情報の非対称性とは・逆選択とモラルハザードの違い
30秒でわかる情報の非対称性
情報の非対称性は、取引する2人のうち一方だけが、品物の質や自分の働きぶりのような大事な情報を持っている状態です。完全競争の前提(だれもが同じ情報を持つ)が崩れるので、市場に任せても望ましい結果にならないことがあります(市場の失敗)。
逆選択
モラルハザード
対策の見分け方
先に読む論点不確実性
どの問題も「だれが情報を持つか」「契約の前か後か」「だれが動くか」の3つで判定します。
試験での出方
| 地方上級 | ★★ | 特別区Ⅰ類 | ★ |
|---|---|---|---|
| 市役所 | ★★ | 国家総合職 | ★★ |
| 国家一般職 | ★ | 国家専門職 | ★★ |
用語の正誤と、場面の説明から「逆選択か、シグナリングか」と用語を選ぶ問題が中心で、レモン市場や報酬の計算も出ます。
よく出るタイプ
情報の非対称性の問題は、次の4つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
基本の図情報を持つ側・持たない側の早見表
逆選択とモラルハザード、シグナリングとスクリーニングの違い(早見表)
2つの問題(現象)
| 逆選択 | モラルハザード | |
|---|---|---|
| いつ見えないか | 契約の前 | 契約の後 |
| 何が見えないか | 相手の性質(品質・能力・事故の起こりやすさ) | 相手の行動(努力・注意・手間) |
| 起きること | 見分けられない側が平均で値を付けるので、平均では割に合わない質の高い側が退き、質の低い側が残る | 見えないことにつけ込み、情報を持つ側の行動が、持たない側に不利な方へ変わる |
| 別の呼び方 | 逆淘汰・隠された情報。中古品の例はレモンの原理 | 道徳的危険・隠された行動 |
| 効く対策 | シグナリング・スクリーニング | モニタリング・成果に応じた報酬 |
表の見方:「加入した人」とあっても、見えないのが契約の前から持つ性質なら逆選択です。
対策と、動く側
| 対策 | 動く側 | 何をするか | 効く問題 |
|---|---|---|---|
| シグナリング | 情報を持つ側 | 費用のかかる行動で、自分の質の高さを示す | 逆選択 |
| スクリーニング | 情報を持たない側 | 相手の質を見分ける仕組み(審査・試験)を設ける | 逆選択 |
| 自己選択 | 持たない側が並べ、持つ側が選ぶ | 条件の違う契約を並べ、どれを選んだかで質を見分ける(スクリーニングの一つ) | 逆選択 |
| モニタリング | 情報を持たない側 | 契約の後の行動を見張る | モラルハザード |
| 成果に応じた報酬 | 情報を持たない側 | 結果に報酬を結びつけ、努力する理由を作る | モラルハザード |
表の見方:持つ側が動くのはシグナリングだけです。自己選択も、仕組みを作るのは持たない側です。
プリンシパル・エージェント関係では、仕事を任せる側が依頼人(プリンシパル)、任されて動く側が代理人(エージェント)です。働きぶりを知るのは代理人で、情報を持たない依頼人が契約の後の行動を見られないこと(モラルハザード)が問題になります。
場面で見分ける例
| 場面 | 用語 |
|---|---|
| 入居者の家賃の払い方を見分けられない保証会社が全員同じ保証料にすると、滞納しがちな人ほど申し込む | 逆選択 |
| 中古の着物の状態を買い手が見分けられず平均で値を付けると、状態の良い着物の持ち主ほど売りに出さない | 逆選択 |
| 医療保険で自己負担が無くなると、保険会社に見えないところで、軽い症状でも通院を増やす | モラルハザード |
| ワインの生産者が、費用をかけて品評会に出し、賞を受けたことを示す(味の劣るワインでは賞が取れない) | シグナリング |
| 出版社が、原稿を売り込む新人に、試しに短い原稿を書かせて採否を決める | スクリーニング |
| 保険会社が、自己負担の大きい安い契約と、自己負担の無い高い契約を並べて選ばせる | 自己選択(スクリーニング) |
| 工事の発注者が、現場に監督員を置いて作業を見回らせる | モニタリング |
| 営業担当の給料に、売上に応じた歩合を入れる | 成果に応じた報酬 |
表の見方:最後の文が現象(退く・行動が変わる)なら逆選択かモラルハザード、対策(示す・見分ける・見張る)なら対策の名前です。
タイプ1逆選択とモラルハザード
逆選択とモラルハザードの見分け方
見分け方:「情報の非対称性に関する記述として、妥当なのはどれか」で、用語の定義や「〜は逆選択の例である」という文が並びます。
なぜそうなるか逆選択で、質の高い側が先に退く理由
派遣会社が、家庭教師の力の高さを雇う前に見分けられないとします。力の高い先生と低い先生が半分ずついます。
| 先生 | ほかで得られる時給 | 平均の2400円を示されると |
|---|---|---|
| 力の高い先生 | 3000円 | 安すぎるので他社へ移る |
| 力の低い先生 | 1800円 | 得なので残る |
見分けられない会社は平均( 円)しか示せず、力の高い先生だけが退きます。
判定のしかた
- 1
だれが情報を持つかを決める
品質なら売り手、事故の起こりやすさなら加入者、働きぶりなら働く本人(代理人)です。持つ側と持たない側を入れ替えた文は誤りです。 - 2
契約の前の性質か、後の行動かを見る
前から持っている性質が見えないなら逆選択、契約した後の行動が見えないならモラルハザードです。名前だけ入れ替えた文がよく出ます。 - 3
だれが退き、だれが残るかを確かめる
逆選択で退くのは質の高い側、集まるのは条件の悪い側(保険なら事故の起こりやすい人、お金の貸し借りなら返済の不確かな借り手)です。向きを逆にした文は誤りです。 - 4
原因のすり替えを外す
モラルハザードの原因は道徳心ではなく、行動が見えないことです。
例で確かめる3つの場面を分ける
次のア〜ウを、逆選択かモラルハザードに分けます。
ア 失業給付を受けている人が、役所に見えないところで仕事探しの手を緩める。
イ スポーツのけがの保険を全員同じ掛け金で募ったところ、激しい競技をする人ほど加入した。
ウ ホテルの泊まり客が、ホテルの人の見ていない部屋で、備品を自分の家の物より雑に扱う。
3つを確かめる
| 情報を持つ側 | 前か後か | 用語 | |
|---|---|---|---|
| ア | |||
| イ | |||
| ウ |
- ア:仕事探しの熱心さを知るのは本人わかること給付を受け始めた後の行動が見えないので、モラルハザード
- イ:競技の激しさを知るのは加入者わかること「加入した」とあっても、見えないのは加入の前からの性質なので、逆選択
- ウ:扱い方を知るのは泊まり客わかること泊まった後の行動が見えないので、モラルハザード
逆選択とモラルハザードの例題
自分で解いてみる逆選択とモラルハザードの例題(場面の判定)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 2
正解は2です。平均の料金で割に合わない腕の良いデザイナーから退くので、逆選択です。
| 選択肢 | 前か後か | どこが誤りか |
|---|---|---|
| 1 | 後(行動) | 名前の入れ替え(正しくはモラルハザード) |
| 3 | 後(行動) | 原因は道徳心でなく見えないこと。見えれば防げる |
| 4 | 前(性質) | 向きが逆。品質の高いクラブほど売られなくなる |
| 5 | 後(行動) | 情報を持つのは弁護士(代理人)で、依頼者ではない |
タイプ2対策と、対策を講じる側
シグナリングとスクリーニングの違いと見分け方
見分け方:問題文に「対策」「シグナリング」「スクリーニング」「モニタリング」が出ます。場面をア〜エに並べ、用語の組合せを選ばせる形も多いです。
なぜそうなるかシグナルが質を伝えられる理由
料理店が「まずければ代金を返す」と約束します。1食2000円で100人が食べ、返金を求める人がおいしい店で2人、まずい店で30人とします。
| 店 | 返金の額 | 売上200000円のうち |
|---|---|---|
| おいしい店 | 4000円 | 2% |
| まずい店 | 60000円 | 30% |
まずい店には割に合わないので、約束するのはおいしい店だけになり、約束そのものが情報を伝えます。シグナルが働くのは、情報を持つ側の質によって費用が違い、質の低い側には真似できないときです。
判定のしかた
- 1
情報を持つ側を決める
質・能力・働きぶりを知っているのはだれかを決めます。 - 2
仕組みや行動を始めたのはだれかを見る
持つ側が自分から費用をかけて示すならシグナリング、持たない側が審査・試験・契約の組を設けるならスクリーニングです。記録を出すのが持つ側でも、出させたのが持たない側なら、前に見分けるためはスクリーニング、後の行動を見張るためはモニタリングです。 - 3
前に効くか、後に効くかを見る
前の性質に効くのはシグナリング・スクリーニング、後の行動に効くのはモニタリングと成果に応じた報酬です。効く問題を取り違えた文は誤りです。
例で確かめる3つの対策を分ける
次のア〜ウの対策を、だれが動いたかで分けます。
ア 新しい化粧品の会社が、「使い切った後でも、気に入らなければ全額返す」と約束した。品質の悪い化粧品で同じ約束をすると、返金がかさんで割に合わない。
イ 保険会社が、加入を申し込んだ人に健康診断の結果を出させ、その結果で加入を認めるか決めた。
ウ 本社が、支店の経理担当者が帳簿を正しく付けているかを、抜き打ちで調べることにした。
だれが動いたか
| 情報を持つ側 | 動いた側 | 用語 | |
|---|---|---|---|
| ア | |||
| イ | |||
| ウ |
- ア:品質を知るのは化粧品の会社わかること持つ側が自分から費用のかかる約束をしたので、シグナリング
- イ:健康状態を知るのは申し込んだ人わかること結果を出すのは本人でも、出させて見分けると決めたのは持たない保険会社なので、スクリーニング
- ウ:帳簿の付け方を知るのは経理担当者わかること持たない本社が、任せた後の行動を見張るので、モニタリング
シグナリングとスクリーニングの例題
自分で解いてみるシグナリングとスクリーニングの例題(場面の判定)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次のア〜ウの場面でとられている対策を、シグナリング、スクリーニング、モニタリングのいずれかで表したとき、その組合せとして妥当なのはどれか。
ア 自動車の整備工場は、整備の腕が悪いほど、整備した箇所がすぐにまた壊れることを知っている。腕に自信のある工場は、「整備から3か月以内に同じ箇所が壊れたら無料で直す」と店頭に掲げた。
イ レンタカー会社が、借り手の運転の慎重さを事前に見分けられないので、事故のときに自己負担がある安い補償と、自己負担の無い高い補償の2つを並べ、借り手がどちらを選ぶかで慎重さを見分けようとした。
ウ 学習塾の本部が、各教室の講師が決められたとおりに授業をしているかを確かめるため、担当者が抜き打ちで授業を見に行くことにした。
正解は 5
正解は5です。
| 場面 | 動いた側 | 用語 |
|---|---|---|
| ア | 腕を知る工場が、腕が悪いほど費用の増える約束 | シグナリング |
| イ | 慎重さを知らない会社が2つの補償を並べる | スクリーニング(自己選択) |
| ウ | 授業を見られない本部が後の行動を見張る | モニタリング |
1はアとイの動いた側が逆です。2はウを講師の選び分けと読んでいますが、見ているのは任せた後の授業です。3はアの約束を見張りと読んでいますが、約束したのは情報を持つ工場です。4はイを借り手が示したと読んでいますが、補償を並べたのは持たない会社です。
タイプ3レモン市場の計算
レモン市場の計算(良い品が売られる割合の下限)
見分け方:中古品の品質の高いもの・低いものについて「買い手の評価額・売り手の評価額」の表があり、品質の高いものの割合の最小値や、取引される品物と価格を聞かれます(品質の悪い中古車を英語で「レモン」と呼ぶのでレモン市場)。
なぜそうなるか良い品の割合が低いと、良い品が売られなくなる理由
金額は千円単位で書きます(30千円=3万円)。買い手にとっての価値(問題文の「買い手の評価額」)を買い手の額、売り手がそれ以上なら売る値段(「売り手の評価額」)を売り手の額と呼びます。中古の自転車で、良い品は買い手の額30千円・売り手の額22千円、悪い品は買い手の額14千円・売り手の額9千円とします。
- 買い手:品質を見分けられないので、良い品の割合に応じた平均(期待値)を払うわかること割合0%なら14千円、100%なら30千円で、その間はまっすぐ上がる
- 良い品:良い品の売り手は22千円以上でなければ売らないわかること悪い品の売り手は9千円以上で売るので、いつでも売る
- 下限:2本が交わる点Kの割合50%が境目わかること良い品の割合が50%以上なら、払う額が22千円以上になり、良い品も売られる
- 下回る:割合25%なら払う額は18千円(点A)わかること22千円に届かないので良い品は退き、買い手は悪い品だけと知って14千円しか払わない
図の見方:買い手は品質を見分けられないので、割合に応じた期待値(それぞれの値に割合を掛けて足した平均)を払います。それが右上がりの線です。水平な橙の線(良い品の売り手の額)との交点 K より右なら良い品も売られます。点 A(割合25%)では18千円で届かず、良い品が退くと買い手は14千円しか払いません。下の線(悪い品の売り手の額)より払う額はいつも上なので、悪い品はいつでも売られます。
解き方の手順
- 1
買い手が払う額を割合の式にする
良い品の割合()を使い、払う額 = 良い品の買い手の額 × + 悪い品の買い手の額 × 。 - 2
良い品の売り手の額以上とおく
払う額 ≧ 良い品の売り手の額、の不等式を について解くと、下限が出ます。 - 3
下回るなら出し直す
下限を下回ると良い品は退きます。残った品だけで払う額を出し直します(3種類以上のときは下の例のように繰り返します)。
品質が2種類で、買い手が期待値どおりに払い(危険中立的:ばらつきを気にせず期待値だけで判断する)、良い品の買い手の額が売り手の額より大きいときに使えます。分母は買い手の額どうしの差です。
例で確かめる中古の自転車で割合の下限と取引を出す
- 払う額は で、 より です。
- 割合75%なら 千円で、両方が26千円で売られます。
- 割合25%なら18千円で良い品は退き、悪い品だけが14千円で取引されます。
割合25%:両方が売られるとしたら18千円 → 22千円に届かず良い品は退く → 悪い品だけが14千円(点B)で売られる
図の見方:割合を動かすと点 A(両方が売られるとしたときの払う額)が動きます。点 A が橙の線より下なら良い品が退き、価格は点 B の14千円です。
品質が3種類なら、退く品が無くなるまで出し直します。
| 品 | 買い手の額 | 売り手の額 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 高い品 | 30千円 | 26千円 | 40% |
| 中程度の品 | 20千円 | 13千円 | 30% |
| 低い品 | 8千円 | 5千円 | 30% |
退く品が無くなるまで出し直す
| 残る品 | 払う額 | 比べると | |
|---|---|---|---|
| 1段目 | |||
| 2段目 |
- 1段目:3種類すべてわかること0.4に30、0.3に20、0.3に8を掛けて足すと20.4千円。高い品の売り手の26千円に届かず、高い品は退く
- 2段目:中程度と低い品わかること残りは30%と30%で同じなので、割り直すと半分ずつ。20と8の平均で14千円。中程度の売り手の13千円以上、低い品の売り手の5千円以上なので、どちらも売られ、ここで止まる
レモン市場の例題
自分で解いてみるレモン市場の例題(割合の下限)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 3
払う額は です。良い品の売り手は19千円以上で売るので、 より です。悪い品の売り手(5千円)は、払う額が9千円を下回らないのでいつでも売ります。正解は3です。
1は、良い品と悪い品の割合を逆に取り、 を解いた値です(これは悪い品の割合の上限です)。2は、悪い品の項に を掛け忘れ、 とした値です。4は、悪い品の買い手の額9と売り手の額5を取り違え、式の9をすべて5にした値()です。5は、悪い品の項を落として とした値です。
タイプ4成果に応じた報酬
成果に応じた報酬の決め方(参加制約・誘因両立制約)
見分け方:代理人が「努力する・しない」を選べるが依頼人には見えない設定で、成功の確率・努力の費用・留保効用(契約を断ってほかで得られる効用)が書いてあり、最適な契約や報酬の最低額を聞かれます。問題では報酬を 、効用を と書きます。
なぜそうなるか固定の報酬では努力しない理由
劇団がチケット販売を販売会社に任せます。完売の確率は、努力すれば 、しなければ 、努力の費用は15です。販売会社の満足の大きさ(効用)は報酬の額そのものとし、努力してもしなくても同じ(無差別)なら努力するものとします。
| 報酬(完売・売れ残り) | 努力したとき(費用を引く) | しないとき | 選ぶ行動 |
|---|---|---|---|
| 固定 45・45 | 45 | 努力しない | |
| 成果に応じる 65・15 | 努力する(無差別) |
固定では努力しても費用だけかかるので手を抜きます。成功と失敗の報酬の差()に、完売の確率の差()を掛けた分()が努力の費用15に届けば、努力するほうが損になりません。
期待報酬は各報酬に確率を掛けて足したもの、同じく効用で作ると期待効用です。依頼人の期待収入から報酬の期待値(期待支払い)を引いたものが期待利益です。2本の式は、代理人の効用が報酬そのもの()のときの形です。効用が のような形なら、報酬を先に効用に直し(報酬36なら )、制約は効用で、依頼人の支払いは金額で比べます。
解き方の手順
- 1
参加制約を確かめる
努力したときの期待効用から費用を引き、留保効用以上かを見ます。 - 2
誘因両立制約を確かめる
努力したとき(費用を引く)と、しないときの期待効用を比べます。 - 3
依頼人の期待利益で比べる
残った契約のうち、期待支払い(努力したときの確率で出す)が最も小さいものが最適です。失敗時の報酬が決まっていて、成功時の報酬の最低額を聞かれたら、2つの制約が求める値のうち大きいほうを答えます(両方とも決めるなら、2本を連立します)。
例で確かめる劇団のチケット販売で最適な契約を選ぶ
上の劇団は、完売すれば240、売れ残れば0の成果を得ます。販売会社の留保効用は25で、無差別なら契約を受け入れ、努力するものとします。次の4つの契約(完売時・売れ残り時の報酬)のうち、劇団の期待利益が最大のものを選びます。
4つの契約を確かめる
| 参加 | 誘因両立 | 劇団の利益 | |
|---|---|---|---|
| ア 65・15 | |||
| イ 52・28 | |||
| ウ 60・0 | |||
| エ 90・20 |
- 参加:努力したときの期待報酬から費用15を引き、25以上かわかることアは25、イは25、ウは15、エは40。ウだけが届かない
- 誘因両立:しないとき(完売の確率5分の1)と比べるわかることアは25、イは32.8、ウは12、エは34。イは努力しないほうが得
- 利益:期待収入から期待支払いを引くわかること努力すれば期待収入は240の2分の1で120。アは120−40=80、エは120−55=65。イは努力しなくても効用32.8が25以上なので受けて手を抜き、期待収入は240の5分の1で48、48−32.8=15.2。ウは努力しても15、しなくても12で25に届かず断られ、0
努力しないときの効用は、イなら のように出します。期待支払いはアが 、エが です。なお、和が80で差が50以上の契約(例:80・0)なら、どれもアと同じく最適です。
成果に応じた報酬の例題
自分で解いてみる成果に応じた報酬の例題(成功時の報酬)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
成功時の報酬を とします。誘因両立制約は で、確率の差は なので 、 です。参加制約は で、、 です。失敗時の報酬が決まっているので大きいほうの80が答えで、正解は4です。
1の50は、誘因両立制約だけで止めた値です。2の65は、参加制約で費用12を引き忘れた値()です。3の70は、答えの80と失敗時の10の差です。5の122は、参加制約を努力しないときの確率 で立てた値です。
まとめ覚えることと間違いやすい点
覚えることの表
| 問われること | 正しい結論 |
|---|---|
| 全員同じ保険料の保険に集まるのは | 事故の起こりやすい人 |
| 返済できるか見分けられない銀行が金利を上げると | 返済の確実な借り手ほど、高い金利では割に合わないので借りるのをやめ、返済の不確かな借り手が残る |
| レモン市場で比べる額 | 期待値と、良い品の売り手の額 |
よくある間違い
| 誤りの文 | 正しくはこう |
|---|---|
| 契約した後の手抜きは逆選択 | 契約の後の行動が見えないのはモラルハザード |
| モラルハザードは道徳心の低下が原因で、情報が対称でも起きる | 行動が見えないことが原因。見えれば起きない |
| 自己選択は、情報を持つ側が自分から性質を伝えること | 持たない側が並べた契約から、持つ側が選ぶ仕組み(スクリーニングの一つ) |
| シグナルの費用は、だれにとっても同じでなければならない | 質の低い側ほど費用が大きいから、質を伝えられる |
| レモン市場で、払う額(期待値)を良い品の買い手の額と比べる | 良い品の売り手の額と比べる。期待値のほうは、買い手の額に割合を掛けて作る |
| 良い品が退いたら、市場は止まる | 悪い品の買い手の額が売り手の額以上なら、悪い品だけが取引される |
| 報酬は誘因両立制約(または参加制約)だけで決める | 2つの制約を両方満たす。失敗時の報酬が決まっているなら、成功時の報酬の最低額は2つが求める値の大きいほう |











