位相とは・一筆書きの条件
30秒でわかる位相
位相は、図の点と線のつながり方だけを見る単元です。線の長さや角度、まっすぐかどうかは関係しません。試験では主に、一筆書き(筆を紙から離さず、すべての線をちょうど1回ずつなぞって描くこと。同じ点は何度通ってもよい)ができるかを問います。
一筆書きできる条件
始めと終わり
線の数が1・3・5…本の点を奇点、2・4…本の点を偶点と呼びます。線1本には端が2つあるので、全部の点の線の数を足すと、線の本数のちょうど2倍(偶数)になります。奇数を奇数個足すと合計は奇数になってしまうので、合計が偶数になるには奇点の数も偶数でなければなりません。だから奇点の数はいつも偶数で、1個や3個にはなりません。
「図がつながっている」とは、どの点からも線をたどって、ほかのすべての点へ行けることです。図に黒丸が無いところで線が交わって見えても、そこは点ではありません。そこで別の線へ乗り換えることはできません。
位相とは:つながり方が同じ図形の見分け方
位相では、図をゴムでできたものと考えます。切ったり貼ったりせずに、伸ばしたり曲げたりして重なる2つの図は「つながり方が同じ図」です。見分けるときは、次の順にくらべ、1つでも合わなければ違う図です。
- 点の数と線の数
- 点ごとの線の数の並び(「4本の点が1つ、2本の点が4つ」など)
- 線の数が同じ点どうしを対応させて、それぞれがどの点とつながっているか(例:4本の点が、2本の点のどれとつながっているか)
元の図(左)と右の図は、どちらも点5・線6で、比べ方の1番目は同じです。それでも比べ方の2番目の線の数の並びが「4本が1つ、2本が4つ」と「3本が2つ、2本が3つ」で違うので、つながり方は違います。真ん中の図は形が違って見えますが、線の数の並びは同じです。さらに比べ方の3番目でも、4本の点が2本の点4つすべてとつながり、2本の点は2つずつ組になって三角形を作っている、というつながり方が元の図と同じです。
試験では、与えられた図とつながり方が同じ図を選ぶ問題や、路線図と同じつながりの図を選ぶ問題も出ます。どれもこの順でくらべます。
試験での出方
| 国家一般職 | ★☆☆ | 国家専門職 | ★☆☆ |
|---|---|---|---|
| 地方上級 | ★☆☆ | 東京都 | ★☆☆ |
| 特別区 | ★☆☆ | 市役所 | ★☆☆ |
| 国家総合職 | —ほぼ出ていない | ||
国家総合職を除くどの受験先でも★1つで、出る回数は多くありません。ただ、点ごとに線の数を数えれば解ける問題が多く、短い時間で取りやすい単元です。
よく出るタイプ
位相の問題は、次の3つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
タイプ1奇点の数と一筆書きできるか
位相の解き方(奇点の数と一筆書きできるか)
見分け方:図が1つだけ示され、問題文に「一筆書きができるようにするために取り除く線の本数は、最少で何本か」や「一筆書きができるか」と書いてあることが多いです。
解き方の手順
- 1
点を確かめる
黒丸のあるところだけが点です。黒丸の無い交わりは点として数えません。 - 2
点ごとに線の数を書く
それぞれの点のそばに、そこから出ている線の数を書きます。行き止まりの点は1本です。 - 3
奇点を数える
奇点が0個か2個で、図がつながっていれば一筆書きできます。4個以上ならできません。 - 4
取り除く本数を出す
線を1本取り除くと、変わるのはその両端の2点だけなので、奇点は多くても2個しか減りません。奇点が6個なら、2個まで減らすのに少なくとも 本です。両端がどちらも奇点の線を、取り除く線どうしで端の点が重ならないように選びます(同じ点の線を2本取り除くと、その点は奇点のまま残ります)。最後に、取り除いたあとも図がつながっているかを確かめます。
例で確かめる五角形と真ん中の点
五角形ABCDEの真ん中に点Oがあり、Oから5つの角へ線を引いた図です(点6個・線10本)。一筆書きできるようにするには、最少で何本の線を取り除けばよいでしょうか。
- 角のA〜Eは、五角形の辺2本とOからの線1本で、3本ずつです。Oは5本です。6点すべてが奇点です。
- 奇点を6個から2個に減らすには、少なくとも 本取り除きます。
- 両端がどちらも奇点の線ABと線CDを取り除くと、A・B・C・Dは2本ずつの偶点になり、奇点はEとOの2個になります。
- 角の点はどれもOとつながったままなので、図は離れません。2本で、EからOへ(またはOからEへ)の一筆書きができます。
自分で解いてみる位相の例題1(奇点の数と一筆書きできるか)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図は、9個の点を16本の線で結んだものである。図中の点はすべて黒丸で示してあり、線どうしが交わって見えるところは無い。この図から何本かの線を取り除いて、一筆書きができるようにしたい。取り除く線の本数は、最少で何本か。
ただし、一筆書きとは、筆を紙から離さず、すべての線をちょうど1回ずつなぞって図を描くことをいい、同じ点は何度通ってもよい。
正解は 3
角のA・C・G・Iは、外周の2本と中心Eからの1本で3本ずつです。辺の真ん中のB・D・F・Hも、外周の2本とEからの1本で3本ずつです。Eは8本で偶点です。奇点はE以外の8個です。
線を1本取り除いても奇点は多くて2個しか減らないので、2本では4個が残ります。8個を2個にするには、少なくとも 本が必要です。
外周の線AB・CF・HIは、両端がどれも奇点です。この3本を取り除くと、A・B・C・F・H・Iが2本ずつになり、奇点はDとGの2個になります。どの点もEとつながったままなので図は離れず、DからGへの一筆書きができます。正解は3です。
4本は、奇点を0個にしようとして とした値です。奇点は2個残してよいので、1本多くなります。8本は、奇点の数をそのまま本数にした値です。
タイプ2取り除く線の組
位相の解き方(取り除く線の組)
見分け方:問題文に「2本の線を取り除いて一筆書きができるようにしたい」とあり、選択肢が「線BC、線EF」のような線の名前の組になっています。
解き方の手順
- 1
奇点に印を付ける
点ごとに線の数を書き、奇点に印を付けます。 - 2
選択肢の線の両端を見る
2本の線の端は4つです。4つがすべて奇点で、しかも4つとも違う点なら、奇点が4個減ります。端に偶点が入っている組、同じ点を2回使う組は、奇点が減りきりません。 - 3
数え直す
取り除く線の両端の点だけ、線の数を1本ずつ減らして書き直します。奇点が0個か2個になるかを見ます。 - 4
つながりを確かめる
取り除いたあと、1つの点から線をたどって、すべての点へ行けるかを確かめます。図の一部が、取り除いた2本だけでほかとつながっていたなら、その部分が離れてしまいます。
例で確かめる三角形と四角形2つを積んだ図
上から三角形ABC、四角形BCED、四角形DEFG、三角形FGHを縦に積んだ図です。上の三角形ABCと下の部分は、縦の線BDと線CEの2本だけでつながっています。この図から2本の線を取り除いて、一筆書きできるようにします。
奇点はB・C・D・E・F・Gの6個です。2本で2個まで減らすには、両端がどちらも奇点の線を、端が重ならないように2本選びます。ここでは、条件に合う組のうち2つをくらべます。
- 線BDと線CE:B・C・D・Eが2本ずつになり、奇点はFとGの2個です。ところが、上の三角形ABCと下の部分をつないでいたのはこの2本だけなので、三角形ABCが離れてしまいます。一筆書きはできません。
- 線BCと線DE:同じくB・C・D・Eが2本ずつになり、奇点はFとGの2個です。BDとCEが残っているので図はつながったままで、FからGへの一筆書きができます。
自分で解いてみる位相の例題2(取り除く線の組)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図は、8個の点を12本の線で結んだものである。図中の点はすべて黒丸で示してあり、線どうしが交わって見えるところは無い。この図から2本の線を取り除いて、一筆書きができるようにしたい。取り除く線の組として正しいものはどれか。
ただし、一筆書きとは、筆を紙から離さず、すべての線をちょうど1回ずつなぞって図を描くことをいい、同じ点は何度通ってもよい。
正解は 2
線の数は、AとHが偶点(Aは2本、HはD・E・F・Gへの4本)で、B・C・D・E・F・Gが3本ずつの奇点です。奇点は6個なので、両端が4つとも違う奇点になる2本を探します。
選択肢2の線BCと線EFは、端のB・C・E・Fがすべて奇点で、4つとも違う点です。取り除くと奇点はDとGの2個になり、三角形ABCは線BDと線CGで右側の部分とつながったままです。DからGへの一筆書きができます。正解は2です。
- 1は、端のB・D・C・Gがすべて奇点で、奇点はEとFの2個になります。しかし、三角形ABCとほかをつなぐ線はBDとCGの2本だけなので、三角形が離れてしまいます。つながりの確かめを忘れると選んでしまう選択肢です。
- 3は、Bを2回使っています。Bは3本から1本になって奇点のままなので、奇点はB・E・F・Gの4個です。
- 4は、偶点のHを端に含みます。Hは4本から2本になって偶点のままなので、奇点はB・C・E・Gの4個です。
- 5は、偶点のAを端に含みます。Aは2本から1本になって奇点に変わり、奇点はA・C・F・Gの4個です。
タイプ3一筆書きできる図の選択
位相の問題:一筆書きできる図の選び方
見分け方:選択肢が図そのもので、問題文に「一筆書きができるものはどれか」と書いてあります。「始めた点に戻ってくる一筆書き」と書いてあることもあります。
解き方の手順
- 1
図ごとに奇点だけ数える
実際に一筆書きを試さず、奇点の数だけを数えます。奇点が4個以上の図は、その場で落とします。 - 2
つながりを確かめる
奇点が0個か2個の図は、全体が1つにつながっているかを確かめます。離れた部分がある図は一筆書きできません。 - 3
始めと終わりの条件を見る
「始めた点に戻る」と書いてあれば、選べるのは奇点0個の図だけです。奇点2個の図は、始めと終わりが別の点になります。
例で確かめる奇点が0個・2個・4個の図
3つの図で、点ごとの線の数と奇点を数えます。
- 左:奇点が0個です。どの点から始めても、始めた点に戻って終わります。
- 真ん中:奇点はBとEの2個です。Bから始めればEで終わり、Eから始めればBで終わります。
- 右:4つの角が3本ずつで、奇点が4個です。一筆書きはできません。
自分で解いてみる位相の例題3(一筆書きできる図の選択)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次の図1〜図5のうち、一筆書きができるものはどれか。どの図も、点はすべて黒丸で示してあり、線どうしが交わって見えるところは無い。
ただし、一筆書きとは、筆を紙から離さず、すべての線をちょうど1回ずつなぞって図を描くことをいい、同じ点は何度通ってもよい。
正解は 4
図ごとに奇点を数えます。
- 図1:三角形の3つの角と中の点が、どれも3本です。奇点4個でできません。
- 図2:どの点も2本で、奇点は0個です。しかし、内側の三角形は五角形とつながっていないので、一筆書きできません。奇点の数だけで決めると選んでしまう選択肢です。
- 図3:三角形の角は3本、外へ出た線の端は1本で、奇点6個です。一筆書きはできません。
- 図4:縦の線の両端の2点が3本で、ほかは2本です。奇点2個で、図はつながっているので一筆書きできます(上の角から始めて下の角で終わる)。
- 図5:辺の真ん中の4点が3本、真ん中の点は4本の偶点です。奇点4個で、一筆書きはできません。
正解は4です。
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
黒丸の無い交わりを点と数える
交わって見えても、黒丸が無ければそこは点ではなく、別の線へ乗り換えられません。下の左の図は、線が交わって見える2か所に黒丸がありません。2つの正方形が重なって見えるだけで、2つの輪に分かれています。どの点も2本で奇点は0個ですが、つながっていないので一筆書きできません。
奇点2個の図を「始めた点に戻る」問題で選ぶ
奇点が2個の図は、一方の奇点から始めて、もう一方の奇点で終わります。始めた点には戻れません。「始めた点に戻る一筆書き」を聞かれたら、選べるのは奇点0個の図だけです。
取り除いたあとに数え直さない
線を1本取り除いたときに線の数が変わるのは、その線の両端の2点だけです。両端が何かで、奇点の数の変わり方が決まります。
線を1本取り除いたときの奇点の数
| 取り除く線の両端 | 奇点の数 |
|---|---|
| 奇点と奇点 | 2個減る |
| 奇点と偶点 | 変わらない |
| 偶点と偶点 | 2個増える |
奇点が0個か2個になったら、最後に、1つの点から線をたどってすべての点へ行けるかを確かめます。タイプ2の例のように、2本だけでつながっていた部分が離れていることがあります。
時間と捨てる判断
- 奇点を数えるだけで答えが出る問題(一筆書きできるか・取り除く最少の本数・図の選択)は、1分前後で取りにいきたい問題です。
- 取り除く線の組も、選択肢の線の両端が奇点かどうかを見れば、2分以内に絞れることが多いです。最後のつながりの確かめを忘れないようにします。
- 図に実際に一筆書きを試すと時間がかかります。奇点の数で決めます。
- つながり方が同じ図を選ぶ問題や路線図の問題は、点の数・線の数・線の数の並びの順にくらべ、合わない選択肢をすぐに落とします。2分で絞れなければ後回しにする手もあります。











