資料解釈の円グラフとは・構成比と実数の公式
30秒でわかる円グラフ
円グラフは、全体を100%として、各項目が全体に占める割合(構成比)を扇の大きさで表した資料です。図に書いてあるのは構成比と全体の数(合計)だけで、各項目の実際の数(実数)は書いてありません。
実数
同じ年の2項目の比
2つの年の倍率(後の年÷前の年)
2つの円は同じ大きさで描かれますが、全体の数は年ごとに違います。上の図では2023年が20,000冊、2024年が25,000冊です。だから、違う年の構成比(%)どうしを比べても、実数の大小は分かりません。小説は 冊から 冊に増えています。
ことばを決めておきます。構成比どうしの差の単位はポイント(40.0%から36.0%なら4.0ポイント下がった)です。増加率は、前の年から何%増えたかです(増えた数÷前の年の実数×100)。指数は、前の年の実数を100としたときの値です。倍率は、後の年の実数が前の年の何倍かを表す数です。全体の比は、後の年の全体÷前の年の全体です。構成比の比は、その項目の後の年の構成比÷前の年の構成比です。
円グラフの問題の解き方:選択肢を3つに仕分ける
選択肢の言葉を見て、何が要るかで仕分けます。計算の軽いものから片づけます。タイプの番号は、下の「よく出るタイプ」のカードの番号です。
| 選択肢の言葉 | 要るもの | タイプ |
|---|---|---|
| 「全体に占める割合」「同じ年の鉄道に対するバスの比率」 | 構成比だけ | タイプ3(同じ年の2項目の比)・タイプ4の構成比の選択肢 |
| 「増加率」「指数」 | 全体の比と構成比の比 | タイプ2(増加率・指数) |
| 「増加している」「何人を上回る」「増加数」 | 実数(全体×構成比) | タイプ1(実数の増減) |
| 「〜の内訳」の円で人数や量を聞く | 全体×区分の構成比×内訳の構成比 | タイプ4(内訳の円) |
資料に書いていないこと(前の年の資料が無い、金額が無いなど)を聞く選択肢は、正しいとも誤りともいえないので、正解の候補から外します。分数の大小や掛け算の概算のしかたは、資料解釈の計算の技のページにまとめてあります。
試験での出方
| 特別区 | ★★★ | 国家総合職 | ★☆☆ |
|---|---|---|---|
| 国家一般職 | ★☆☆ | 国家専門職 | ★☆☆ |
| 地方上級 | —ほぼ出ていない | 東京都 | —ほぼ出ていない |
| 市役所 | —ほぼ出ていない | ||
特別区でよく出る単元です。2つの年の円グラフを並べ、増加率・指数・実数の増減を聞く形が中心です。国家公務員の試験では、円グラフが棒グラフや折れ線グラフと一緒に出ることもあります。
よく出るタイプ
円グラフの問題は、次の4つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
タイプ1実数の増減
円グラフの解き方(実数が増えたか・減ったか)
見分け方:選択肢に「前の年に比べて増加している」「減少しているのは〜のみである」「〜人を上回っている」「増加数」と書いてあります。構成比ではなく、実際の人数や量を聞いています。
解き方の手順
- 1
全体の比を出す
後の年の全体を前の年の全体で割ります。これを全体の比といい、どの項目にも同じだけ掛かります。 - 2
後の年の構成比に全体の比を掛ける
こうすると、前の年の全体を100としたとき、後の年のその項目がいくつにあたるかが出ます。前の年の構成比も「前の年の全体を100としたときの数」なので、2つをそのまま比べられます。 - 3
前の年の構成比と比べる
掛けた値のほうが大きければ増加、小さければ減少です。 - 4
実数そのものを聞かれたら最後に掛ける
「何人を上回る」は、全体×構成比をその選択肢だけ計算します。
例で確かめる観光客の交通手段
ある市を訪れた観光客の交通手段別構成比(単位:%)です。括弧内は各年の観光客の合計です。それぞれの交通手段の人数は、2023年から2024年に増えたでしょうか。
全体の比は です。2024年の構成比を1.125倍して、2023年の構成比と比べます。
2024年の構成比を1.125倍して比べる
| 2023年 | 2024年 | 1.125倍 | 増減 | |
|---|---|---|---|---|
| 鉄道 | 35.0 | 32.0 | ||
| バス | 20.0 | 16.0 | ||
| 自家用車 | 30.0 | 36.0 | ||
| その他 | 15.0 | 16.0 |
- 鉄道:32.0の1.125倍は36.0わかること2023年の35.0より大きいので増加。構成比は下がっても、人数は増えています
- バス:16.0の1.125倍は18.0わかること2023年の20.0より小さいので減少
- 自家用車:36.0の1.125倍は40.5わかること30.0より大きいので増加
- その他:16.0の1.125倍は18.0わかること15.0より大きいので増加
実数で確かめると、鉄道は 人から 人に増えています。
増加数も表から出せます。表の「1.125倍」の値は、2023年の全体(48,000人)を100としたときの数です。だから、そこから2023年の値を引いた差に、2023年の全体の1%( 人)を掛けると、増えた人数が出ます。自家用車は 人、その他は 人です。増加数の大小だけなら、引き算の結果(10.5と3.0)を比べれば足ります。
円グラフの例題:実数の増減
自分で解いてみる円グラフの例題1(実数の増減)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 3
全体の比は です。全体が減っているので、構成比が上がっていても出荷量が減ることがあります。
1:りんごは で、2022年の36.0より小さいので減少です。構成比が36.0から40.0に上がったことだけを見ると、増えたと読んでしまいます。2:ぶどうも で、20.0より小さいので減少です。
3:みかんは トンで、2,400トンを上回ります。正解は3です。
4:みかんは トンから2420トンへ、ももは トンから トンへ減っています。減少量はみかんが トン、ももが トンで、みかんのほうが大きくなります。構成比の下がり幅(もも3.5ポイント、みかん3.0ポイント)で比べると、逆に見えてしまいます。5:資料は出荷量(重さ)だけで、1トンあたりの値段が無いので、出荷額は判断できません。
出荷量の実数(全体×構成比)
| 2022年 | 2023年 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| りんご | 4,500 | 4,400 | 減少 |
| みかん | 3,125 | 2,420 | 減少 |
| ぶどう | 2,500 | 2,475 | 減少 |
| もも | 2,375 | 1,705 | 減少 |
タイプ2増加率・指数
円グラフの解き方(増加率・指数)
見分け方:選択肢に「対前年増加率」「増加率が最も大きいのは」「2023年を100としたときの指数」と書いてあります。
解き方の手順
- 1
全体の比を出す
後の年の全体÷前の年の全体。 - 2
構成比の比を出す
その項目の、後の年の構成比÷前の年の構成比。 - 3
掛けて倍率にする
倍率=全体の比×構成比の比です。増加率は(倍率−1)×100で%にします(1.375倍なら37.5%増)。指数は倍率×100です(1.375倍なら137.5)。 - 4
大小だけなら構成比の比で比べる
全体の比はどの項目にも同じだけ掛かるので、項目どうしの増加率の大小は、構成比の比の大小だけで決まります。
例で確かめる観光客の交通手段(同じ資料)
タイプ1と同じ資料で、2023年を100としたときの2024年の指数を出します。全体の比は1.125です。
倍率=全体の比1.125と構成比の比を掛けた数
| 構成比の比 | 倍率 | 指数 | |
|---|---|---|---|
| 自家用車 | |||
| その他 | |||
| 鉄道 | |||
| バス |
- 自家用車:36.0÷30.0=1.2わかること倍率は1.125×1.2=1.35なので、指数は135(35%増)
- その他:16.0÷15.0は約1.067わかること倍率は1.125×16÷15=1.2なので、指数は120(20%増)
- 鉄道:32.0÷35.0は約0.914わかること倍率は約1.029なので、指数は約103(約2.9%増)
- バス:16.0÷20.0=0.8わかること倍率は1.125×0.8=0.9なので、指数は90(10%減)
左の列(構成比の比)の大きい順と、右の列(指数)の大きい順は同じです。「増加率が最も大きいのはどれか」なら、構成比の比だけ比べれば答えが出ます。
円グラフの例題:増加率・指数
自分で解いてみる円グラフの例題2(増加率・指数)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 2
全体の比は です。
1:語学の倍率は で、指数は112.5です。構成比の比0.9だけを見て90とすると、100を下回ると読んでしまいます。
2:料理は 倍で、増加率は37.5%です。35%を上回るので、正解は2です。
3:構成比の比は、パソコンが で約1.147となり、料理の1.1より大きいので、増加率が最も大きいのはパソコンです。2023年度の構成比が大きい料理を選ぶと誤ります。4:健康は構成比が25.0から24.0に下がりましたが、人数は 人から 人に増えています。5:歴史の構成比の比は で、倍率は 、指数は118.75です。全体の比1.25だけを見て125とすると、120を上回ると読んでしまいます。
倍率=全体の比1.25と構成比の比を掛けた数
| 構成比の比 | 倍率 | 指数 | |
|---|---|---|---|
| 語学 | 0.9 | 1.125 | 112.5 |
| 料理 | 1.1 | 1.375 | 137.5 |
| 健康 | 0.96 | 1.2 | 120 |
| 歴史 | 0.95 | 1.1875 | 118.75 |
| パソコン | 約1.147 | 約1.433 | 約143.3 |
タイプ3同じ年の2項目の比
円グラフの解き方(同じ年の2項目の比)
見分け方:選択肢に「2024年についてみると、鉄道に対する自家用車の比率は」のように、同じ年の中の2つの項目の比が書いてあります。
解き方の手順
- 1
割る向きを決める
「鉄道に対する自家用車の比率」は、自家用車÷鉄道です(「〜に対する」の側で割る)。 - 2
構成比どうしで割る
同じ年の2項目は全体が同じです。実数(全体×構成比)どうしで割っても、全体は分子と分母の両方にあるので約分で消えます。だから、実数に直さず構成比どうしを割ります。 - 3
2つの年の比率を比べるときも構成比だけ
年ごとに構成比どうしで比率を出し、その2つを比べます。全体の数は使いません。
例で確かめる観光客の交通手段(同じ資料)
タイプ1と同じ資料で、鉄道に対する自家用車の比率を出します。
2024年の実数は、自家用車が 人、鉄道が 人です。
実数で割っても、構成比で割っても同じ
| 自家用車 | 鉄道 | 比率(自家用車÷鉄道) | |
|---|---|---|---|
| 2024年の実数 | 19,440人 | 17,280人 | 1.125 |
| 2024年の構成比 | 36.0 | 32.0 | 1.125 |
| 2023年の構成比 | 30.0 | 35.0 | 約0.857 |
2024年は実数で割っても()、構成比で割っても()、1.125で同じです。2023年は で約0.857なので、鉄道に対する自家用車の比率は2023年より2024年のほうが大きくなっています。
円グラフの例題:同じ年の2項目の比
自分で解いてみる円グラフの例題3(同じ年の2項目の比)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 1
1:県外に対する市内の比率は、市内÷県外です。 は約1.33なので、1.30を上回ります。正解は1です。
2:県内に対する県外の比率は、県外÷県内です。 は約0.74なので、0.75を下回ります。割る向きを逆にすると になり、上回ると読んでしまいます。3:2024年は 、2023年は で、2024年のほうが小さくなります。県内の構成比が27.0から28.0に上がったことだけを見ると誤ります。
4:これはタイプ1の選択肢です。市内は 人から 人で、減少しています。5: なので、1.3倍を上回りません。
選択肢ごとの計算(同じ年の比は構成比どうしで割る)
| 式 | 値 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| 選択肢1 | 32.0÷24.0 | 約1.33 | 正しい |
| 選択肢2 | 20.0÷27.0 | 約0.74 | 誤り |
| 選択肢3 | 28.0÷16.0と27.0÷15.0 | 1.75と1.8 | 誤り |
| 選択肢5 | 40.0÷32.0 | 1.25 | 誤り |
タイプ4構成比と内訳の円
円グラフの解き方(構成比・内訳の円)
見分け方:選択肢に「全体に占める割合は〜%を超えている」「いずれの項目も〜%を下回っている」「〜ポイント下回っている」と書いてあります。または、2つ目の円の見出しが「〜の内訳」になっていて、1つ目の円の1つの区分を、さらに分けた構成比を表しています。
解き方の手順
- 1
構成比の選択肢は計算せずに読む
「全体に占める割合」は図の数そのもの。ポイントは構成比どうしの引き算です。 - 2
内訳の円は、まず区分の実数を出す
区分の実数=全体×区分の構成比。内訳の円の100%は、この区分の実数です。 - 3
内訳の項目は構成比を2回掛ける
内訳の項目の実数=区分の実数×内訳の構成比。全体に占める割合=区分の構成比×内訳の構成比。
例で確かめるごみの収集量と資源ごみの内訳
ある市のごみの収集量の種類別構成比と、そのうち資源ごみの内訳の構成比(単位:%)です。紙類は何トンで、全体の何%でしょうか。
内訳の項目は構成比を2回掛ける
| 計算 | 実数 | 全体に占める割合 | |
|---|---|---|---|
| 資源ごみ | |||
| 紙類 | |||
| 不燃ごみ |
- 資源ごみ:80,000×0.25わかること20,000トン。これが下の円の100%にあたります
- 紙類:20,000×0.44わかること8,800トン。全体に占める割合は0.25×0.44=0.11で11.0%
- 不燃ごみ:80,000×0.30わかること24,000トンで、紙類の8,800トンより多い
下の円は上の円と同じ大きさで描かれていますが、下の円の大きさは資源ごみの量を表していません。紙類の扇(44.0)は不燃ごみの扇(30.0)より大きく見えますが、実数は不燃ごみのほうが多くなります。
円グラフの例題:構成比と内訳の円
自分で解いてみる円グラフの例題4(構成比と内訳の円)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 2
就職した人は 人で、これが下の円の100%にあたります。
1:全体に占める製造業は で15%なので、20%を上回りません。内訳の30.0%をそのまま全体の割合と読むと誤ります。2:情報通信は 人で、280人を上回ります。正解は2です。
3:製造業は 人、進学は 人で、進学のほうが多くなります。30.0と25.0の数字をそのまま比べると、製造業が多いと読んでしまいます。4:2023年3月の資料が無いので判断できません。5: 人で、700人を上回りません。就職の50%を掛け忘れて 人とすると、上回ると読んでしまいます。
人数(内訳は就職1,200人をもとに計算)
| 計算 | 人数 | |
|---|---|---|
| 就職 | 2,400×0.50 | 1,200人 |
| 製造業 | 1,200×0.30 | 360人 |
| 情報通信 | 1,200×0.25 | 300人 |
| 公務 | 1,200×0.20 | 240人 |
| サービス | 1,200×0.25 | 300人 |
| 進学 | 2,400×0.25 | 600人 |
| その他 | 2,400×0.25 | 600人 |
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
構成比が下がった=減った、と読む
全体が増えていれば、構成比が下がっても実数は増えることがあります。逆に全体が減っていれば、構成比が上がっても実数は減ることがあります(例題1のりんご)。
鉄道:構成比は下がったが人数は増えた
| 全体 | 構成比 | 人数 | |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 48,000人 | 35.0% | 16,800人 |
| 2024年 | 54,000人 | 32.0% | 17,280人 |
ポイントの差を増加率と思う
観光客の交通手段の例で、その他の構成比は15.0%から16.0%へ、1.0ポイント上がっただけです。しかし人数は 人から 人で、20%増えています。「1.0ポイント上がった」と「1%増えた」は別のことです。
増加数と増加率を取り違える
増加数は引き算、増加率は割り算です。例題2では、料理は 人から 人へ240人増え、パソコンは 人から 人へ208人増えています。増加数は料理のほうが多いのに、増加率は料理37.5%、パソコン約43.3%で、パソコンのほうが大きくなります。
内訳の円の構成比を、全体に対する構成比と思う
内訳の円の100%は、全体ではなく1つの区分です。ごみの例の紙類は、資源ごみの44.0%ですが、全体では で11.0%です。
時間と捨てる判断
- 1問2〜3分が目安です。構成比だけで決まる選択肢(全体に占める割合・同じ年の2項目の比)を先に判定すると、計算する選択肢が減ります。
- 増加率・指数は、全体の比と構成比の比を掛けるだけで済みます。実数をすべて出す必要はありません。
- 判定の基準の数(「120を上回る」の120など)に近いときだけ細かく計算し、離れていれば概算で打ち切ります。概算のしかたは資料解釈の計算の技を見てください。
- ほかの選択肢で正解が決まったら、判定が際どい選択肢を深追いしなくてかまいません。
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