が変わったならストルパー=サミュエルソンです。名前と変わったものが合わなければ、そこで誤りです。 - 2
向きを但し書きで確かめる
増えた要素を集約的に使う財の生産が増え、もう一方は減ります。相対価格が上がった財に集約的に使われる要素の実質報酬が上がり、もう一方は下がります。どちらが資本集約財かは、問題の但し書きで確かめます。 - 3
大きさを見る
増える側は、元の変化の率より大きく動きます。「両財とも10%増える」「賃金も10%上がる」は誤りです。両財が同じ率で増えるのは、労働と資本が同じ率で増えたときだけです。 - 4
前提を見る
リプチンスキーの定理は財の相対価格を一定とし、両財とも生産が続くときの結論です。「価格の変化を通じて」「財の価格が変わるときの定理」とあれば誤りです。ストルパー=サミュエルソンの定理は、完全競争・収穫一定で両財とも生産が続くときの結論です。 - 5
貿易と分配をつなぐ
ヘクシャー=オリーンの定理で輸出する財を決めると、貿易でその財の相対価格は上がります。すると豊富な要素の実質報酬は上がり、希少な要素の実質報酬は下がります。「国全体が得をするので、全員が得をする」は誤りです。
例で確かめる機械の価格が上がると、賃金と資本の報酬はどう動くか
タイプ1の「なぜそうなるか」の資本豊富国(賃金10・資本の報酬5。機械も衣服も1単位の費用が25なので、価格も25)が貿易を始め、機械の価格が25から30に上がり、衣服は25のままだとします。賃金を 、資本の報酬を とおきます。
どの会社も同じ技術を使えて自由に参入でき(完全競争)、何台つくっても1台あたりの費用は変わらない(収穫一定)とします。価格が1単位の費用より高ければ、もうけを求めてつくる会社が増え、低ければ赤字なのでつくる会社がいなくなります。だから両方の財がつくり続けられているときは、どちらも「価格=1単位の費用」です(使う量がいつも同じという置き方のもとでの数です。使う量が変われば数は少し変わりますが、向きと上昇率の並びは同じです)。
機械: 衣服:
衣服の式から です。機械の式に入れると 、つまり で 、 です。
- 衣服の線:衣服1着の費用(賃金2単位分と資本の報酬1単位分)がちょうど25になる、賃金と資本の報酬の組わかること費用が価格より安ければつくる会社が増え、高ければいなくなるので、衣服がつくられ続けるのはこの線の上だけ
- 機械の線:機械1台の費用(賃金1単位分と資本の報酬3単位分)がちょうど25になる、賃金と資本の報酬の組
- 交点E:両方の財をつくり続けられる賃金と資本の報酬わかること賃金10・資本の報酬5
- 機械値上げ:機械の価格が25から30に(20%上昇)わかること機械の線だけが外へ平行に移る
- 新しい交点:Fは賃金9・資本の報酬7わかること資本の報酬は40%上がり、賃金は10%下がる
図の見方:横は賃金、縦は資本の報酬です。衣服の線は衣服1着の費用がちょうど25になる組、機械の線は機械1台の費用がちょうど価格になる組で、交点が両方の財をつくり続けられる賃金と報酬です。機械の価格が30に上がると機械の線だけが外へ移り、交点はEから、賃金が下がり報酬が上がるFへ動きます。
| 項目 | 前 | 後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 機械の価格 | 25 | 30 | 20%上昇 |
| 衣服の価格 | 25 | 25 | 変わらない |
| 資本の報酬 | 5 | 7 | 40%上昇 |
| 賃金 | 10 | 9 | 10%低下 |
資本の報酬は、機械で測ると 台から 台へ、衣服で測ると0.2着から0.28着へ増えます。賃金は、機械で0.4台から0.3台へ、衣服で0.4着から0.36着へ減ります。どちらの財で測っても、資本は得をし、労働は損をします。国全体では得をしても、希少な労働の持ち主は実質で損をします。
リプチンスキーの定理の例題(帰結の向きと大きさ)
自分で解いてみるリプチンスキーの定理の例題2(帰結の向きと大きさ)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 3
機械の台数を 、衣服の着数を とおきます。労働と資本を両方とも使い切るので、
労働: 資本:
資本の式から です。労働の式に入れると 、つまり で 、 です。正解は3です。衣服は30着から42着へ40%増え(労働の増加20%より大きい)、機械は40台から36台へ10%減ります。
図の見方:労働が120に増えると、労働の線だけが上へ平行に移り、交点はEからGへ、資本の線に沿って左上(衣服が増え、機械が減る向き)へ動きます。
- 1:増えた労働20を全部衣服に回した値( 着増)です。衣服をつくるには資本も要り、資本は で150を超えるので、つくれません。
- 2:両財とも労働と同じ20%増やした値です。資本は 必要で足りません。同じ率で増えるのは、労働と資本がともに20%増えたときです。
- 4:資本が20%増えたとき(なぜそうなるかの図)の値で、増えた要素を取り違えています。
- 5:衣服は正しいものの、機械が減ることを見落とした値です。労働は 、資本は 必要で、どちらも足りません。
まとめ覚えることと間違いやすい点
覚えることの表(定理ごとの向き)
機械が資本集約財、衣服が労働集約財で、要素集約度の逆転が無く、両財とも生産が続く場合です。
| 起きたこと | 定理 | 増える・上がる | 減る・下がる |
|---|---|---|---|
| 資本の量が増える(財価格は一定) | リプチンスキー | 機械の生産(資本の増加率より大きく) | 衣服の生産 |
| 労働の量が増える(財価格は一定) | リプチンスキー | 衣服の生産(労働の増加率より大きく) | 機械の生産 |
| 機械の相対価格が上がる | ストルパー=サミュエルソン | 資本の実質報酬 | 労働の実質報酬 |
| 衣服の相対価格が上がる | ストルパー=サミュエルソン | 労働の実質報酬 | 資本の実質報酬 |
| 資本豊富国が貿易を始める | ヘクシャー=オリーンとストルパー=サミュエルソン | 機械の輸出・資本の実質報酬 | 労働の実質報酬 |
| 自由貿易で2国の財価格がそろう | 要素価格均等化 | 2国の賃金どうし・資本の報酬どうしがそろう | (要素は移動しない) |
各定理の前提も、落とすと誤りの選択肢になります。
| 定理 | 置かれる前提 |
|---|---|
| ヘクシャー=オリーン | 技術と好みが2国で同じ・完全競争・収穫一定・要素集約度の逆転なし |
| リプチンスキー | 財の相対価格は一定・両財とも生産が続く・要素を余らせない・技術は変わらない |
| ストルパー=サミュエルソン | 完全競争・収穫一定・両財とも生産・要素集約度の逆転なし |
| 要素価格均等化 | 技術が同じ・両国とも両財を生産・要素集約度の逆転なし・輸送費や関税なし・完全競争・収穫一定 |
よくある間違い
| 誤りの文 | 正しくはこう |
|---|---|
| リプチンスキーの定理は、財の価格が上がると要素の報酬が上がることを示した | 財の価格 → 要素の報酬はストルパー=サミュエルソン。リプチンスキーは要素の量 → 生産量 |
| ストルパー=サミュエルソンの定理は、要素の量が増えるとその要素の集約財の生産が増えることを示した | それはリプチンスキーの定理 |
| ヘクシャー=オリーンの定理は、技術(労働生産性)の違いから比較優位を説明する | 技術の違いはリカード。ヘクシャー=オリーンは技術を同じと置き、要素賦存比率の違いで説明する |
| リカードの比較生産費説は、豊富な要素を集約的に使う財に比較優位があるとした | それはヘクシャー=オリーン。リカードの生産要素は労働だけ |
| 各国は、自国に希少な要素を集約的に使う財を輸出する | 豊富な要素を集約的に使う財を輸出する |
| 資本が10%増えると、両財とも10%増える | 資本集約財は10%より大きく増え、労働集約財は減る |
| 労働が増えても、もう一方の財の生産は変わらない | 台数・着数そのものが減る(もう一方の財から資本を引き抜くため) |
| リプチンスキーの定理は、財価格の変化を通じて生産量が変わることを示す | 財の相対価格を一定とした結論 |
| 財の価格が10%上がると、その財に集約的な要素の報酬も10%上がる | もう一方の財の価格が変わらないなら、10%より大きく上がり、もう一方の要素の報酬は下がる |
| 貿易で国全体が得をするので、労働者も資本の持ち主も得をする | 輸出財に集約的に使われる要素は得をし、もう一方の要素は実質で損をする |
| 要素価格がそろうのは、労働や資本が国の間を移動するから | 要素は移動しない。前提がそろえば、財の貿易だけでそろう |
| レオンチェフの逆説は、米国が資本集約財を輸出していると確かめた | 輸出財のほうが労働集約的で、予測と食い違った |
| レオンチェフの逆説が食い違った相手は、リカードの比較生産費説 | 相手はヘクシャー=オリーンの定理 |











