立体図形とは・体積と表面積の公式
30秒でわかる立体図形
数的推理の立体図形は、円すい・円柱・角柱・球などの体積・表面積・長さを計算で求める単元です。立体のままでは考えにくいので、立体を平面で切った断面に移して、平面図形の問題として解きます。
錐体は、とがった頂点を持つ立体(角すい・円すい)、柱体は、上と下に同じ形の底面がある立体(角柱・円柱)のことです。
柱体(角柱・円柱)
錐体(角すい・円すい)
球(半径 r・円周率 π)
相似な立体
立体の図の決まり:見えない辺は破線
見取り図は、立体を斜め上から見たように描いた図です。立体の裏側にあって見えない辺は、細い破線で描きます。実線か破線かで、どの辺が手前でどの辺が奥かを読み取ります。
錐体の体積が「3分の1」になる理由
1辺6cmの立方体を、中心を頂点として、6つの面をそれぞれ底面とする四角すいに分けます。6つの四角すいは同じ形なので、1つの体積は cm³ です。
この四角すいは、底面積が cm²、高さが立方体の中心から下の面までの cm です。底面積 × 高さは で、体積の36はちょうどその です。ここでは立方体で確かめましたが、どんな錐体でも、同じ底面・同じ高さの柱体の になります。
表面積と円すいの展開図
表面積は、立体のすべての面の面積の合計です。立体を切り開いて平面に広げた図を展開図といいます。
- 円柱の側面は長方形に開きます。縦が高さ 、横が底面の円周 なので、側面積(まわりの面の面積)は です。上と下の2つの円 を足して、表面積は です。
- 円すいの側面はおうぎ形に開きます。半径は母線(頂点から底面の円周までの斜めの長さ) で、弧の長さは底面の円周 と同じです。
上の図では、弧の長さが底面の円周 cm で、半径9cmの円の円周 cm の です。なので中心角は 、側面積は cm² です。これが円すいの側面積の公式 ()の出どころです。底面と合わせた表面積は cm² です。
球の公式は、球がぴったり入る円柱(半径 ・高さ )と比べると覚えやすいです。円柱の体積は で、球の体積はその の です。球の表面積 は、その円柱の側面積 と同じです。
相似な立体の比も、長さから出てきます。すべての長さが2倍になると、面積は縦も横も2倍なので4倍、体積は縦・横・高さが2倍なので8倍です。
試験での出方
| 地方上級 | ★★☆ | 国家総合職 | ★☆☆ |
|---|---|---|---|
| 国家一般職 | ★☆☆ | 国家専門職 | ★☆☆ |
| 特別区 | ★☆☆ | 市役所 | ★☆☆ |
| 東京都 | —ほぼ出ていない | ||
地方上級でやや多く、国家公務員・特別区・市役所でも出ます。東京都ではほぼ出ていません。相似・三平方の定理など平面図形の道具をそのまま使うので、平面図形を先に固めておくと解きやすくなります。
よく出るタイプ
立体図形の問題は、次の4つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
立体図形の解き方:まず断面に移す
どのタイプも、最初の一手は同じです。立体の真ん中を縦に通る線(軸。円すいなら頂点と底面の中心を結ぶ線)を含む平面で切って、断面を描きます。円すいなら二等辺三角形、円すい台(円すいの上を底面に平行に切り取った形)なら台形、水そうなら長方形になります。あとは断面の中で、平行な線がつくる相似な三角形や直角三角形を探し、辺の比や三平方の定理で長さを出します。
タイプ1相似な立体の切断
立体図形の解き方(相似な立体の切断)
見分け方:問題文に「底面に平行な平面で切断した」と書いてあります。切った上の部分(頂点を含む小さい円すい・角すい)は元の立体と相似で、「体積の何分の1」や、下に残る円すい台(円すいの上を切り取った残りの形)の体積を聞かれます。
解き方の手順
- 1
相似比を出す
小さい立体と元の立体の相似比は、頂点から切り口までの高さと、頂点から底面までの高さの比です。 - 2
面積は2乗、体積は3乗
相似比が なら、底面積や側面積の比は 、体積の比は です。 - 3
台の体積は引き算
下に残る円すい台(角すい台)の体積は、元の立体の体積から小さい立体の体積を引きます。 - 4
体積の比から長さへ戻す
体積の比から高さを聞かれたら、3回掛けてその数になる数を探します( なら )。
例で確かめる体積250cm³の円すいを切る
体積が250cm³の円すいを、頂点から高さの の位置で、底面に平行に切ります。上の小さい円すいと、下の円すい台の体積はそれぞれ何cm³でしょうか。
- 小さい円すいの高さは元の です。断面の三角形を見ると、切り口の線は底辺と平行なので、小さい三角形と大きい三角形は相似で、相似比は です。
- 体積の比は3乗で です。小さい円すいは cm³ です。
- 円すい台は cm³ です。
上の円すいは高さでは元の ありますが、体積は元の しかありません。長さの比のまま にすると100cm³になり、大きくずれます。
下の「必修問題を解く」の問題は、円すいの中に逆向きの円すいを作る形です。これも軸を通る断面を描き、平行な線でできる相似な三角形から、小さい円すいの高さを出します。
立体図形の問題:相似な立体の切断
自分で解いてみる立体図形の例題1(相似な立体の切断)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
水の部分は、容器と同じ形の小さい円すいです。深さの比が なので、相似比は 、体積の比は です。
水の270cm³が27にあたるので、1にあたる量は cm³、容器いっぱいは cm³ です。あと cm³ 必要です。
90cm³は、長さの比 のまま容器いっぱいを cm³ とし、そこから270cm³を引いた値です。210cm³は、面積の比 (2乗)を使って容器いっぱいを cm³ とし、270cm³を引いた値です。選択肢5の480cm³は、その容器いっぱいの値です。270cm³は水の体積で、聞かれているものではありません。
深さの比と体積の比(1にあたる量は10cm³)
| 深さの比 | 体積の比 | 体積 | |
|---|---|---|---|
| 水の部分 | 3 | 27 | 270cm³ |
| 容器いっぱい | 4 | 64 | 640cm³ |
| あと必要な水 | 370cm³ |
聞かれているのは、表の2つの体積の差の cm³ です。
タイプ2水に沈める・取り出す
立体図形の解き方(水に沈める・取り出す)
見分け方:問題文に水そうと「おもりを沈める」「球を取り出す」「柱を立てる」のような操作があり、水面の高さ(水位)を聞かれます。
解き方の手順
- 1
水の体積を出す
水の体積は、沈めても取り出しても変わりません。最初に「水そうの底面積 × 水の深さ」で出しておきます。 - 2
全部沈むとき
水面が上がった分 × 水そうの底面積 = 沈めた物の体積 です。取り出すときは、同じ量だけ水面が下がります。 - 3
水面から出るとき
柱の上が水面より上に出るなら、水が入れる場所の底面積は「水そうの底面積 − 柱の底面積」です。水の体積をこれで割ると、新しい水の深さが出ます。 - 4
聞かれているものを確かめる
聞かれているのが「水面の高さ」か「上がった分」かを最後に確かめます。
例で確かめる水そうに柱を立てる
底面が縦30cm・横20cmの長方形の水そうに、水が深さ9cmまで入っています。底面積150cm²(10cm×15cm)、高さ30cmの四角柱を、底に着くまでまっすぐ立てると、水の深さは何cmになるでしょうか。水はあふれないものとします。
- 水の体積は cm³ です。
- 柱は高さ30cmなので、水面から上に出ると考えます。水そうの底面積は cm² なので、水が入れる場所の底面積は cm² です。
- 水の深さは cm です。柱の高さ30cmより低いので、水面から出るという考えと合います。
確かめ:水面は cm 上がりました。上がった分の体積 cm³ は、水面より下にある柱の体積 cm³ と等しくなっています。
立体図形の問題:水に沈める・取り出す
自分で解いてみる立体図形の例題2(水に沈める・取り出す)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 5
容器の底面積は cm² です。球1個の体積は cm³ で、2個で cm³ です。
取り出すと、水面は cm 下がるので、水の深さは cm です。
2cmは下がった分で、ここで止めると選んでしまう選択肢です。1cmは球1個分だけ下がった分です。4cmは、球の体積を ではなく4倍の (1個 )として、6cm下がるとした値です。7cmは、球を半径3cm・高さ6cmの円柱(1個 )とみて、3cm下がるとした値です。
取り出す前と後(水の体積は288πcm³のまま)
| 水と球 | 水だけ | 水の深さ | |
|---|---|---|---|
| 取り出す前 | 360π cm³ | 288π cm³ | 10cm |
| 取り出した後 | 288π cm³ | 8cm |
球の直径は6cmで水の深さ10cmより小さいので、2個とも水の中に全部沈んでいます。なので取り出す前の「水と球」は、底面積36πに深さ10を掛けた cm³ です。水だけは cm³ で、 cm になります。
タイプ3斜めに切断した柱体
立体図形の解き方(斜めに切断した柱体)
見分け方:問題文に「円柱(角柱)を底面に対して斜めに切断した」と書いてあり、切り口が上を向いた立体の、いちばん高い所・低い所の長さが与えられます。
解き方の手順
- 1
中心軸を通る縦の断面を描く
底面の中心を通る縦の平面で切ると、断面は台形になります。 - 2
中心の高さを出す
円柱なら、中心軸の高さはいちばん高い所と低い所の平均です。四角柱なら、向かい合う2本の縦の辺の長さの平均です。 - 3
底面積 × 中心の高さ
体積は、底面積に中心の高さ(平均の高さ)を掛けて出します。 - 4
2つに分けたときの比
1本の柱を斜めに切って2つに分けたなら、2つの体積の比は中心の高さの比です。
例で確かめる斜めに切った円柱の体積
底面の半径が4cmの円柱を斜めに切った立体があります。いちばん低い所は6cm、いちばん高い所は14cmです。体積は何cm³でしょうか。
- 中心軸の高さは cm です。
- 体積は cm³ です。
なぜ平均でよいのか:同じ立体をもう1つ作り、逆さにして切り口どうしを合わせると、高さ cm の円柱になります。その体積 cm³ の半分が、元の立体の体積です。半分にするのは、高さを平均にするのと同じです。
立体図形の問題:斜めに切断した柱体
自分で解いてみる立体図形の例題3(斜めに切断した柱体)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
底面が1辺6cmの正方形である四角柱を、底面に対して斜めに1回切断し、図のような立体を作った。4本の縦の辺のうち3本の長さは8cm、11cm、12cmで、8cmの辺と12cmの辺は向かい合う位置にある。この立体の体積はいくらか。
正解は 3
四角柱の向かい合う側面は平行なので、1枚の平面で切ると、切り口の向かい合う辺も平行になります。つまり切り口は平行四辺形です。平行四辺形の2本の対角線は、それぞれの真ん中で交わります。8cmの辺の上の端と12cmの辺の上の端を結ぶ対角線の真ん中は、底面の対角線の真ん中(底面の中心)の真上にあり、その高さは8cmと12cmの平均です。もう1本の対角線(11cmの辺と奥の辺を結ぶ)も同じ点を通るので、11cmと奥の辺の平均も同じ高さになります。
8cmと12cmの平均は cm です。奥の辺は、11cmとの和が cm になる9cmです。体積は cm³ です。
288cm³はいちばん短い8cmを、432cm³はいちばん長い12cmを高さにした値です。372cm³は、分かっている3本だけを平均して cm を高さにした値、324cm³は奥の辺の9cmを高さにした値です。
向かい合う2本の縦の辺(和はどちらも20cm)
| 2本の和 | 中心の高さ | |
|---|---|---|
| 8cmと12cm | 20cm | 10cm |
| 11cmと奥の辺 | 20cm | 10cm |
タイプ4台形の断面
立体図形の解き方(台形の断面:球の内接・重ねた容器)
見分け方:円すい台(円すいの上を底面に平行に切り取った形。上の円の面を上底、下の円の面を下底といいます)や、口が広く底がせまい容器(植木鉢など)が出てきて、「球が上底・下底・側面のすべてに接している」「容器を重ねる」と書いてあります。軸を通る断面が台形になる問題です。
解き方の手順
- 1
軸を通る平面で切る
断面は等脚台形(左右の斜めの辺が同じ長さの台形)になります。球があれば、台形に接する円が入ります。 - 2
分かっている長さを書き込む
円すい台の半径は、断面では台形の上の辺・下の辺の半分です。球が上底と下底に接していれば、台形の高さは球の直径です。 - 3
上の角から垂線を下ろす
台形の上の角から下の辺へ垂線(直角に交わる線)を下ろすと、直角三角形ができます。相似な三角形の辺の比か、三平方の定理(直角三角形では、いちばん長い辺の2乗が、ほかの2辺の2乗の和に等しい)で長さを出します。 - 4
半径か直径かを確かめる
断面で出した長さが、聞かれている半径なのか直径なのかを確かめます。
例で確かめる球が内接する円すい台
半径6cmの球が、円すい台の上底・下底・側面のすべてに接しています。上底の半径が4cmのとき、下底の半径は何cmでしょうか。
- 断面は、等脚台形ABCDに円が接する図です。球は上底と下底に接しているので、台形の高さは球の直径の cm です。
- 円の外の1点から円に引いた2本の接線(円に1点だけで触れる直線)の、その点から接点までの長さは等しい、という性質を使います。円は上の辺の真ん中で上の辺に触れているので、上の辺の真ん中からBまでの4cmは、Bから引いた接線の1本です。もう1本はBからQまでなので、BQも4cmです。同じように、円は下の辺の真ん中で下の辺に触れているので、Cからの2本(下の辺の真ん中からCまでと、QC)は等しく、これを cm とします。
- 斜めの辺BCは、BQとQCを合わせて cm です。Bから下の辺へ垂線BHを下ろすと、HはBの真下なので、下の辺の真ん中からHまでは上の辺の半分と同じ4cmです。よってHCは cm、BHは台形の高さの12cmです。
- 直角三角形BHCで、いちばん長い辺は直角の向かいにあるBCです。三平方の定理より です。展開すると で、両辺から を引くと 、 cm です。
直角三角形BHCは、辺が5cm・12cm・13cmになっています。同じ計算をすると、球が上底・下底・側面に接する円すい台では、いつでも 上底の半径 × 下底の半径 = 球の半径 × 球の半径 が成り立ちます(この例では )。
立体図形の問題:重ねた容器の断面
自分で解いてみる立体図形の例題4(重ねた容器の断面)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 2
下の鉢を中心で縦に切ると、断面は上の辺32cm・下の辺12cm・高さ24cmの台形です。右側だけを見ると、内側の面は、底から口までの24cm上がる間に、横へ cm 広がります。
入れた鉢の底は直径17cmなので、底の端は中心から cm、下の鉢の底の端(中心から cm)より横へ cm 外にあります。横へ10cm広がるのに24cm上がるので、横へ2.5cmなら cm 上がった所で当たります。
18cmは、口から下へ測った深さ()です。12.75cmは、底の直径12cmを考えずに、直径の比 だけで とした値です。3cmは、半径の差の2.5cmを、直径の差の20cmで割ってしまった値()です。12cmは、直径の差の cm を、片側の広がりの10cmで割ってしまった値()です。
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
体積の比を、そのまま長さの比にしてしまう
体積が8倍の相似な立体でも、長さは8倍ではなく2倍です。長さ・面積・体積で、何乗するかを使い分けます。
相似比と面積の比・体積の比
| 小 | 中 | 大 | |
|---|---|---|---|
| 長さ(相似比) | 1 | 2 | 3 |
| 面積の比 | 1 | 4 | 9 |
| 体積の比 | 1 | 8 | 27 |
錐体の3分の1を掛け忘れる
底面積36cm²・高さ3cmの四角すいの体積は、 cm³ です。 を忘れると108cm³になり、同じ底面・同じ高さの四角柱の体積を答えてしまいます。
水面の高さと、上がった分を取り違える
タイプ2の例では、柱を立てた後の水の深さが12cm、上がった分が3cmです。どちらを聞かれているかを最後に読み直します。
半径と直径、いちばん高い所と中心の高さを取り違える
台形の断面の上の辺・下の辺は直径で、半径はその半分です。斜めに切った円柱では、いちばん高い所(タイプ3の例の14cm)ではなく、中心の高さ(10cm)を掛けます。
時間と捨てる判断
- 公式をそのまま使う体積・相似比の問題と、水位の基本の問題は、2分前後を目安に取りにいきたいタイプです。
- 断面を描いて補助線で相似を作る問題(台形の断面・円すいの中の円すい)は、3分ほどかかることが多いです。
- 見取り図のまま式を立て始めると時間がかかります。断面の図が描けないと分かったら、いったん後回しにする手もあります。
- 迷ったら「軸を通る平面で切ると、断面は何の形か」に戻りましょう。どのタイプもここから始まります。











