帯グラフとは・構成比と実数の公式
30秒でわかる帯グラフ
帯グラフは、全体を100%とした1本の帯を項目ごとに区切り、構成比(全体に占める割合)を表したグラフです。試験では年ごとの帯が縦に並び、各年の合計が括弧の中に書いてあります。構成比ではない実際の台数や人数を実数といいます。
実数に戻す
同じ年の2項目
違う年の同じ項目
図の数は構成比なので、そのままでは「何台」か分かりません。たとえば2023年のエアコンは、合計1,000千台(100万台)の40.5%なので 千台(40万5千台)です。
構成比どうしの差は「ポイント」で表します。エアコンは45.0%から40.5%になったので「4.5ポイント下がった」で、「4.5%減った」とは別のものです(タイプ3で扱います)。
1つの年だけの割合を円で表すのが円グラフ、年ごとの帯を並べて変化を見るのが帯グラフです。円グラフは 資料解釈(円グラフ)の解き方 で扱います。
試験での出方
| 東京都 | ★★★ | 国家一般職 | ★★☆ |
|---|---|---|---|
| 特別区 | ★★☆ | 国家総合職 | ★☆☆ |
| 国家専門職 | ★☆☆ | 地方上級 | ★☆☆ |
| 市役所 | ★☆☆ | ||
東京都では構成比の資料がとくによく出ます。どの受験先でも、5つの選択肢から「正しくいえるのはどれか」を選ぶ形がほとんどです。
よく出るタイプ
帯グラフの選択肢は、次の4つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
資料解釈の帯グラフの解き方:選択肢を仕分ける
帯グラフの問題は、5つの選択肢を合計を使うかどうかで仕分けると速く解けます。
| 選択肢の言い方 | 使うもの | 重さ |
|---|---|---|
| 構成比が最も高い・2項目の構成比を足した値・同じ年の「洗濯機に対するエアコンの比率」 | 図の構成比だけ | 軽い |
| 違う年の同じ項目が「増加・減少」「何人以上多い」 | 構成比と合計 | 中くらい |
| 増加率・指数・年平均・累計 | 構成比と合計(何年分も) | 重い |
増加率・指数・累計・年平均の意味は、タイプ3とタイプ4で説明します。軽い選択肢から確かめ、正しいものが見つかったら重い選択肢は計算しないで済ませます。割り算を速くする概算の技は 資料解釈(計算の技)の解き方 にまとめています。
タイプ1構成比と同じ年の比率
帯グラフの読み取り方(構成比と同じ年の比率)
見分け方:選択肢に「構成比が最も高いのは」「エアコンと洗濯機の割合を足すと」「洗濯機に対するエアコンの比率は、いずれの年も」と書いてあります。どれも1つの年の中で比べるか、構成比そのものを比べる言い方です。「洗濯機に対するエアコンの比率」は、エアコンの数を洗濯機の数で割った値(エアコンが洗濯機の何倍か)です。
解き方の手順
- 1
合計がいらないことを確かめる
構成比そのものの大小と、同じ年の2項目の比は、合計を使わずに判断できます。同じ年なら合計が共通なので、実数の比は構成比の比と同じです。 - 2
割り算をせず、比率の数を掛けて比べる
「洗濯機に対するエアコンの比率は1.8を上回る」なら、洗濯機の構成比を1.8倍して、エアコンの構成比と比べます。 - 3
「いずれの年も」は全部の年を見る
1つの年でも外れれば誤りです。逆に、正しいと言うには全部の年を確かめます。
例で確かめる洗濯機に対するエアコンの比率
はじめにの家電メーカーの図で、「洗濯機に対するエアコンの出荷台数の比率は、いずれの年も1.8を上回っている」は正しいでしょうか。
洗濯機の構成比を1.8倍して、エアコンと比べる
| エアコン | 洗濯機 | 洗濯機の1.8倍 | |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 45.0 | 15.0 | |
| 2023年 | 40.5 | 20.5 | |
| 2024年 | 42.5 | 20.0 |
- 2022年:15.0の1.8倍は27.0わかることエアコンの45.0のほうが大きい
- 2023年:20.5の1.8倍は36.9わかることエアコンの40.5のほうが大きい
- 2024年:20.0の1.8倍は36.0わかることエアコンの42.5のほうが大きいので、3年とも1.8を上回る
合計(800・1,000・960)は1度も使っていません。2023年を実数で計算しても、エアコン405千台・洗濯機205千台で 、構成比で と同じ割り算になり、どちらも約1.98です。
帯グラフの例題1:構成比と同じ年の比率
自分で解いてみる帯グラフの例題1(構成比と同じ年の比率)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図は、ある地域のホテルの宿泊者数の目的別構成比の推移を表したものである。この図から正しくいえるのはどれか。
(注)括弧内の数値は、各年の宿泊者数の合計(単位:人)である。
正解は 2
2は、出張の構成比を1.6倍して観光と比べます。下の表のとおり4年とも観光のほうが大きいので、正しいです。
2021年と2023年は差が小さいので、ここだけは概算せずに掛けます。2021年は で観光の42.0がわずかに大きく、2023年は で観光の43.0がわずかに大きいです。下の表で色の付いたマスが、この差の小さい2つの年です。
1は誤りです。観光が最も低いのは2021年の42.0です。2023年の43.0は前年の44.5より下がっただけで、「前年より下がった年」と「最も低い年」を取り違えると選んでしまいます。3は2024年が で40%に届きません。5は2023年が前年より下がっています。
4は、帰省の構成比が18.0から15.5に下がったのを見て「減少」と思うと選んでしまう選択肢です。合計が12,000人から16,000人に増えているので、実数は 人から 人に増えています(年をまたぐ比べ方はタイプ2)。
出張の1.6倍と観光を比べる
| 観光 | 出張 | 出張の1.6倍 | |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 42.0 | 26.0 | 41.6 |
| 2022年 | 44.5 | 25.0 | 40.0 |
| 2023年 | 43.0 | 26.5 | 42.4 |
| 2024年 | 46.0 | 24.0 | 38.4 |
タイプ2年をまたぐ実数の比較
帯グラフの実数の比べ方(年をまたぐ比較)
見分け方:選択肢に「2024年における帰省の宿泊者数は、2021年における帰省の宿泊者数に比べて増加している」のように、2つの違う年が出てきて、同じ項目の人数や売上高を比べていれば、このタイプです。同じ年の2項目の差(「野菜の売上高は果物の売上高を300万円以上上回る」)のように、比ではなく差を聞いているときもこのタイプです。
解き方の手順
- 1
構成比だけで決めない
年が違うと合計が違うので、構成比が下がっても実数が増えることがあります。 - 2
構成比の比と合計の比を掛ける
実数は 合計 × 構成比 なので、実数が何倍になったかは(後の年の構成比 ÷ 前の年の構成比)×(後の年の合計 ÷ 前の年の合計)で出ます。これが1より大きければ増加、小さければ減少です。 - 3
きわどいときだけ実数を出す
掛けた値が1に近いときは、合計 × 構成比で両方の実数を出して比べます。 - 4
同じ年の差は構成比の差から出す
同じ年の野菜と果物の売上高の差は、合計 ×(野菜の構成比 − 果物の構成比)÷ 100 で出ます。
例で確かめるエアコンの構成比は下がったのに
家電メーカーの図で、エアコンの構成比は2022年の45.0%から2023年の40.5%に下がりました。エアコンの出荷台数は減ったでしょうか。
構成比の比は 、合計の比は です。掛けると で1より大きいので、増えています。実数で確かめると、360千台から405千台に増えています。
帯グラフの例題2:年をまたぐ実数の比較
自分で解いてみる帯グラフの例題2(年をまたぐ実数の比較)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図は、ある農産物直売所の売上高の品目別構成比の推移を表したものである。この図から正しくいえるのはどれか。
(注)括弧内の数値は、各年の売上高の合計(単位:万円)である。
正解は 3
3は、構成比の比が 、合計の比が です。掛けると で、分子の12.1が分母の12より大きいので、1をわずかに上回ります。念のため実数を出すと、2021年は 万円、2022年は 万円で、増加しています。正しいです。
1は、野菜の構成比が43.0から38.0に下がったのを見て選んでしまう選択肢です。実数は860万円から950万円に増えています。2は、果物の構成比が最も低いのが2022年(24.0)なので、構成比のまま読むと選んでしまいます。実数で最も少ないのは2020年の500万円です。
4は2022年のその他が308万円で、前年の336万円を下回ります。5は、差を 合計 ×(野菜の構成比 − 果物の構成比)÷ 100 で出すと、2023年は 万円で、300万円に届きません。
品目ごとの売上高(合計に構成比を掛けた値・万円)
| 野菜 | 果物 | 加工品 | その他 | |
|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 860 | 500 | 360 | 280 |
| 2021年 | 960 | 624 | 480 | 336 |
| 2022年 | 880 | 528 | 484 | 308 |
| 2023年 | 950 | 700 | 500 | 350 |
タイプ3増加率と指数
帯グラフの増加率と指数の求め方
見分け方:選択肢に「対前年増加率は10%を上回っている」「2019年における機械の取扱量を100としたとき、2022年の指数は」と書いてあります。増加率は前の年から何%増えたか、指数は基準の年を100としたときの値です。
ここでいう倍率は、後の年の実数が前の年の実数の何倍かを表す数です。
項目の倍率
解き方の手順
- 1
基準の年を確かめる
増加率は「前の年」、指数は「100とおいた年」が割る側(基準)です。逆にすると別の値になります。 - 2
倍率を出す
構成比の比と合計の比を掛けます。実数を2回出して割るより軽く済みます。 - 3
聞かれている形に直す
指数は 倍率 × 100、増加率は 倍率 − 1 です(1.2倍なら指数120、増加率20%)。
例で確かめる冷蔵庫の指数と増加率
家電メーカーの図で、2022年の冷蔵庫を100としたときの2023年の指数と、2024年の冷蔵庫の対前年増加率を出します。
構成比の比と合計の比を掛ける
| 構成比の比 | 合計の比 | 倍率 | 答え | |
|---|---|---|---|---|
| 指数 | ||||
| 増加率 |
- 指数:2022年が基準わかること構成比は24.0÷25.0=0.96、合計は1,000÷800=1.25。掛けて1.2倍なので指数は120
- 増加率:前年の2023年が基準わかること構成比は22.5÷24.0=0.9375、合計は960÷1,000=0.96。掛けて0.9倍なので、増加率は0.9−1でマイナス10%(10%減)
実数で確かめると、冷蔵庫は200千台 → 240千台 → 216千台で、指数120、2024年は で10%減です。
帯グラフの例題3:増加率と指数
自分で解いてみる帯グラフの例題3(増加率と指数)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図は、ある港の貨物取扱量の品目別構成比の推移を表したものである。この図から正しくいえるのはどれか。
(注)括弧内の数値は、各年の貨物取扱量の合計(単位:千トン)である。
正解は 4
4は、構成比の比が 、合計の比が です。掛けると で1.2倍、増加率は で20%です。15%を上回るので正しいです。
2は、化学製品の構成比が21.0から23.0へ「2ポイント」上がったのを「2%くらい増えた」と読むと選んでしまいます。倍率は で約1.168、増加率は約16.8%です。
3は、合計の増加数が2021年()も2022年()も60千トンで同じなので迷う選択肢です。増加率は前の年の合計で割るので、2021年は で約0.071(約7.1%)、2022年は で約0.067(約6.7%)です。2020年は (5%)なので、最も大きいのは2021年です。
1は、機械の構成比が35.0で同じなので、倍率は合計の比 だけで決まり、指数は120です。5は で約1.083、指数は約108です。
選択肢ごとの倍率(構成比の比と合計の比を掛ける)
| 構成比の比 | 合計の比 | 倍率 | |
|---|---|---|---|
| 選択肢1(機械) | 1 | 1.2 | 1.2 |
| 選択肢2(化学製品) | 23/21 | 16/15 | 約1.168 |
| 選択肢4(食料品) | 1.12 | 15/14 | 1.2 |
| 選択肢5(その他) | 18/19 | 8/7 | 約1.083 |
タイプ4年平均と累計
帯グラフの年平均と累計の求め方
見分け方:選択肢に「2020年から2024年までの5か年における団体の利用者数の累計は」「年平均は」と書いてあります。累計は何年分かを足した値、年平均は累計を年数で割った値です。
解き方の手順
- 1
合計か項目かを見分ける
合計の累計・年平均は、括弧の数を足すだけで済みます。項目の累計は、年ごとに 合計 × 構成比 を出して足します。 - 2
年数を数える
「2020年から2024年まで」は両端を入れて5年です。 - 3
基準の数との差で比べる
「年平均は4,200を上回るか」なら、各年の値から4,200を引いた差を足し、プラスなら上回ります(この4,200を仮の平均と呼びます)。 - 4
構成比が毎年同じ項目はまとめて掛ける
構成比が毎年同じなら、項目の累計 = 合計の累計 × 構成比 です。
例で確かめる家電メーカーの3年分
家電メーカーの図で、3年間の合計の年平均と、洗濯機・その他の累計を出します。年平均は、3年の合計(800・1,000・960)の真ん中あたりのきりのよい数として900を仮の平均にし、そこからの差で求めます。
3年分を足す(単位:千台)
| 合計 | 900との差 | 洗濯機 | その他 | |
|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 800 | |||
| 2023年 | 1,000 | |||
| 2024年 | 960 | |||
| 3年の累計 | 2,760 |
- 仮の平均:900との差を足すわかること−100+100+60=+60。3年で割ると+20なので、年平均は900+20=920
- 洗濯機:年ごとに戻して足すわかること800×0.15=120、1,000×0.205=205、960×0.20=192。累計は517
- その他:毎年15.0%わかること合計の累計2,760に0.15を掛けて414(120+150+144と同じ)
帯グラフの例題4:年平均と累計
自分で解いてみる帯グラフの例題4(年平均と累計)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図は、ある市民プールの利用者数の区分別構成比の推移を表したものである。この図から正しくいえるのはどれか。
(注)括弧内の数値は、各年の利用者数の合計(単位:人)である。
正解は 5
5は、団体の構成比が5年とも14.0%なので、合計の累計にまとめて掛けられます。合計の累計は 人で、団体の累計は 人です。2,800人を上回るので正しいです。
1は、各年の合計から4,200を引いた差を足すと でマイナスなので、年平均は4,200人を下回ります( なので、年平均は 人です)。5年ではなく4で割ると になり、上回ると誤って選んでしまいます。2は、高齢者の構成比が毎年上がっているのを見て選んでしまう選択肢です。2023年は 人で、2022年の 人より少なくなっています。
3と4は、年ごとに戻して足すと、一般が8,853人、高校生以下が5,469人で、どちらも誤りです。
区分ごとの利用者数(合計に構成比を掛けた値・人)
| 合計 | 一般 | 高校生以下 | 高齢者 | 団体 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 3,500 | 1,610 | 875 | 525 | 490 |
| 2021年 | 3,800 | 1,672 | 988 | 608 | 532 |
| 2022年 | 4,500 | 1,845 | 1,260 | 765 | 630 |
| 2023年 | 4,200 | 1,806 | 1,050 | 756 | 588 |
| 2024年 | 4,800 | 1,920 | 1,296 | 912 | 672 |
| 累計 | 20,800 | 8,853 | 5,469 | 3,566 | 2,912 |
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
構成比のまま、違う年の実数を比べる
構成比が下がっても、合計が増えていれば実数は増えることがあります。家電メーカーのエアコンは45.0%から40.5%に下がりましたが、台数は360千台から405千台に増えました。年が違えば、必ず合計の比も掛けます。
同じ年の2項目の比まで、実数に戻してしまう
同じ年なら合計が共通なので、比率は構成比の比で済みます。実数に戻すと掛け算が2回増えるだけで、答えは変わりません。
ポイントとパーセントを取り違える
化学製品の構成比 21.0% → 23.0%(例題3)
| 値 | 意味 | |
|---|---|---|
| 構成比の差 | 2ポイント | 構成比どうしの引き算 |
| 実数の増加率 | 約16.8% | 前の年の実数から何%増えたか |
合計が書いていない図で、実数を計算しようとする
括弧の中の合計が書いていない帯グラフでは、実数も、実数の増減・増加率・指数も分かりません。そうした選択肢は「この図からは判断できない」ので、正しいとはいえません。分かるのは、構成比そのものと同じ年の2項目の比だけです。
年数を数え間違える
「2020年から2024年まで」は5年です。 で割ると、年平均を大きく見積もってしまいます。
時間と捨てる判断
- 資料解釈は1問3分前後が目安です。構成比だけで判断できる選択肢は30秒ほどで片づけましょう。
- 5つすべてを細かく計算する必要はありません。軽い選択肢から確かめ、正しいものが見つかれば残りは確かめなくても答えは決まります。
- 増加率・指数・累計の選択肢は、まず概算で「明らかに上回る・下回る」かを見ます。差が小さく決まらないときだけ丁寧に計算します。
- 迷ったら「この選択肢は合計を使うか」に戻りましょう。どのタイプでもここから計算の道筋が決まります。
次にやること
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