方程式の文章題

数的推理 解法ガイド

方程式の文章題は、公務員試験の数的推理で毎年出題される頻出パターンです。「過不足算」「総量分配型」「損益分岐・プラン比較型」「複数人の関係型」「年齢条件型」「てんびん・重さ型」「不等式・範囲絞り込み型」の7つのタイプに分かれます。共通するコツは「求めるものをxとおいて、条件を式に変換する」こと。問題文を読み解いて方程式を立てられれば、あとは計算するだけです。

タイプひとことで言うと頻出度難易度の目安
過不足算・基本の方程式配り方を変えると余ったり足りなかったり★★☆★☆☆
総量分配型全体の何分の1ずつ分けていく★★☆★★☆
損益分岐・プラン比較型2つのプランの総額が等しくなる時点を求める★★☆★☆☆〜★★☆
複数人の関係型複数の条件から連立方程式で各人の値を求める★★☆★★☆〜★★★
年齢条件型年齢の比が時間とともに変わる★★☆★★☆
てんびん・重さ型てんびんの釣り合いから重さを求める★☆☆★★☆〜★★★
不等式・範囲絞り込み型不等式で候補を絞り、追加条件で確定する★☆☆★★☆〜★★★
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このパターンで頻出の用語と公式

方程式の文章題のどのタイプでも繰り返し使う基本の考え方です。ここで押さえておくと、各タイプの解説がスムーズに読めます。

この問題で使う用語と公式

方程式の立て方の基本

  1. 求めるもの(または全体量)をxとおく
  2. 問題文の条件を、xを使った式に変換する
  3. 「合計 = ◯」「A = B」などの関係を等式にする
  4. 方程式を解く

例: 「1個150円のりんごをx個買って、送料200円を加えたら合計1100円だった」

→ 150x+200=1100150x + 200 = 1100 → 150x=900150x = 900 → x=6x = 6(個)

連立方程式の解き方

未知数が2つ以上ある場合は、未知数の数と同じ数の方程式が必要です。

  • 代入法: 1つの式をx = …の形にして、別の式に代入する
  • 加減法: 2つの式を足したり引いたりして、1つの変数を消す

例: x+y=10x + y = 10 …① かつ 3x−y=143x - y = 14 …②

→ ①+②: 4x=244x = 24 → x=6x = 6、y=4y = 4

和差算(頻出テクニック)

「2つの数の和」と「2つの数の差」が分かっているとき、一瞬で解ける公式です。

  • A+B=SA + B = S(和)、A−B=DA - B = D(差)のとき
  • A=S+D2A = \frac{S + D}{2}、B=S−D2B = \frac{S - D}{2}

例: 2つの数の和が170、差が44のとき → 大きい方 = 170+442=107\frac{170 + 44}{2} = 107、小さい方 = 170−442=63\frac{170 - 44}{2} = 63


1. 過不足算・基本の方程式

この問題で使う用語と公式

過不足算

  • 「1人にN個ずつ配るとP個余り、M個ずつ配るとQ個足りない」のように、2通りの配り方の結果から全体量と人数を求める問題
  • 「余る」→ +(プラス)、「足りない」→ −(マイナス)で式を立てる
  • 全体量はどちらの配り方でも同じなので、等式が立てられる

例: 1人3冊ずつ配ると10冊余り、5冊ずつ配ると6冊足りないとき

  • 3冊ずつ: 全体 = 3x+103x + 10
  • 5冊ずつ: 全体 = 5x−65x - 6
  • 3x+10=5x−63x + 10 = 5x - 6 → x=8x = 8(人)

こういう問題が出る

「生徒にノートを配る。1人3冊ずつだと10冊余り、5冊ずつだと6冊足りない。生徒は何人か」のように、配分方法を変えたときの過不足から数量を求める問題です。

こう考える

求めるものをxとおく(人数や個数など)
2通りの条件を、それぞれxの式で表す
2つの式が同じ全体量を表しているので等式にする
方程式を解く
「余る」を−、「足りない」を+にしてしまう符号ミスが最も多いです。「余る = まだある = プラス」「足りない = もっと要る = マイナス」と覚えましょう。

例題で確認

例題

生徒にノートを配る。1人3冊ずつ配ると10冊余り、1人5冊ずつ配ると6冊足りない。生徒の人数はいくらか。
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2. 総量分配型

この問題で使う用語と公式

総量分配型とは

  • 全体量(総距離、総ページ数、全体の個数など)をxとおく
  • 各部分が「全体の 1a\frac{1}{a} よりP多い(少ない)」のような形で与えられる
  • 各部分の合計 = 全体量(= x)という方程式を立てる

「残りの1/b」に注意

  • 「全体の 1b\frac{1}{b}」と「残りの 1b\frac{1}{b}」は全くの別物
  • 残り = 全体 − 前の部分。まず「残り」をxで表してから 1b\frac{1}{b} を計算する

通分のコツ

  • 分母が2, 3, 4なら最小公倍数は12。両辺に12をかけて分数を消す
  • よく使う最小公倍数:(2,3,4)→12、(2,3,6)→6、(3,4,6)→12、(2,5,10)→10

こういう問題が出る

「ある本を3日間で読み終えた。1日目は全ページ数の 15\frac{1}{5} より6ページ多く読み、2日目は…」のように、全体量を何日かに分けて、各日の条件から全体量を求める問題です。

こう考える

全体量をxとおく
各部分をxの式で表す(「全体の 1a\frac{1}{a} ± 定数」の形になる)
「残りの 1b\frac{1}{b}」がある場合は、先に「残り」をxで計算する
全部分の合計 = xの方程式を立てる
通分して分数を消し、方程式を解く
「残りの 13\frac{1}{3}」を「全体の 13\frac{1}{3}」と読み違えるミスが非常に多いです。「残り」が出てきたら、まず残りの量を求めてから分数をかけましょう。

例題で確認

例題

ある本を3日間で読み終えた。1日目は全ページ数の 15\frac{1}{5} より6ページ多く読み、2日目は1日目に読み残したページ数の 13\frac{1}{3} より4ページ多く読み、3日目は全ページ数の 12\frac{1}{2} より10ページ多く読んだ。この本の全ページ数はいくらか。
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3. 損益分岐・プラン比較型

この問題で使う用語と公式

損益分岐型とは

  • 月額や単価が異なる2つのプラン(積立プラン、料金プランなど)があるとき、総額が等しくなるのは何か月目(何個目)かを求める問題
  • 開始時期や初期費用に差がある場合、その「先行分」を式に含めるのがポイント

基本の立式

  • プランAの総額 = プランBの総額 という等式を立てる
  • 「xx か月目に等しくなる」とおいて、各プランの総額を xx の式で表す

こういう問題が出る

「兄は毎月8,000円ずつ貯金している。弟は兄より1年9か月遅れて、毎月14,000円ずつ貯金を始めた。2人の貯金総額が等しくなるのはいつか」のように、2つの選択肢の損得が逆転する時点を求める問題です。

こう考える

基準時点を決める(両方が動いている時点を基準にする)
各プランの総額をxの式で表す。先に始まった方は「先行分」を忘れずに含める
等式を立てて解く。大きな数は共通因数で割って計算を楽にする
単位変換が必要なら最後に行う(月数→年と月 など)
先行期間の考慮漏れが最も多いです。先に始めた人は、後の人が始める時点ですでにその期間の分を積み上げ済みです(1年9か月遅れなら21か月分)。この先行分を式に含め忘れると正解にたどり着けません。

例題で確認

例題

兄は毎月末に8,000円ずつ貯金している。弟は、兄が貯金を始めた月の1年9か月後の月から、毎月末に14,000円ずつ貯金を始めた。2人とも途中で引き出さないとき、弟が貯金を始めてから何年何か月目に、2人の貯金総額が等しくなるか。
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4. 複数人の関係型

この問題で使う用語と公式

複数人の関係型とは

  • N人の得点や金額について、「合計」「差」「平均」「倍数関係」など複数の条件が与えられ、連立方程式で各人の値を求める問題
  • 条件が多くて一見複雑だが、戦略的に解く順番を決めれば段階的に値が確定していく

和差算(復習)

  • A+B=SA + B = S(和)、A−B=DA - B = D(差)のとき
  • A=S+D2A = \frac{S + D}{2}、B=S−D2B = \frac{S - D}{2}
  • 合計と部分平均から2人の和を求め、差と組み合わせて一気に解けることが多い

こういう問題が出る

「A〜E5人の所持金の合計は5,600円。A, C, Dの平均は1,300円。BはEより500円多い…」のように、複数の条件から各人の値を求める問題です。

こう考える

条件を数式に変換する(合計、平均→合計に変換、差、倍数関係…)
合計と部分合計から、一部の人の和を求める(全体 − 部分 = 残り)
和と差がわかったら和差算で一気に解く
求まった値を他の条件に代入して、残りの人を順次確定する
条件の多さに圧倒されて手が止まること。コツはまず合計と部分平均から2人に絞り込み、和差算で解くこと。全部を一度に解こうとしないでください。

例題で確認

例題

A〜Eの5人の所持金について、以下のことが分かっている。Dの所持金はいくらか。・5人の所持金の合計は5,600円 ・A, C, Dの3人の平均は1,300円 ・BはEより500円多い ・Cの所持金は、Eの所持金の3倍より100円少ない ・AはDより400円多い
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5. 年齢条件型

この問題で使う用語と公式

年齢問題の核心ルール

  • 時間が経過すると、全員の年齢が同じだけ増える
  • つまり、年齢の「差」は永久に変わらない(親子の年齢差は一生同じ)
  • 一方、年齢の「比」は時間とともに変わる

比を使った変数設定

  • 「T年前のAとBの年齢の比が p:qp : q」→ T年前の年齢を pxpx、qxqx とおく
  • 現在の年齢は px+Tpx + T、qx+Tqx + T

比の方程式の解き方(外項の積 = 内項の積)

  • a:b=c:da : b = c : d のとき、ad=bcad = bc
  • 例: (5x+12):(3x+12)=4:3(5x + 12) : (3x + 12) = 4 : 3 → 3(5x+12)=4(3x+12)3(5x + 12) = 4(3x + 12)

こういう問題が出る

「6年前の兄と弟の年齢の比は5:3だった。6年後には4:3になる。兄と弟は現在何歳か」のように、異なる時点の年齢の比から、現在の年齢や年齢差を求める問題です。

こう考える

基準時点を決めて、比を変数でおく(例: 6年前で兄 = 5x、弟 = 3x)
別の時点の年齢を表す(6年前→6年後は +12歳。+6ではないので注意!)
別時点の比の条件で方程式を立てる(外項の積 = 内項の積)
xを求めて各年齢を計算する
「6年前」から「6年後」の年齢を求めるとき、+6歳ではなく +12歳(6年前→現在で+6、現在→6年後で+6の合計12)。この時間差の計算ミスが非常に多いです。

例題で確認

例題

兄、弟、母の3人がいる。6年前の兄と弟の年齢の比は5:3で、6年後には4:3になる。また、現在の母の年齢は、現在の兄と弟の年齢の和より4歳少ない。母と兄の年齢差はいくらか。
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6. てんびん・重さ型

この問題で使う用語と公式

てんびんの均衡条件

  • てんびんが釣り合っている = 左皿の合計重量 = 右皿の合計重量
  • 各てんびんから1本の方程式が得られる
  • 物体が3種類なら3つのてんびん(= 3本の方程式)で3元連立方程式を解く

3元連立方程式の解き方

  • 代入法が基本。1つの式から「x = …」の形を作り、他の式に代入して変数を減らす
  • 3元 → 2元 → 1元と段階的に減らしていくのがコツ

こういう問題が出る

「○、△、□の3種の物体について、複数のてんびんの釣り合い条件が与えられる。△の重さはいくらか」のように、てんびんの均衡条件から連立方程式を立てて各物体の重さを求める問題です。

こう考える

各物体の重さを変数(x, y, z)で表す
各てんびんの「左皿 = 右皿」を方程式にする
具体的な重さ(kg)が含まれる式を見つけておく(それがないと解けない)
代入法で変数を1つずつ消去する
「○の重さ」を聞かれているのに「△の重さ」を答えてしまう、求める対象の取り違え。最後に「何を聞かれているか」を必ず確認しましょう。

例題で確認

例題

○、△、□の3種の物体について、次のてんびんの釣り合いが分かっている。○1個の重さはいくらか。・てんびん1: ○1個と□1個 = △1個 ・てんびん2: ○3個 = □2個 ・てんびん3: △2個と□1個 = 13kg
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7. 不等式・範囲絞り込み型

この問題で使う用語と公式

不等式・範囲絞り込み型とは

  • 等式と不等式の条件を組み合わせて、まず変数の候補を数個に絞り込み、さらに追加条件(倍数、偶奇など)で解を1つに確定する問題

連立不等式の解き方(最重要テクニック)

  • P<Q<RP < Q < R の形の連立不等式は、「P<QP < Q」と「Q<RQ < R」の2つに分けてそれぞれ解く
  • まとめて処理しようとすると混乱する。必ず分解する

候補の絞り込み方

  • 不等式で範囲を求めたら、その範囲にある整数を全て列挙する
  • 列挙した候補を、追加条件(倍数、割り切れなど)で1つに絞る

こういう問題が出る

「赤玉は白玉より20個多い。赤玉の数は白玉の2倍より多く3倍より少ない。赤玉の数が7の倍数のとき、白玉は何個?」のように、等式で変数を減らし、不等式で候補を絞り、追加条件で確定する問題です。

こう考える

条件を「等式」「不等式」「確定条件」に分類する
等式で変数を減らす(代入して不等式を1変数にする)
連立不等式を2つに分けてそれぞれ解く
整数の候補を列挙し、確定条件(倍数条件など)で1つに絞る
候補を1つ見つけた時点で満足して、他の候補を検証しないケース。必ず全候補を確定条件でチェックしてください。

例題で確認

例題

箱の中に赤玉と白玉が入っている。次のことが分かっているとき、白玉は何個か。(ア) 赤玉は白玉より20個多い (イ) 赤玉の数は、白玉の数の2倍より多く、3倍より少ない (ウ) 赤玉を7人に同じ数ずつ配ると、余りなく配り切れる
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