5分でわかる費用逓減産業

ミクロ経済学・市場の失敗

費用逓減産業とは・自然独占とは

30秒でわかる費用逓減産業

費用逓減産業は、市場の需要をまかなう範囲で、作る量が増えるほど1個あたりの費用(平均費用(AC))が下がり続ける産業です。理由は大きな固定費用です。発電所・水道管・線路のように、作る量に関係なくかかる費用が大きいので、量が増えるほど1個が負担する分が小さくなります。電力・ガス・水道・鉄道などがその例です。

1社でまとめて作るほど安くなるので、市場は自然に1社だけになります(自然独占)。そこで政府は独占を認めたうえで、価格を規制します。

限界費用(MC)は1個ふやすのに追加でかかる費用、総余剰は買い手と売り手の得の合計、死荷重は取引が減ったために失われた総余剰です。

限界費用価格形成

価格=限界費用(P=MC)にすると、総余剰は最大になりますが、必ず赤字になります

平均費用価格形成

価格=平均費用(P=AC)にすると、利潤は0で赤字は出ませんが、死荷重が残ります(最善ではないが、赤字を出さない中ではいちばん良い=次善の策)

赤字の大きさ

(平均費用 − 価格)× 数量
需要曲線D(P=120−2Q)、右下がりの平均費用曲線AC(AC=800÷Q+20)、水平な限界費用曲線MC(20円)。規制なしの点M(25個・70円)、価格=限界費用の点E(50個・20円)、価格=平均費用の点A(40個・40円)価格数量254050704020DACMCMAE
Mが規制なし(独占)、Eが価格=限界費用、Aが価格=平均費用の点。どの点も需要曲線Dの上にあります

先に読む論点独占費用と供給

この図の市場(需要曲線 P=120−2QP=120-2Q、総費用 TC=800+20QTC=800+20Q。PP は価格〔円〕、QQ は数量〔個〕)を、このページでは「基本の市場」と呼びます。総費用(TC)は作るのにかかる費用の合計で、固定費用800円と、1個につき20円の費用からなります。平均費用は総費用を数量で割った AC=800Q+20AC=\dfrac{800}{Q}+20 で、10個なら 800÷10+20=100800 \div 10 + 20 = 100 円、40個なら 800÷40+20=40800 \div 40 + 20 = 40 円と下がっていきます。

電力や水道は公益事業なので公共財と混同されやすいですが、費用逓減産業の財は、お金を払わない人を使わせないことができる私的な財です。公共財(だれでも同時に使え、払わない人を締め出せない財)とは別の論点です。

試験での出方

受験先ごとの出やすさ
地方上級★★特別区Ⅰ類★★
市役所★★★国家総合職★★
国家一般職★国家専門職—

図の点や面積を選ぶ問題、価格・数量・赤字を計算する問題、料金規制の方式の文の正誤の3つの形で出ます。

よく出るタイプ

費用逓減産業の問題は、次の3つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。

次にやること

「必修」の3問を解く「費用逓減産業」をランダムに演習「費用逓減産業」の問題一覧(22問)

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