費用と供給とは・限界費用と平均費用
30秒でわかる費用と供給
この論点では、価格を自分では動かせない企業(完全競争の企業)が、費用を見て「何個つくるか」「つくるのをやめるか」を決めるしくみを学びます。生産量を 、価格を と書きます。
総費用(TC)
平均費用(AC)・平均可変費用(AVC)
限界費用(MC)
利潤を最大にする生産量
損益分岐点・操業停止点
この図の企業は総費用が (費用は円、生産量は個)です。図の点B(66円)の価格なら利潤はちょうど0、点A(30円)より価格が下がると生産をやめます(求め方はタイプ2で扱います)。このページでは、この企業を「基本の企業」と呼び、各タイプの例で使います。
試験での出方
| 地方上級 | ★★★ | 特別区Ⅰ類 | ★★ |
|---|---|---|---|
| 市役所 | ★★★ | 国家総合職 | ★★ |
| 国家一般職 | ★★ | 国家専門職 | ★★★ |
計算と、図の読み取りと、文の正誤がそろって出る論点です。
よく出るタイプ
費用と供給の問題は、次の5つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
基本の図費用曲線と供給曲線
総費用曲線の読み方(固定費用・可変費用・限界費用)
- 総費用曲線:生産量Qをつくるのにかかる費用の合計(TC)わかること傾きは初めゆるやかになり、あとで急になる
- 固定費用:生産量が0でもかかる費用(FC)わかること縦軸の切片の256円。工場の賃料のように、つくる量で変わらない
- 可変費用:つくる量で変わる費用(VC)わかることTCと固定費用の線の縦の差。10個なら716−256=460円
- 限界費用:接線の傾き(MC)わかること10個のあたりでは、1個増やすと費用が約126円増える
図の見方
- 横軸が生産量、縦軸が総費用です。生産量0のときの高さ(縦軸の切片)が固定費用の256円です。
- 曲線と256円の線の縦の差が可変費用です。
- ある点で曲線に接する直線(接線)の傾きが、その点の限界費用です。傾きは初めゆるやか、のちに急になるので、MCは下がってから上がります。
費用曲線のグラフ(損益分岐点と操業停止点)
- 平均可変費用:可変費用を生産量で割った1個あたりの可変費用(AVC)わかること6個で最も低い30円になるU字の線
- 平均費用:AVCに1個あたりの固定費用(平均固定費用)を足した線(AC)わかること生産量が増えるほど固定費用が薄まり、ACはAVCに近づく
- 限界費用:あと1個つくると増える費用(MC)わかること4個で最も低い18円。そのあと上がって、AVCとACの最低点を通る
- 操業停止点:MCとAVCの交点A(6個・30円)わかること価格が30円より低いと、どれだけつくっても、やめたとき(損失256円)より損が大きいので生産をやめる
- 損益分岐点:MCとACの交点B(8個・66円)わかること価格が66円なら利潤はちょうど0。これより高いと利潤が出る
- 供給曲線:短期の供給曲線は、Aより上のMCと、30円より下では縦軸に重なる線わかること価格を決めると、価格とMCが等しい生産量が供給量になる
図の見方
- AC=AVC+平均固定費用です。平均固定費用(固定費用÷生産量)は生産量が増えるほど小さくなるので、ACはAVCに近づき、ACの最低点(8個)はAVCの最低点(6個)より右になります。
- MCは、AVCとACの最低点を通ります。MCが平均より低いうちは平均を引き下げ、高くなると引き上げるからです。MCの最低点(4個・18円)はどちらよりも左下です。
- 操業停止点A(MC=AVC)と損益分岐点B(MC=AC)の2つが、この論点の中心です。短期の供給曲線は「Aより上のMC」です。Aより低い価格では供給量が0なので、供給曲線は縦軸そのもの(生産量0の線)に重なります。
価格を動かして利潤を見る
価格93円:生産量9個・利潤230円
企業は、価格の線とMCが交わる生産量でつくります。利潤は「(価格 − AC)× 生産量」で、価格の線とその生産量でのACの高さの間の長方形です(93円なら9個でのACは で約67.4円)。66円(点B)で利潤0、30円(点A)で損失が固定費用の256円になり、それより下では生産をやめます。
タイプ1利潤最大化の生産量
利潤最大化の条件(価格=限界費用)と生産量の求め方
見分け方:「完全競争市場」「総費用関数が 」と書かれ、「価格が96円のとき、利潤を最大にする生産量(または利潤)はいくらか」のように、価格を1つ決めて聞かれます。泉の問題では生産量を と書くことが多いです(このページの と同じものです)。
なぜそうなるか価格=限界費用の解は、右上がりの側を選ぶ
完全競争の企業は、決まった価格で好きなだけ売れます。1個増やすと収入は価格だけ、費用はMCだけ増えるので、MCが価格より低いうちは増やすほど得です。左の交点(MCが右下がり)の先ではMCが価格より低く、まだ利潤を増やせるので、利潤が最大なのは右の交点です。
- 価格の線:価格45円の水平な線とMCは、1個と7個の2か所で交わる
- 左の交点:生産量1個の点Lわかることここから1個増やすごとに、利潤は(価格−MC)だけ増える
- 増える分:1個ごとの(価格−MC)を1個から7個まで積み重ねると、価格の線とMCの間の面積わかること利潤は1個で−266円、7個で−158円と108円増える
- 右の交点:生産量7個の点Rわかることこれより増やすとMCが価格を上回り、利潤が減る。だから右上がりの側の交点を選ぶ
使える条件:完全競争の企業(価格を自分では動かせず、決まった価格で売る企業)で、価格がAVCの最低値(操業停止価格)以上のとき。下回れば生産量は0です。独占企業は「限界収入(あと1個売ると増える収入)=限界費用」で決まり、価格=限界費用ではありません。
微分はべき乗の微分( を微分すると )だけを使います。定数(固定費用)は微分すると0になって消えます。
解き方の手順
- 1
総費用を微分してMCを出す
なら 。 で与えられたら、 に直してから微分します。 - 2
価格=MCとおいて解く
2次式なら因数分解か解の公式です。 - 3
解が2つならMCが右上がりの側
2次のMCなら大きいほうの解です。 - 4
聞かれたものに直す
利潤 = 価格 × 生産量 − 総費用(固定費用も引きます)。固定費用が書かれず「利潤が0になった」と言われたら、利潤の式を0とおいて固定費用を求めます。
例で確かめる基本の企業で価格が93円のとき
を整理すると 、 で、生産量は正なので9個です。収入は 円、総費用は を入れて 円で、利潤は 円です。
| 生産量 | 収入 | 総費用 | 利潤 |
|---|---|---|---|
| 8個 | 744円 | 528円 | 216円 |
| 9個 | 837円 | 607円 | 230円 |
| 10個 | 930円 | 716円 | 214円 |
利潤最大化の例題
自分で解いてみる利潤最大化の例題(総費用から生産量と利潤)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 2
です。 より 、 で、解は1と9です。MCが右上がりなのは9のほうです。
総費用は を入れて 円、収入は 円で、利潤は 円です。正解は2です。
| 生産量 | 収入 | 総費用 | 利潤 |
|---|---|---|---|
| 1個 | 114円 | 440円 | −326円 |
| 5個 | 570円 | 640円 | −70円 |
| 9個 | 1026円 | 840円 | 186円 |
1は右下がりの側の解(利潤が極小になる点)、3は固定費用300円を引き忘れた値、4はMCの最低点(MCを微分した )の5個、5は収入を利潤と取り違えた値です。
タイプ2損益分岐点と操業停止点
損益分岐点と操業停止点の求め方・違い
見分け方:「損益分岐点(損益分岐価格)」「操業停止点(操業停止価格)」の語か、MC・AC・AVCの図に価格の線を引いて「この企業の短期の行動として妥当なのは」と聞かれます。
なぜそうなるか生産をやめる基準はACではなくAVC
短期の固定費用は、生産をやめても払い続ける費用(サンク・コスト、埋没費用)とするのが試験の前提です。だから続けるかは、収入が可変費用をまかなえるか(価格とAVC)で決まります。価格45円では赤字でも、収入の残りを固定費用に回せるので、続けるほうが損が小さくなります。
- 価格45円:MCと価格の線の交点Rの7個で生産する。収入は45円が7個ぶんで315円
- 可変費用:AVCの高さ31円が7個ぶんで217円わかること収入はこれを上回る
- 残り:315−217=98円わかること固定費用256円のうち98円をまかなえる
- 損失:ACの高さ約67.6円と価格45円の差が7個ぶんで256−98=158円わかることやめると固定費用の256円がまるごと損失なので、続けるほうが98円損が小さい
使える条件:短期で、固定費用がすべてサンク・コストのとき。損益分岐点は、サンク・コストでも固定費用を含めた で求めます。
解き方の手順
- 1
AVCとACを作る
総費用が の形(・・ は の前の数、 は固定費用。基本の企業なら 、、、)なら、、。 - 2
操業停止点を先に出す
AVCは2次式なので、最低点は頂点の です( を解いても同じ)。操業停止価格はそこでのAVCの値です。 - 3
損益分岐点を出す
、つまり の両辺から を引いて を掛けると です。3次の式は、 に整数を順に入れて成り立つものを探します(試験ではたいてい整数で解けます)。損益分岐価格はそこでのACの値です。 - 4
2つの価格の大小
ACはAVCに平均固定費用を足したものなので、損益分岐価格は必ず操業停止価格より高い。
例で確かめる基本の企業の2つの点と、価格ごとの行動
AVCは で、最低点は 個、操業停止価格は 円です。損益分岐点は を解きます。 に整数を順に入れると、 で となり成り立つので8個です。損益分岐価格は に を入れて 円です。
| 価格 | 生産量 | 利潤 | 企業の行動 |
|---|---|---|---|
| 30円より低い | 0個 | −256円 | 生産をやめる |
| 30円(操業停止点) | 6個 | −256円 | 続けてもやめても同じ |
| 30円〜66円 | 6〜8個 | −256円〜0円 | 赤字でも続ける |
| 66円(損益分岐点) | 8個 | 0円 | 利潤ちょうど0 |
| 66円より高い | 8個より多い | プラス | 利潤が出る |
図・文の問題も、価格をこの2つの点と比べて判定します。
損益分岐点と操業停止点の例題
自分で解いてみる損益分岐点と操業停止点の例題(価格の組合せ)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 3
操業停止点: の最低点は 、操業停止価格は です。
損益分岐点: は です。 に整数を順に入れると、 で となり成り立ちます。損益分岐価格は に を入れて です。正解は3です。
| 点 | 生産量 | 価格 |
|---|---|---|
| MCの最低点 | 4 | 4 |
| 操業停止点 | 6 | 28 |
| 損益分岐点 | 8 | 100 |
1は8個でのAVC(固定費用を入れ忘れた損益分岐価格)、2は操業停止価格(AVCの最低値28)を損益分岐価格と取り違え、MCの最低値4を操業停止価格とした組、4は操業停止価格をMCの最低値とした組、5は「サンク・コストだから」と損益分岐点からも固定費用を外した組です。
タイプ3総費用曲線と傾き
総費用曲線の傾きで平均費用・限界費用を読む
見分け方:縦軸が「総費用」の図に、総費用曲線と、原点や縦軸の切片を通る直線が描かれています。「この点で平均費用は最小」のような文か、「この総費用曲線のAC・AVC・MCを描いた図はどれか」と聞かれます。
なぜそうなるか3つの費用は、3つの直線の傾き
平均費用は「総費用 ÷ 生産量」なので、原点とその点を結ぶ線の傾きです。平均可変費用は「(総費用 − 固定費用)÷ 生産量」なので、縦軸の切片とその点を結ぶ線の傾きです。限界費用は接線の傾きです。
- 点T:総費用曲線の上で、生産量が10個の点。総費用は716円
- 限界費用:Tでの接線の傾きわかること1個増やしたときの費用の増え方で126円
- 平均費用:原点とTを結ぶ線の傾きわかること716÷10=71.6円
- 平均可変費用:切片とTを結ぶ線の傾きわかること(716−256)÷10=46円
判定のしかた
- 1
原点から引いて接する点
原点と結ぶ線は、曲線に接するとき最もゆるやかなので、平均費用が最小で、限界費用とも等しい。損益分岐点です。 - 2
切片から引いて接する点
同じ理由で平均可変費用が最小(=限界費用)。操業停止点です。 - 3
曲がり方が入れ替わる点
曲がり方が、上に出っ張る形から下に出っ張る形へ入れ替わる点(変曲点)で、限界費用が最小です。 - 4
2点の比べ方
原点から引いた同じ直線の上にある2点は平均費用が等しく、切片から引いた同じ直線の上にある2点は平均可変費用が等しくなります。 - 5
収入の線があるとき
収入の線(原点を通り傾きが価格)と平行な接線の接点では、限界費用(接線の傾き)が価格と等しくなるので、利潤が最大です。
例で確かめる基本の企業に価格93円の収入の線を引く
- 収入の線:価格93円なら、収入は原点を通る傾き93の直線
- 平行な接線:収入の線と平行な接線の接点C(9個)わかること接線の傾き(限界費用)が価格と等しい
- 利潤:Cでの収入の線と総費用曲線の縦の差わかること837−607=230円で、これが最大
接点の9個は、タイプ1で価格=MCから出した答えと同じです。
総費用曲線の形から3本の曲線を選ぶ問題は、縦軸の切片の有無と、傾きの変わり方で決まります。
| 総費用曲線の形 | MC | AVC | AC |
|---|---|---|---|
| 原点から出る直線 | 水平 | MCと重なる | MCと重なる |
| 切片のある直線 | 水平 | MCと重なる | 右下がりでMCに近づく |
| 原点から出て傾きが増える | 右上がり | MCより下で右上がり | AVCと重なる |
| 切片があり傾きが増える | 右上がり | MCより下で右上がり | U字(最低点でMCと交わる) |
| 原点から出て傾きが減る | 右下がり | MCより上で右下がり | AVCと重なる |
| 切片があり、傾きが一度ゆるやかになってから急になる(逆S字) | U字 | U字 | U字(AVCの右上) |
総費用曲線の例題
自分で解いてみる総費用曲線の傾きの例題(平均費用と限界費用)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
直線 は縦軸の切片から引いた接線なので、点Hでは「切片と結ぶ線の傾き(平均可変費用)」と「接線の傾き(限界費用)」が同じ直線の傾きになり、等しくなります。正解は4です。
この図は で、点F・H・E・Gは2・5・6・8個です。
| 点 | 平均費用 | 平均可変費用 | 限界費用 |
|---|---|---|---|
| F(2個) | 65 | 29 | 17 |
| H(5個) | 34.4 | 20 | 20 |
| E(6個) | 33 | 21 | 33 |
| G(8個) | 38 | 29 | 77 |
1と2は、原点からの線(平均費用)と切片からの線(平均可変費用)を取り違えた文です。3は、平均費用が点Eで最小なので誤りです。5は、限界費用が約3.3個で最も低いので、点Fから点Hの間で下がってから上がります。
タイプ4長期費用と短期費用
長期費用曲線と短期費用曲線(包絡線)
見分け方:「短期には資本の量が固定され、長期にはすべての生産要素の量を調整できる」と書かれ、長期総費用曲線(LTC)・長期平均費用曲線(LAC)と、短期総費用曲線(STC)・短期平均費用曲線(SAC)の関係を聞かれます。長期均衡の企業の数や、長期総費用関数を求める計算もあります。
なぜそうなるか長期の曲線は短期の曲線を下から包む
長期は工場の大きさ(資本の量)も選べるので、どの生産量でも、いちばん安くつくれる短期の曲線を選びます。それをつないだ線が長期の曲線で、短期の曲線を下から包む線(包絡線)になります。
- 短期:資本の量(工場の大きさ)ごとに1本ずつ短期総費用曲線があるわかること縦軸の切片は資本の費用で、資本が大きいほど高い(STC1・STC2・STC3の順)
- 長期:資本の量も選べるので、どの生産量でもいちばん低い短期総費用曲線を選ぶわかること下から包む線が長期総費用曲線LTC。原点を通る
- 接する点:各STCはLTCと1点(4個・8個・12個)で接するわかることその生産量では傾き(限界費用)も等しい。ほかの生産量ではSTCのほうが上
判定のしかた
- 1
LTCは原点を通る
長期には固定費用が無いからです。STCの切片は資本の費用で、資本が大きいほど高い。 - 2
接する点では傾きも等しい
STCはLTCと1点で接し、そこで短期の限界費用(SMC)と長期の限界費用(LMC)が等しくなります。ほかの生産量ではSTCのほうが上です。 - 3
LACはSACの最低点を結んだ線ではない
LACの最低点より左では、SACは自分の最低点より左で接し、右では最低点より右で接します。 - 4
LMCは包絡線ではない
LMCは各SMCと交わる線です。LACの最低点では、LAC・SAC・LMC・SMCの4つが等しくなります。
例で確かめる短期平均費用曲線と長期平均費用曲線を図で確かめる
- 短期:4個で接するSAC1と、12個で接するSAC3。資本の量ごとにU字の短期平均費用曲線がある
- 長期:下から包む線が長期平均費用曲線LACわかることSACの最低点を結んだ線ではない
- 接点:橙の点が接点、赤の点が最低点わかること左のSAC1は4個で接し最低点は右の約7.5個、右のSAC3は12個で接し最低点は左の約9.7個
- 最低点:LACの最低点E(8個)で接するSAC2はEが最低点わかることLAC・SAC2・LMC・SMC2(破線)の4つが等しい36円。SMC2の最低点はもっと低い
この図の長期総費用は で、LACの最低点Eは8個・36円です。
長期均衡の価格と企業の数
長期には、利潤が出る市場に企業が入り(参入)、損失が出る市場から出ていきます(退出)。出入りが止まるのは利潤0のときなので、参入・退出が自由で、どの企業も同じ費用関数をもつなら、長期の価格はLACの最低値になります。企業の数は、その価格での市場の需要量 ÷ 1社の生産量です。上の図の企業なら価格は36円で、市場の需要が なら需要量は 個、企業の数は 社です。
長期費用関数の求め方(資本を消す)
導き方: は資本1単位の値段、・ は式の中の数です。長期は、生産量ごとに が最も小さくなる を選びます。その所では を少し変えても が変わらないので、 で微分して0とおきます。 をべき乗の微分で とし、 の両辺に を掛けると上の式です。 はそのまま残ります。
例で確かめる短期総費用 STC=4K+25Q²÷K+3Q から長期総費用を求める
より で、係数と の両方の平方根を取って です。代入すると で、 です。生産量2個なら で最小の46()になります。
| 資本量 | 短期総費用 |
|---|---|
| 3 | 約51.3 |
| 5 | 46 |
| 8 | 50.5 |
長期費用と短期費用の例題
自分で解いてみる長期費用と短期費用の例題(包絡線)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 5
LACが右上がりの範囲では、接するSACも接点で右上がりなので、SACの最低点は接点より左です。つまり最低点より右側で接します。正解は5です。
| 選択肢 | 正しくはこう |
|---|---|
| 1 | 切片は資本の費用なので、資本が大きいほど高い |
| 2 | LACはSACを下から包む線。最低点で接するのはLACの最低点の1本だけ |
| 3 | 右下がりの範囲では、SACの最低点より左で接する |
| 4 | LMCはSMCと交わる線で、包絡線ではない |
タイプ5供給の価格弾力性
供給の価格弾力性の判定(接線と原点)
見分け方:縦軸が価格、横軸が数量の図に供給曲線があり、「点Aにおける供給の価格弾力性は1より大きい」のような文から選びます。曲線の問題では、点で接する破線が引かれています。
供給の価格弾力性は、価格が1%上がったとき供給量が何%増えるかです(詳しくは弾力性の解き方)。ここでは図での判定を使います。
なぜそうなるか原点と結ぶ線と、供給曲線の傾きを比べる
弾力性は(数量の変化 ÷ 数量)÷(価格の変化 ÷ 価格)です。並べ替えると(価格 ÷ 数量)÷(価格の変化 ÷ 数量の変化)になります。前の「価格 ÷ 数量」は原点とその点を結ぶ線の傾き、後ろは供給曲線の傾きです。供給曲線のほうがゆるやかなら1より大きく、急なら1より小さくなります。
- S1:縦軸の正の位置から出る直線わかること原点と結ぶ線(破線)より傾きがゆるやか。弾力性は1より大きい
- S2:原点から出る直線わかること原点と結ぶ線と重なる。どの点でも弾力性は1
- S3:横軸の正の位置から出る直線わかること原点と結ぶ線より傾きが急。弾力性は1より小さい
判定のしかた
- 1
直線は延長して軸との交わりを見る
縦軸(価格の軸)の正の位置と交われば1より大きい、原点を通れば1、横軸(数量の軸)の正の位置と交われば1より小さい。同じ直線の上なら、どの点でもこの区別は変わりません。 - 2
曲線はその点の接線で同じ判定
接線を延長して、縦軸・原点・横軸のどこを通るかを見ます。 - 3
2本が交わる点
傾きのゆるやかな曲線に沿って測ったほうが、弾力性は大きくなります。
例で確かめる曲線の供給曲線の3つの点
- 点A:接線の延長は縦軸の6円を通るわかること縦軸の正の位置から出る直線と同じで、弾力性は1より大きい(2.5)
- 点B:接線の延長は原点を通るわかること弾力性はちょうど1
- 点C:接線の延長は横軸の正の位置を通るわかること弾力性は1より小さい(約0.72)
供給曲線 の接線の傾きは です。点A(2個・10円)では、原点と結ぶ線の傾きが 、接線の傾きが2なので、弾力性は です。点Bでは接線が原点を通って1、点C(6個・26円)では原点と結ぶ線の傾き (約4.3)÷ 接線の傾き6 で約0.72です。
供給の価格弾力性の例題
自分で解いてみる供給の価格弾力性の例題(直線の供給曲線)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 3
価格30円の供給量は 個で、この点をEとします。原点とEを結ぶ線の傾きは です。供給曲線を価格で書くと なので、供給曲線の傾きは0.5です。弾力性は で、正解は3です。
供給曲線は縦軸の10円を通るので、どの点でも1より大きくなります。0.375は2つの傾きを割らずに掛けた値(0.75 × 0.5)、0.75は原点と結ぶ線の傾きだけ、2は供給関数の「価格1円で2個」だけ、 は数量 ÷ 価格を使って とした値です。
まとめ覚えることと間違いやすい点
覚えることの表
完全競争の企業で、AC・AVCがU字型、短期の固定費用はすべてサンク・コストの場合です。
| 点・線 | どこか | 価格がそこより低いと | 覚えること |
|---|---|---|---|
| 損益分岐点 | MCとACの交点(ACの最低点) | 利潤がマイナス | 利潤0。固定費用も入れて計算 |
| 操業停止点 | MCとAVCの交点(AVCの最低点) | 生産をやめる | 損失は固定費用ちょうど |
| 短期の供給曲線 | 操業停止点より上のMC | 供給量0 | 固定費用の大きさで変わらない |
| 長期均衡 | LACの最低点 | 退出が起きる | 価格=LMC=LAC、利潤0 |
よくある間違い
| 誤りの文 | 正しくはこう |
|---|---|
| 利潤が最大なのは価格=平均費用の生産量 | 価格=限界費用。価格=ACは利潤0の点 |
| 損益分岐点はAVCの最低点、操業停止点はACの最低点(またはMCの最低点) | 損益分岐点はAC、操業停止点はAVCの最低点。操業停止点の損失は固定費用ちょうど |
| 価格がACを下回れば、すぐ生産をやめる | 続けるかはAVCで決まる。AVCより高ければ続ける |
| 固定費用がサンク・コストなら、損益分岐点の計算からも外す | 外すのは生産をやめる判断だけ。損益分岐点はACで |
| 供給曲線の始まりの高さは固定費用で決まる | AVCの最低点で決まり、固定費用とは関係ない |
| 長期平均費用曲線はSACの最低点を結んだ線(LMCはSMCの包絡線) | LACはSACを下から包む線。LMCはSMCと交わる線 |
| 長期費用関数で、 から とする | 係数と の両方の平方根を取り、 |
| 弾力性は、供給曲線の傾きが急なほど大きい | 原点と結ぶ線と比べる。供給曲線のほうが急なら1より小さい |
次にやること
次に読む論点











