命題とは・論理式の書き方
30秒でわかる命題・論理
命題は、正しいか正しくないかがはっきり決まる文です。判断推理では「消防団員は講習を受けている」のような命題がいくつか示され、そこから確実にいえることを選びます。文のままでは考えにくいので、記号の矢印に書き直して考えます。
記号の書き方
否定の書き方
対偶
三段論法
「AならばB」の前後を入れ替えた「BならばA」を逆、前後を入れ替えて両方を打ち消した「BでないならばAでない」を対偶と呼びます。
このページでは、否定の記号は上の線()だけを使います。「Aでない」をさらに打ち消した「『Aでない』ではない」は、Aと同じ意味です。式では線が2本重なりますが、2本とも消してAと書きます。
上の図のように、当てはまる人の集まりを円で表した図をベン図と呼びます。
文を矢印に書き換える
| 問題文の書き方 | 矢印にすると |
|---|---|
| 「AならばB」「AはすべてBである」「Aである人はBである」 | |
| 「AはBでない」「Aである人はだれもBでない」 | |
| 「Aでなければ、Bでない」 | |
| 「AであるBもいる」「あるAはBである」(少なくとも1人いる) | 矢印にできない(ベン図で考える) |
「AであるBもいる」は、ベン図ではAの円とBの円が重なっていて、重なりに少なくとも1人いる、と描きます。矢印の前(「ならば」の前)を仮定、矢印の後ろを結論と呼びます。
逆・裏・対偶とは・三段論法
「消防団員は講習を受けている」を、消防団員を「団員」と短くして と書きます。仮定と結論を入れ替えたり、否定の線を付けたりすると、次の3つの形ができます。
| 名前 | 矢印 | 文 | 必ず正しいか |
|---|---|---|---|
| 元の命題 | 消防団員は講習を受けている | 正しいとする | |
| 逆 | 講習を受けた人は消防団員である | とは限らない | |
| 裏 | 消防団員でない人は講習を受けていない | とは限らない | |
| 対偶 | 講習を受けていない人は消防団員でない | 必ず正しい |
上の図で、講習の円の外にいる人は、その内側にある団員の円にも入れません。だから対偶は必ず正しいです。一方、講習の円の中でも団員の円の外にいる人(橙の点)がいてよいので、逆は確実にはいえません。裏の「消防団員でない人は講習を受けていない」も、橙の点の人(団員ではないのに講習を受けた人)がいてよいので、確実にはいえません。
三段論法は、矢印をつないで1本の鎖にすることです。1本目の結論と2本目の仮定が同じ言葉のとき( と のB)だけ、 とつないで がいえます。矢印は向きのとおりにしか進めません。
試験での出方
| 国家総合職 | ★★☆ | 国家一般職 | ★★☆ |
|---|---|---|---|
| 国家専門職 | ★★☆ | 地方上級 | ★★☆ |
| 東京都 | ★☆☆ | 特別区 | ★☆☆ |
| 市役所 | ★★★ | ||
市役所でとくによく出て、国家公務員の試験や地方上級でも出ます。矢印と対偶の考え方は、発言推理や集合の単元でも使います。
よく出るタイプ
命題の問題のうち、よく出るのは次の5つのタイプです。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
タイプ1三段論法と対偶
命題の解き方(三段論法と対偶)
見分け方:問題文に「〜な人は、〜である」という命題が3〜5個並び、「確実にいえるのはどれか」と聞かれます。命題の中に「〜でない」が混ざっていて、そのままでは矢印がつながらないことが多いです。
解き方の手順
- 1
命題を矢印にする
1つずつ矢印に書き直します。言葉は短くします(「包丁を研げる」→「研ぐ」)。 - 2
対偶も書いておく
すべての命題の対偶を横に書きます。元の命題が正しければ対偶も必ず正しいので、どちらを使ってもかまいません。 - 3
同じ言葉でつなぐ
ある矢印の結論と、別の矢印の仮定が同じ言葉なら、つないで1本の鎖にします。向きが合わないときは、対偶のほうを使います。 - 4
選択肢を鎖で確かめる
選択肢も矢印にし、その仮定から矢印の向きに進んで結論にたどり着けば、確実にいえます。逆向きにしか行けないもの、途中で切れるものは確実とはいえません。
例で確かめる料理教室の生徒
ある料理教室の生徒について、次のア〜ウが分かっています。
ア 魚をさばける人は、包丁を研げる。
イ 天ぷらを揚げられない人は、包丁を研げない。
ウ パンを焼ける人は、天ぷらを揚げられない。
「魚をさばける」を「魚」、「包丁を研げる」を「研ぐ」、「天ぷらを揚げられる」を「天ぷら」、「パンを焼ける」を「パン」と書きます。
| 条件 | 矢印にする | 対偶 |
|---|---|---|
| ア | ||
| イ | ||
| ウ |
イの対偶は、仮定と結論を入れ替えて線を付けると「『研ぐでない』ではない → 『天ぷらでない』ではない」になります。「『でない』ではない」は元に戻るので、 です。ウの対偶の「天ぷら」も同じです。
アの結論は「研ぐ」です。「研ぐ」から始まる矢印は、イの対偶 です。その結論「天ぷら」から始まる矢印は、ウの対偶 です。つなぐと、次の鎖になります。
鎖の両端から「魚をさばける人は、パンを焼けない」がいえます。その対偶「パンを焼ける人は、魚をさばけない」もいえます。一方、「天ぷらを揚げられる人は、魚をさばける」は鎖を逆向きにたどっているので、確実とはいえません。
自分で解いてみる命題の例題1(三段論法と対偶)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
ある高校の生徒が持っている資格について、次のア〜エのことが分かっている。このとき、確実にいえるのはどれか。
ア 漢字検定を持っている生徒は、英語検定も持っている。
イ 珠算検定を持っていない生徒は、英語検定を持っていない。
ウ 書道の段を持っている生徒は、珠算検定を持っていない。
エ 秘書検定を持っている生徒は、漢字検定を持っている。
正解は 2
「秘書検定を持っている」を「秘書」のように短く書いて、矢印と対偶を並べます。
| 条件 | 矢印 | 対偶 |
|---|---|---|
| ア | ||
| イ | ||
| ウ | ||
| エ |
エとアをつなぐと です。「英語」から始まる矢印はイの対偶、「珠算」から始まる矢印はウの対偶なので、鎖は になります。鎖の両端から (秘書検定を持っている生徒は、書道の段を持っていない)がいえます。その対偶は で、「書道の段を持っている生徒は、秘書検定を持っていない」なので、正解は2です。
1は鎖の「秘書 → 英語」を逆向きにたどった形です。3はイの対偶「英語 → 珠算」の逆、4はウ「書道 → 珠算でない」の逆です。5はエの裏です。逆と裏は、どれも確実とはいえません。
タイプ2かつ・または
命題の解き方(かつ・または・ド・モルガンの法則)
見分け方:命題の中に「〜か〜の少なくとも一方」「〜も〜も」「〜と〜の両方」のような言葉が入っています。
「かつ」は両方に当てはまること、「または」は少なくとも一方に当てはまること(両方の場合も含む)です。式の中でもそのまま「かつ」「または」と書きます。否定の線を「かつ」「または」の上にかけたときは、次のド・モルガンの法則で書き直します。中の1つずつに線が付き、「かつ」と「または」が入れ替わります。
ド・モルガンの法則(かつの否定)
ド・モルガンの法則(またはの否定)
「かつ」「または」を含む命題は、形によって2本の矢印に分けられるものと、分けられないものがあります。
| 命題の形 | 分けられるか | 理由 |
|---|---|---|
| と に分けられる | Aの人はBにもCにも当てはまるので、片方ずつ言える | |
| と に分けられる | Aだけの人もBだけの人もCに当てはまるので、片方ずつ言える | |
| 分けられない | Aの人はBかCの少なくとも一方だが、どちらかは決まらない(Cだけの人もいてよい) | |
| 分けられない | AとBの両方に当てはまる人のことしか言っていないので、Aだけの人はCとは限らない |
解き方の手順
- 1
矢印にして、分けられる形は分ける
上の表で「分けられる」形なら、2本の矢印にします。 - 2
対偶はド・モルガンで書き直す
対偶では仮定と結論の両方に線が付くので、どちらの側にある「かつ」と「または」も入れ替えます。 - 3
分けられない形はかたまりのまま使う
「BまたはC」を1つのかたまりとして、鎖の中に置きます。 - 4
選択肢を鎖で確かめる
タイプ1と同じく、仮定から矢印の向きに結論まで行けるかを見ます。
例で確かめる遊園地の来園者
ある遊園地の来園者について、次のア・イが分かっています。
ア ジェットコースターか観覧車に乗った人は、記念写真を買い、園内マップももらった。
イ 記念写真を買った人は、出口でアンケートに答えた。
「ジェットコースターに乗った」を「コースター」、「観覧車に乗った」を「観覧車」、「記念写真を買った」を「写真」、「園内マップをもらった」を「マップ」、「アンケートに答えた」を「アンケート」と書くと、アは です。仮定が「または」、結論が「かつ」なので、どちらも分けられます。
- 、
- 、
イの とつなぐと、 と ができます。
アの対偶は、ド・モルガンで「かつ」と「または」が入れ替わり、 です。仮定が「または」なので分けられ、 が使えます。イの対偶 とつなぐと、「アンケートに答えなかった人は、ジェットコースターにも観覧車にも乗っていない」がいえます。
一方、「園内マップをもらった人は、ジェットコースターに乗った」は の逆なので、確実とはいえません。
自分で解いてみる命題の例題2(かつ・または)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
ある大学の1年生の履修について、次のア〜ウのことが分かっている。このとき、確実にいえるのはどれか。
ア 統計学と経済学の両方を履修した学生は、ゼミの説明会に出た。
イ 簿記を履修した学生は、ゼミの説明会に出なかった。
ウ 簿記を履修した学生は、統計学を履修した。
正解は 1
「統計学を履修した」を「統計」、「経済学を履修した」を「経済」、「ゼミの説明会に出た」を「説明会」、「簿記を履修した」を「簿記」と書きます。アは で、仮定が「かつ」なので分けられません。対偶はド・モルガンで書き直して です。
イとつなぐと で、簿記を履修した学生は、統計学と経済学の少なくとも一方を履修していません。ところがウより、簿記を履修した学生は統計学を履修しています。すると、履修していないのは経済学のほうしかありません。正解は1です。
簿記を履修した学生について
| ○か×か | 理由 | |
|---|---|---|
| 説明会に出た | × | イ |
| 統計学を履修した | ○ | ウ |
| 経済学を履修した | × | アの対偶 |
2はアの「かつ」を分けてしまった形で、統計学だけを履修して説明会に出なかった学生がいてもよいので、確実とはいえません。3はアの対偶で、「かつ」を「または」に入れ替え忘れた形です。説明会に出なかった学生でも、統計学だけは履修している場合があります。4はアの逆、5は1の逆です。
タイプ3逆・裏・対偶の見分け方
逆・裏・対偶の見分け方
見分け方:命題が1つだけ示され、「この命題と同じ内容を述べたものはどれか」「確実にいえるのはどれか」と聞かれます。選択肢には、逆・裏・対偶や、それを言い換えたものが並びます。
解き方の手順
- 1
元の命題を矢印にする
仮定と結論を確かめます。 - 2
選択肢も1つずつ矢印にする
言葉は元の命題と同じ短い言葉にそろえます。 - 3
元の命題と比べて名前を付ける
仮定と結論が入れ替わっただけなら逆、両方に否定の線が付いただけなら裏、入れ替わって両方に線が付いていれば対偶です。 - 4
対偶だけを選ぶ
元の命題と同じ内容なのは対偶だけなので、対偶の形の選択肢を選びます。「かつ」「または」があるときは、ド・モルガンで入れ替わっているかも確かめます。
例で確かめる急行の止まる駅と売店
「急行が止まる駅には、売店がある」()が正しいとき、4つの形を並べます。
| 名前 | 矢印 | 確実にいえるか |
|---|---|---|
| 元の命題 | 正しいとする | |
| 逆 | いえない | |
| 裏 | いえない | |
| 対偶 | いえる |
確実にいえるのは対偶の「売店がない駅には、急行が止まらない」だけです。売店があっても急行が止まらない駅(各駅停車だけが止まる駅)があってもよいので、逆の「売店がある駅には、急行が止まる」はいえません。その駅は急行が止まらないのに売店があるので、裏の「急行が止まらない駅には、売店がない」も成り立ちません。逆と裏は互いに対偶なので、いつもそろって成り立つか、そろって成り立たないかのどちらかです。
自分で解いてみる命題の例題3(逆・裏・対偶)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
あるホテルの、ある日の宿泊客について、次のことが分かっている。
「大浴場を使った宿泊客は、サウナか水風呂の少なくとも一方に入った。」
この命題から確実にいえるのはどれか。
正解は 4
元の命題は です。対偶は、仮定と結論を入れ替えて両方に否定の線を付け、ド・モルガンで「または」を「かつ」にした です。これを文にしたのが4で、正解は4です。
| 選択肢 | 元の命題から見ると | 確実にいえるか |
|---|---|---|
| 1 | 逆 | いえない |
| 2 | 結論の「または」を分けた | いえない |
| 3 | 対偶だが、「または」を「かつ」に入れ替えていない | いえない |
| 4 | 対偶 | いえる |
| 5 | 裏 | いえない |
たとえば、大浴場を使ってサウナだけに入った宿泊客は、元の命題に合います。この人は水風呂に入っていないのに大浴場を使ったので、3に反します。水風呂だけに入った宿泊客がいれば、2にも反します。
タイプ4推論の正誤
推論の正誤の見分け方
見分け方:問題文に「A〜Dの推論のうち、論理的に正しいものはどれか」とあり、推論ごとに「〜。〜。ゆえに、〜。」と、2つの命題と、「ゆえに」のあとの1つの文が書いてあります。推論どうしは関係がないので、1つずつ別の小さな問題として判定します。
解き方の手順
- 1
3つの文を矢印にする
2つの命題と「ゆえに」の文を矢印にします。「ゆえに」の文の対偶も書いておきます。 - 2
2つの命題をつなぐ
1本目の結論と2本目の仮定が同じ言葉かを見ます。合わなければ、対偶にしてつながるかを見ます。 - 3
「ゆえに」の文の仮定から出発してたどる
「ゆえに」の文(またはその対偶)の仮定から、矢印の向きに進んで、その結論までたどり着ければ正しい推論です。 - 4
つながらない形を見抜く
同じ言葉が2本とも仮定にあるとき、または2本とも結論にあるときは、つながらず、何もいえません。
例で確かめる動物園で見た動物
遠足で動物園に行った子どもについての、3つの推論を判定します。
- 例1:パンダを見た子はゾウも見た。ゾウを見た子はキリンも見た。ゆえに、キリンを見なかった子はパンダを見なかった。→ とつながり、「ゆえに」の文はその両端()の対偶です。正しい。
- 例2:パンダを見た子はゾウも見た。パンダを見た子はキリンも見た。ゆえに、ゾウを見た子はキリンも見た。→ パンダが2本とも仮定にあり、つながりません。正しくない。
- 例3:ゾウを見た子はパンダも見た。キリンを見た子はパンダも見た。ゆえに、ゾウを見た子はキリンも見た。→ パンダが2本とも結論にあり、つながりません。正しくない。
自分で解いてみる命題の例題4(推論の正誤)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
次のA〜Dの推論のうち、論理的に正しいものをすべて挙げているのはどれか。
A「電車で通勤する社員は、定期券を持っている。定期券を持っている社員は、交通費を申請している。ゆえに、交通費を申請していない社員は、電車で通勤していない。」
B「自転車で通勤する社員は、駐輪場を使う。バイクで通勤する社員は、駐輪場を使う。ゆえに、駐輪場を使う社員は、自転車で通勤している。」
C「在宅勤務をする社員は、ノートパソコンと携帯電話の両方を支給されている。携帯電話を支給されている社員は、緊急連絡網に載っている。ゆえに、緊急連絡網に載っていない社員は、在宅勤務をしていない。」
D「営業職の社員は、名刺を持っている。営業職の社員は、社用車を運転できる。ゆえに、名刺を持っている社員は、社用車を運転できる。」
正解は 3
「電車で通勤する」を「電車」、「定期券を持っている」を「定期」、「交通費を申請している」を「申請」、「在宅勤務をする」を「在宅」、「携帯電話を支給されている」を「携帯」、「緊急連絡網に載っている」を「連絡網」のように短く書きます。
| 推論 | 矢印 | 判定 |
|---|---|---|
| A | 。「ゆえに」の文はその両端の対偶 | 正しい |
| B | 、(駐輪場が2本とも結論)。「ゆえに」の文は1本目の逆 | 正しくない |
| C | 1本目の結論「ノートパソコン かつ 携帯」を分けて 、2本目とつないで 。「ゆえに」の文はその両端の対偶 | 正しい |
| D | 、(営業が2本とも仮定)。つながらない | 正しくない |
正しいのはAとCで、正解は3です。
Bは、バイクで通勤して駐輪場を使う社員がいてもよいので、結論は成り立ちません(逆を正しいとすると1を選んでしまいます)。Dは動物園の例2と同じ形で、名刺を持っていても営業職でない社員は、社用車を運転できるとは限りません(Dを正しいとすると2か5を選んでしまいます)。Cは「ノートパソコンと携帯電話の両方」の「かつ」が結論の側にあるので、分けて携帯電話のほうだけを使えます。
タイプ5場合分けと真偽の表
命題の解き方(場合分けと真偽の表)
見分け方:問題文に「A〜Eの5人が出席したかどうか」のように、何人かについて「〜した・しなかった」が並びます。「AとBは、ともに出たか、ともに出なかったかのどちらか」(2人の結果が同じ)や「少なくとも一方は」という条件がよく出ます。
真偽の表は、当てはまる(○)・当てはまらない(×)の組み合わせを全部書き出した表です。1人につき○か×の2通りあるので、3人なら2を3回掛けて8通り、4人なら2を4回掛けて16通りの行になります。
解き方の手順
- 1
全通りの表を作る
3人なら8行です。人数が多いときは、条件によく出てくる1人で「○の場合」と「×の場合」に分けます(場合分け)。 - 2
条件に合わない行を消す
「AならばB」で消えるのは、Aが○でBが×の行だけです。この命題はAが当てはまったときのことしか言っていないので、Aが×の行は、Bが○でも×でも消しません。 - 3
残った行で選択肢を確かめる
残ったどの行でも成り立つ選択肢だけが、確実にいえます。1行でも成り立たない行があれば、確実とはいえません。
例で確かめる3人と勉強会
A・B・Cの3人が、ある勉強会に出たかどうかについて、次のア〜ウが分かっています。表の○は出た、×は出なかったです。
ア AとBは、ともに出たか、ともに出なかったかのどちらかである。
イ Bが出たならば、Cは出なかった。
ウ Cが出なかったならば、Aは出た。
3人の真偽の表
| 行 | A | B | C | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ○ | ○ | ○ | |
| 2 | ○ | ○ | × | |
| 3 | ○ | × | ○ | |
| 4 | ○ | × | × | |
| 5 | × | ○ | ○ | |
| 6 | × | ○ | × | |
| 7 | × | × | ○ | |
| 8 | × | × | × |
- ア:AとBは同じわかることAとBの○×が違う行3・4・5・6を消す
- イ:Bが出たならCは出ないわかることBが○でCも○の行は1と5。行5はもう消えているので、行1を消す
- ウ:Cが出ないならAは出たわかることCが×でAも×の行は6と8。行6はもう消えているので、行8を消す
- 残り:行2と行7わかること条件に合うのはこの2行だけ
残ったのは、行2(Aは出た・Bは出た・Cは出なかった)と行7(Aは出なかった・Bは出なかった・Cは出た)です。どちらの行でも成り立つ「AとCは、ちょうど一方だけが出た」「Bが出たならば、Aも出た」は確実にいえます。だれが出たかは1通りには決まりません。
自分で解いてみる命題の例題5(場合分けと真偽の表)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
青木・石田・上野・遠藤の4人について、町の防災訓練に参加したかどうかを調べたところ、次のア〜エのことが分かった。このとき、確実にいえるのはどれか。
ア 石田と遠藤は、2人とも参加したか、2人とも参加しなかったかのどちらかである。
イ 青木と上野のうち、少なくとも一方は参加しなかった。
ウ 上野が参加したならば、遠藤も参加した。
エ 青木と遠藤がともに参加したならば、上野も参加した。
✎ 表を使って解いてみましょう。マスを押すたびに ○ → × → 空 と切り替わります。
| 青木 | 石田 | 上野 | 遠藤 | |
|---|---|---|---|---|
| 遠藤が参加 | ||||
| 遠藤が不参加 |
正解は 4
遠藤は、ア・ウ・エの3つに出てきます。そこで、遠藤が参加した場合と、しなかった場合に分けます(上の表の2行は、この2つの場合を書き込むためのものです)。
- 遠藤が参加した場合:アより石田も参加。ここで青木も参加したとすると、エより上野も参加し、青木と上野がそろって参加したことになってイに反します。なので青木は不参加です。上野は、参加してもしなくても、どの条件にも反しません。
- 遠藤が参加しなかった場合:アより石田も不参加。ウの対偶(遠藤が参加しなかったならば、上野も参加しなかった)より上野も不参加。青木は、参加してもしなくても、どの条件にも反しません(エは遠藤が不参加なので青木を縛らず、イは上野が不参加なので満たされます)。
答えの表(残った場合)
| 青木 | 石田 | 上野 | 遠藤 | |
|---|---|---|---|---|
| 1通り目 | × | ○ | ○ | ○ |
| 2通り目 | × | ○ | × | ○ |
| 3通り目 | ○ | × | × | × |
| 4通り目 | × | × | × | × |
条件に合うのは4通りです。青木が参加したのは3通り目だけで、そこでは石田が参加していないので、4が確実にいえます。正解は4です。
1は、2通り目(石田と遠藤だけが参加し、上野は不参加)で成り立ちません。3も2通り目(石田は参加したのに上野は不参加)で成り立ちません。2と5は、4通り目(4人とも不参加)で成り立ちません。「遠藤が参加した場合」だけを調べて、遠藤が参加しなかった場合を見落とすと、2や5を選んでしまいます。
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
逆を正しいと思ってしまう
「消防団員は講習を受けている」が正しくても、「講習を受けた人は消防団員である」とはいえません。講習の円の中に、団員でない人がいてもよいからです。選択肢を矢印にして、元の矢印を逆向きにたどっていないかを確かめます。
対偶で、否定の線を片方にしか付けない
の対偶は です。仮定と結論を入れ替えるだけ(、これは逆)や、片方だけに線を付ける()のは誤りです。
ド・モルガンで「かつ」と「または」を入れ替え忘れる
「統計学と経済学の両方を履修した」の否定は、「統計学と経済学の少なくとも一方を履修していない」です。「どちらも履修していない」ではありません。
「または」が結論にある命題を分けてしまう
「大浴場を使った宿泊客は、サウナか水風呂の少なくとも一方に入った」から、「大浴場を使った宿泊客は、サウナに入った」はいえません。水風呂だけに入った人がいてもよいからです。
同じ言葉が2本とも仮定にあるのに、つないでしまう
と からは、ゾウとキリンの関係は何もいえません。
真偽の表で、仮定に当てはまらない行まで消してしまう
「Bが出たならば、Cは出なかった」で消えるのは、Bが○でCも○の行だけです。Bが×の行は、Cが○でも×でも残します。
時間と捨てる判断
- 矢印が一直線につながる三段論法・対偶の問題は、1〜2分を目安に取りたい問題です。
- 「かつ」「または」が入ると2〜3分かかります。分けられる形かどうかを最初に見分けると速くなります。
- 「〜な人がいる」のように、少なくとも1人いることを言う命題が混ざったら、矢印にこだわらずベン図に切り替えます。
- 4つ以上のものについて全通りの表を書く問題や、人数まで求める問題は、5分以上かかることがあります。ほかの問題を先に解いてから戻るのも手です。
- 迷ったら、選択肢のうち逆・裏の形のものから消すと、確かめる選択肢が減ります。











