立体の切断とは・切り口の描き方の決まり
30秒でわかる立体の切断
立体の切断は、立方体などを3つの点を通る1枚の平面で切ったとき、切り口(切断面)がどんな形になるかを答える問題です。切り口の線は、立体の面の上に1本ずつ引いていきます。引き方の決まりは3つだけです。
決まり1
決まり2
決まり3
見取り図は、立体を斜め上から見たように描いた図です。見えない辺と、見えない面(下・左・奥の面)の上の切り口の線は、破線で描きます。見取り図の上の切り口はななめにゆがんで見えるので、形の名前は、辺の長さが等しいか・平行か・直角かを確かめて、本当の形(切り口を真正面から見た形)で答えます。
このページでは、立方体ABCD-EFGHを、上の面がABCD、下の面がEFGHで、Aの真下がE、Bの真下がF、Cの真下がG、Dの真下がHになるように描きます。面の呼び方は、上の面=ABCD、下の面=EFGH、手前の面=DCGH、奥の面=ABFE、右の面=BCGF、左の面=ADHEです。
立方体の切り口にできる形・できない形
切り口の辺は、立体の面1つにつき1本です。立方体の面は6つなので、切り口は六角形までです。
| 頂点の数 | できる形 | できない形 |
|---|---|---|
| 3 | 正三角形・二等辺三角形など(どの角も90°より小さい) | 直角三角形・鈍角三角形 |
| 4 | 正方形・長方形・ひし形・平行四辺形・台形 | 平行な辺が1組も無い四角形 |
| 5 | 五角形 | 正五角形 |
| 6 | 六角形・正六角形 | 七角形以上 |
四角形の切り口は面を4つ通り、立方体の向かい合う面は3組しかないので、通る4つの面のうち2つは必ず向かい合います。決まり2で、平行な辺が少なくとも1組できます。正五角形ができないのも、決まり2のためです。五角形の切り口は向かい合う面を2組通るので、平行な辺が2組でき、すべての辺の向きがばらばらな正五角形にはなりません。
試験での出方
| 市役所 | ★★☆ | 国家総合職 | ★☆☆ |
|---|---|---|---|
| 国家一般職 | ★☆☆ | 国家専門職 | ★☆☆ |
| 地方上級 | ★☆☆ | 東京都 | ★☆☆ |
| 特別区 | ★☆☆ | ||
どの受験先でも出ていて、市役所ではやや多めです。立方体を3点で切る形が入口で、ほかに直方体、小さな立方体を積んで一部を抜いた立体、正八面体なども切られます。
よく出るタイプ
立体の切断の問題は、次の3つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
タイプ1切り口の形を決める
立体の切断の解き方(切り口の形を決める)
見分け方:問題文に「3点を通る平面で切るとき、切り口はどのような形になるか」とあり、選択肢に「台形」「五角形」のような形の名前が並びます。「切り口の頂点はどの辺の上にあるか」と聞く問題も、同じ手順で解けます。
解き方の手順
- 1
3点がどの面の上にあるかを見る
頂点なら3つの面、辺の上の点なら2つの面に乗っています。 - 2
決まり1:同じ面の2点を結ぶ
同じ面に乗っている2点を、すべて結びます。 - 3
決まり2:向かい合う面に平行な線を引く
線を引いた面の向かいの面に点が1つあれば、そこから同じ向きの線を引きます。線が辺に着いた所が、切り口の新しい頂点です。 - 4
閉じるまで1と2をくり返す
新しい頂点と同じ面にある点を結びます。閉じなければ決まり3(延ばして交点を取る)を使います。 - 5
本当の形で名前を決める
頂点の数を数え、平行な辺・長さの等しい辺・直角を確かめて名前を付けます。
例で確かめるB・D・Iを通る切り口
立方体ABCD-EFGHを、頂点B・頂点D・辺FG上の点I(FI:IG=1:2)を通る平面で切ります。
- BとDは上の面、BとIは右の面の上にあるので、BD・BIを結びます(決まり1)。
- 上の面の向かいは下の面で、Iがあります。IからBDと平行に線を引きます(決まり2)。辺の長さを6とすると、FI=2、IG=4です。BDは上の面を45°の向きに横切る線なので、Iからの線も同じ向きに進み、Gから4の所で辺GHに着きます。この点をJとすると、GJ=4、JH=2で、GJ:JH=2:1です。
- DとJは手前の面の上にあるので結び、四角形BDJIで閉じます。
図の>の印は、平行な線どうしに同じ数だけ付けています。
BDとIJは平行で、BDは上の面の対角線、IJはそれより短い線です。辺の長さを6とすると、FI=2、JH=2です。BIは、たてBF=6・横FI=2の長方形の対角線、DJは、たてDH=6・横HJ=2の長方形の対角線なので、長さが等しくなります。平行でない2辺の長さが等しい台形を等脚台形といいます。切り口は等脚台形です。
立体の切断の問題:切り口の形
自分で解いてみる立体の切断の例題1(切り口の形を決める)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
図のような立方体ABCD-EFGHを、頂点B、辺FGの中点L、辺GH上の点N(GN:NH=2:1)の3点を通る平面で切るとき、切り口の形として正しいのはどれか。
正解は 3
BとLは右の面、LとNは下の面の上にあるので、BL・LNを結びます(決まり1)。
下の面の向かいの上の面にはBがあります。BからLNと平行に線を引きます(決まり2)。辺の長さを6とすると、LはGから3、NはGから4の所にあるので、LからNへは横に4・奥行きに3進む向きです。Bから同じ向きに横へ6進むと、奥行きは4.5進むので、辺DA上のDから1.5の所に着きます。この点をPとすると、DP:PA=1.5:4.5=1:3です。
次に、右の面の向かいの左の面にはPがあるので、PからBLと平行に線を引きます(決まり2)。BLは、奥行きに3進む間に高さが6下がる線です。Pから同じ向きに、Dまで奥行き1.5進む間に高さが3下がるので、辺DHの真ん中のKに着きます。KとNは手前の面の上にあるので結び、五角形BLNKPで閉じます。正解は3です。
切り口が通る面は、上・右・下・手前・左の5つです。奥の面には頂点Bで触れるだけで、奥の面の上に切り口の線はできません。通る面の数が辺の数なので、六角形にはなりません。
三角形は、BとNを直接結んだときの形です。BとNは同じ面に無いので結べません。台形は、Pを出したあとPとNを直接結んで四角形BLNPとしたときの形です(BPとLNが平行なので台形になります)。PとNも同じ面に無いので結べません。
タイプ2指定の形になる3点の組
立体の切断の解き方(指定の形になる3点を選ぶ)
見分け方:図にたくさんの点(頂点と辺の中点など)が描いてあり、問題文に「切り口が長方形になるのはどれか」のように形の名前が1つ書いてあります。選択肢は「A、G、Q」のような3点の組です。
5つの組を全部作図すると時間がかかります。先に、形ごとの目印で選択肢を絞ります。この表の「立方体の対角線」は、AとG、BとHのように、立方体の中を通って向かい合う頂点を結ぶ線です(BDのような、1つの面の上の対角線とは別です)。
| 形 | 3点の取り方の目印 |
|---|---|
| 正三角形 | 1つの頂点に集まる3本の辺の上で、その頂点から同じ長さの3点 |
| 長方形・正方形 | 3点のうち2点を結ぶ線が、立方体の辺と平行 |
| ひし形 | 立方体の対角線の両端の2頂点(AとGなど)と、その2頂点に接しない辺の中点 |
| 正六角形 | 向きがすべて違い、どの2本も頂点を共有しない3本の辺の、それぞれの中点 |
解き方の手順
- 1
聞かれている形の目印を思い出す
上の表で、聞かれている形の目印を1つ決めます。 - 2
目印に合わない組を消す
たとえば長方形なら、どの2点を結んでも辺と平行にならない組を消します。 - 3
残った組だけ作図して確かめる
決まり1・2で切り口を描き、頂点の数・平行・直角・長さを確かめます。
例で確かめるI・J・Fを通る切り口(長方形の目印)
立方体ABCD-EFGHを、辺DH上の点I(DI:IH=1:2)、辺CG上の点J(CJ:JG=1:2)、頂点Fを通る平面で切ります。
IとJは同じ高さにあるので、IJは辺DCと平行です。切る平面が辺DCの向きをふくむので、IJと向かい合う奥の面の切り口も、辺DCと平行な線(ここでは辺EF)になります。JFとIEも平行です(決まり2)。
IJは辺DCと平行で、辺DCは右の面にも左の面にも垂直に突き当たります。JFは右の面の上の線、IEは左の面の上の線なので、IJとJF、IJとIEはどちらも直角に交わります。EFもIJと平行なので、JF・IEと直角です。4つの角がすべて直角なので長方形です。IJは辺の長さと同じですが、JFはななめに通るのでIJより長く、正方形ではありません。
立体の切断の問題:指定の形になる3点の組
自分で解いてみる立体の切断の例題2(指定の形になる3点の組)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
図のような立方体ABCD-EFGHがある。辺CB上の点K、辺CD上の点L、辺CG上の点Mは、いずれも頂点Cからの長さが辺の長さの3分の1であり、点Nは辺CGの中点である。次の3点を通る平面でこの立方体を切るとき、切り口が正三角形になるのはどれか。
正解は 4
K・L・Mは、頂点Cに集まる3本の辺の上で、Cから同じ長さの所にあります。正三角形の目印に合うのはこの組だけです。KLは、CKとCLの長さが等しい直角三角形CKLの斜めの辺です。LMもMKも同じ大きさの直角三角形の斜めの辺なので、3辺の長さが等しくなります。正解は4です。
1のNは、Cからの長さが辺の半分で、K・Lより遠くにあります。KNとLNは等しくても、KLだけ短いので二等辺三角形です。3も、BDは上の面の対角線でBM・DMより長く、二等辺三角形です。2はHを通るので下の面にも切り口ができ(KLと平行なHF)、四角形KLHFになります。5は対角線DFをふくむ平面で、平行四辺形になります。
タイプ3切断面の図の選択
立体の切断の解き方(切断面の図を選ぶ)
見分け方:小さな立方体を積んだ立体から一部を抜いたもの(中が空いている・角が欠けている)を切り、選択肢に、穴や切り込みのある切り口の図が並びます。問題文に「中心の1個を取り除いた」のように書いてあります。
解き方の手順
- 1
まず外形を描く
抜いた所を気にせず、大きな立方体として決まり1〜3で切り口を描きます。 - 2
段に分けて真上から見る
立体を上・真ん中・下の段に分け、抜いた所がある段を真上から見ます。 - 3
切り口が抜いた所を通るかを見る
その段で切り口が通る所が、抜いた所に掛かれば、そこが穴(端なら切り込み)になります。切り口が真っすぐ立っているとき(下の例)は、真上から見ると線になります。切り口が斜めに傾いているときは、段の上の高さと下の高さで切り口の位置がずれるので、真上から見ると幅のある帯になります。 - 4
穴の形と向きを決める
抜いた小さな立方体の面は、大きな立方体の面と平行です。平行な面を同じ1枚の平面で切ると、切り口の線は平行になります(決まり2と同じ理由です)。なので、穴の辺は外形の辺と平行になります。
例で確かめる中心を抜いた立体をB・D・Hで切る
小さな立方体27個(縦・横・高さ3個ずつ)を積んだ立方体ABCD-EFGHから、中心の1個を抜きました。これを頂点B・D・Hを通る平面で切ります。
- 外形:BとDは上の面にあるので結びます。DとHは辺DHの両端です。下の面にBDと平行な線をHから引くとFに着くので、外形は長方形BDHFです。
- 段に分ける:抜いたのは中心の1個なので、穴ができるとしたら真ん中の段だけです。
- 真上から見る:切り口は真っすぐ立っているので、真上から見ると線BDになります。線BDは真ん中のます(抜いた所)を対角線の向きに通るので、穴が開きます。
- 穴の形:横は小さな立方体の面の対角線、縦は小さな立方体の辺と同じ長さです。対角線は辺より長いので、穴は横長の長方形です。正方形に見えても、正方形ではありません。
立体の切断の問題:穴のある切断面
自分で解いてみる立体の切断の例題3(切断面の図の選択)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
小さな立方体27個を縦・横・高さとも3個ずつ積んで立方体ABCD-EFGHを作り、その中心にある小さな立方体1個だけを取り除いた。この立体を、辺FG上の点I(FI:IG=1:2)、辺CD上の点J(CJ:JD=1:2)、辺DA上の点K(DK:KA=2:1)の3点を通る平面で切るとき、切り口の図として正しいのはどれか。
正解は 4
外形は、決まり1〜3で描くと6つの面をすべて通る六角形で、長い辺と短い辺が交互に並びます。選択肢の外形はどれもこの形なので、穴を調べます。
抜いたのは中心の1個なので、真ん中の段を真上から見ます。小さな立方体の辺の長さを2(大きな立方体は6)とすると、この平面は斜めに傾いていて、真ん中の段の上の高さ(下から4)では真上から見て対角線ACと重なり、下の高さ(下から2)ではそれと平行にBの側へずれます。その間の帯が、この段で切り口が通る所です。帯は空洞のますの、Bに近い右上の半分だけに掛かるので、穴は開きますが、空洞の真ん中は通りません。
空洞の小さな立方体は、Bに近い角だけを切り落とされます。切り口はその角に集まる3本の辺の、もう一方の端の3頂点を通るので、タイプ2の目印どおり穴は正三角形です。穴の1辺の長さは、外形の短い辺と同じです。
穴の向き:小さな立方体の面は大きな立方体の面と平行なので、同じ平面で切った線も平行です(決まり2と同じ理由)。穴の3辺は、上・右・奥の面の上にある外形の長い辺と、それぞれ平行です。長い3辺を延ばすと大きな正三角形ができ、穴はそれを同じ向きのまま小さくした形です(どちらも、Bの側の角を切り落とした切り口だからです)。正解は4です。
1は、中の空洞を忘れたときの形です。2の正六角形の穴は、平面が空洞の中心を通るときの形ですが、この平面は中心を通りません(帯が空洞の半分にしか掛からないことから分かります)。5は穴を逆向きにした形で、穴の辺が外形の短い辺のほうと平行になっていて、Bの側の角を切り落とした向きと合いません。
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
同じ面に無い2点を結んでしまう
いちばん多い間違いです。結んでよいのは同じ面の上の2点だけです。下の図は、タイプ1の例題(頂点B、辺FGの中点L、辺GH上の点Nを通る切り口)です。上の段は、BとNを立方体の中を通して結んでしまった例です。正しくは、決まり2で辺DA上のP・辺DH上のKを出してから結びます。
延ばして交点を取ることを思いつかない
決まり1・2だけでは閉じない切り口があります。下の図は、辺DC上の点L(DL:LC=2:1)、辺CB上の点K(CK:KB=1:2)、辺BF上の点T(BT:TF=1:2)を通る平面で切る例です。上の面のKLと右の面のKTを結んだあと、上の面の向かい(下の面)にも、右の面の向かい(左の面)にも点が無いので、決まり2が使えません。
そこで、上の面と奥の面の境目の辺ABに目を付け、LKとABをそれぞれ延ばして交わる点Xを取ります。XはABを延ばした線の上にあるので、奥の面を広げた平面の上にあります。Tも奥の面の上にあるので、XとTを結ぶと、その線が辺AEと交わる所に切り口の頂点Yが決まります。あとは決まり2で、Lから奥の面のTYと平行に線を引いて辺DH上のZを出し、ZとYを結んで五角形KLZYTで閉じます。
見取り図の見かけのまま形を答える
タイプ2の例題の正三角形KLMは、見取り図ではゆがんで正三角形に見えません。辺の長さが等しいか・平行か・直角かで、本当の形を決めます。
直方体を立方体と同じに考える
直方体は辺の長さが違うので、立方体なら正三角形・正方形になる3点の取り方でも、直方体では二等辺三角形・長方形になります。問題文の「辺ABの長さは辺BCの2倍」のような条件を見落とさないようにします。
時間と捨てる判断
- 立方体の辺の上の3点で、決まり1・2だけで閉じる問題は、2分前後で解ける人が多いタイプです。落とさないようにしましょう。
- 指定の形になる3点を選ぶ問題は、全部を作図する前に表の目印で消すと速くなります。
- 延ばして交点を取る形や、穴のある立体は時間がかかります。2〜3分で外形が描けなければ、後回しにする手もあります。











