図形の計量とは・面積の公式
30秒でわかる図形の計量
図形の計量は、三角形・円・おうぎ形などを組み合わせた図形の面積や長さを求める問題です。「どの図形に分けるか」を見抜けるかで決まります。
三角形の面積
おうぎ形の面積(r は半径)
相似比と面積比
- おうぎ形は、円を2本の半径で切り取った形です。中心角が90°なら円の (四分円)、180°なら半円です。
- 相似は、形が同じで大きさだけが違うことです。対応する辺の比を相似比といい、面積比は相似比の2乗(同じ数を2回掛けた数)の比です。
答えの選択肢は「」のように、円周率 を残した形で出ることがほとんどです。
図形の計量の解き方:面積の3つの求め方
求めたい部分(試験の図で斜線や点で塗られた部分。網掛け部分といいます。このページの図では橙で示します)は、たいてい公式1本では出ません。次の3つのどれで作るかを、まず決めます。
| 求め方 | やること |
|---|---|
| 全体から引く(タイプ1) | 大きな図形の面積から、いらない部分を引く |
| 等積変形(タイプ2) | 底辺と高さを変えずに頂点を動かす |
| 相似比の2乗(タイプ5) | 同じ形の図形の面積を、相似比を2乗した比で出す |
試験での出方
| 東京都 | ★★★ | 特別区 | ★★★ |
|---|---|---|---|
| 国家総合職 | ★★☆ | 国家一般職 | ★★☆ |
| 国家専門職 | ★★☆ | 地方上級 | ★☆☆ |
| 市役所 | ★☆☆ | ||
東京都・特別区で特によく出る単元です。正方形・円・おうぎ形を組み合わせた網掛け部分の面積や、接する円がよく出ます。
よく出るタイプ
図形の計量の問題は、次の5つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
- タイプ1全体から引く正方形・長方形からおうぎ形や三角形を切り取る
- タイプ2等積変形・重なりの相殺頂点を動かす・同じ部分を両方に足す
- タイプ3接する円円どうし・円と直線が接している
- タイプ4分割と方程式辺の長さを x とおいて面積の式を立てる
- タイプ5相似比と規則性平行な線・同じ形をずらして重ねる
このほか、泉には次のタイプの問題もあります。
タイプ1全体から引く
図形の計量の解き方(全体から引く)
見分け方:問題文に「網掛け部分の面積」「円周率は とする」と書いてあり、図が、正方形や長方形の中におうぎ形・三角形を描いた形です。
解き方の手順
- 1
全体の図形を決める
網掛け部分をすっぽり囲む、面積の出る図形(長方形など)を「全体」にします。 - 2
引く部分を公式の形に分ける
網掛けでない部分を、三角形・おうぎ形・半円など、公式で面積が出る形に分けます。 - 3
全体から引く
全体の面積 − 引く部分の面積の合計。
例で確かめる長方形から四分円を2つ引く
縦6cm・横12cmの長方形ABCDの中に、頂点Bを中心とする半径6cmの四分円と、頂点Cを中心とする半径6cmの四分円を描きました。2つの弧と辺ADに囲まれた部分(橙)の面積を求めます。
- 全体は長方形で、 cm² です。
- 引く部分は四分円2つです。四分円1つは中心角90°なので、 cm²。2つで cm² です。
- 網掛け部分は cm² です。
図形の計量の例題:全体から引く
自分で解いてみる図形の計量の例題1(全体から引く)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
図のように、AB=8cm、BC=14cmの長方形ABCDがある。辺ABを直径とする半円を長方形の内側に描き、辺BC上にEC=6cmとなる点Eをとって、DとEを結んだ。網掛け部分(長方形から、半円と三角形DECを除いた部分)の面積はいくらか。ただし、円周率は とする。
正解は 3
全体は長方形で、 cm² です。
引く部分は、半円(半径4cm)が cm²、三角形DEC(底辺EC=6cm、高さCD=8cm)が cm² です。半円は左端から4cmまで、三角形DECは左端から cm より右にあるので、2つは重なりません。
網掛け部分は cm² です。
1の は、三角形の ÷2 を忘れて48を引いた値です。2の は、半円ではなく半径4cmの円をまるごと引いた値です。
タイプ2等積変形・重なりの相殺
図形の計量の解き方(等積変形・重なりの相殺)
見分け方:網掛け部分がいびつな形です。問題文に「弧を等分する点」「平行」や、「アとイの面積が等しい」と書いてあることが多いです。
三角形は底辺と高さが同じなら面積が同じなので、頂点を底辺と平行に動かしても面積は変わりません。これを等積変形といいます。
解き方の手順
- 1
平行な線を探す
三角形の頂点が底辺と平行な線の上にあれば、その線の上で計算しやすい点(円の中心など)まで頂点を動かします。 - 2
同じ部分を足して比べる
「アとイの面積が等しい」とあれば、両方に同じ部分を足します。差は変わらないので、足した後の大きな図形どうしも面積が等しくなります(同じものを足して打ち消すので、重なりの相殺といいます)。 - 3
公式の形にして計算する
動かした後・足した後の図形(おうぎ形・半円・三角形)の面積を公式で出します。
例で確かめる半円の中の三角形を、おうぎ形に変える
半径8cmの半円(中心O、直径AB)の弧を4等分する点を、Aの側からC、D、Eとし、直径AB上にBP=3cmの点Pをとります。線分PC・PEと弧CEに囲まれた部分の面積を求めます。これは三角形PCEと、線分CEと弧CEに囲まれた部分(弓形)を合わせた形です。
- 弧180°を4等分すると1つ分は45°です。CはAから、EはBから45°の点なので左右対称で同じ高さにあり、CEとABは平行です。
- 頂点PをABの上でOまで動かしても、底辺CEも高さも変わらないので、三角形OCEは三角形PCEと同じ面積です。
- 三角形OCEに弓形を合わせると、ちょうどおうぎ形OCEになります。中心角は °なので、面積は cm² です。Pの位置(BP=3cm)は答えに関係しません。
図形の計量の例題:重なりの相殺
自分で解いてみる図形の計量の例題2(等積変形・重なりの相殺)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
図のように、∠Bが直角で、AB=8cmの直角三角形ABCがある。辺ABを直径とする半円を、三角形と同じ側に描いた。図のアの部分(半円のうち三角形の外にある部分)とイの部分(三角形のうち半円の外にある部分)の面積が等しいとき、辺BCの長さはいくらか。ただし、円周率は とする。
正解は 2
半円と三角形が重なる部分をウとします。アにもイにもウを足すと、ア+ウは半円、イ+ウは三角形です。アとイが等しいので、半円と三角形の面積が等しいことになります。
半円は、直径8cmなので半径4cmで、 cm² です。三角形は cm² です。 から、BC= cm です。
1の は、三角形の ÷2 を忘れて とした値です。4の は、直径8cmを半径と取り違えて半円を とした値です。
タイプ3接する円
図形の計量の解き方(接する円)
見分け方:問題文に「接している」「外側で接する」と書いてあり、円どうし、または円と直線・辺が接しています。聞かれるのは円の半径や、接点の間の長さです。
長さを出す道具は三平方の定理です。直角三角形で、直角をはさむ2辺を ・、直角の向かいの辺(斜辺)を とすると、 です( は 。3・4・5 の三角形なら )。詳しくは「三角形」の単元で扱います。
解き方の手順
- 1
中心どうしを結ぶ
外側で接する2つの円なら、長さは半径の和です(内側で接するときは半径の差)。 - 2
中心から接点へ線を引く
中心と接点を結ぶ線は、接している直線(辺)と垂直で、長さは半径です。 - 3
直角三角形を作る
中心から縦か横に補助線(自分で書き足す線)を1本引き、中心どうしを結んだ線が斜辺になる直角三角形を作ります。 - 4
三平方の定理で解く
3辺を式で書いて に入れます。選択肢の数を入れて、式が成り立つものを探すと速いです。
例で確かめる直線に接する大小2つの円
直線ℓの上に、中心がAで半径8cmの円と、中心がBで半径2cmの円があり、どちらもℓに接し、2つの円は外側で接しています。中心Aの円とℓの接点をP、中心Bの円とℓの接点をQとするとき、PQの長さを求めます。
- 中心どうしの距離は、半径の和で cm です。
- APとBQはℓと垂直です。Bから線APへ水平に補助線を引くと直角三角形ができ、縦の辺は cm、横の辺はPQと同じ長さです。
- 横の辺を □cm とすると、三平方の定理から です。 で、 なので、PQ=8cm です。
図形の計量の例題:接する円
自分で解いてみる図形の計量の例題3(接する円)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
図のように、縦24cm、横27cmの長方形の中に、大きい円と小さい円がある。大きい円は長方形の左の辺・上の辺・下の辺に接している。小さい円は長方形の下の辺と右の辺に接し、大きい円とも外側で接している。小さい円の半径はいくらか。
正解は 2
大きい円は上下の辺に接するので直径24cm、半径12cmです。小さい円の半径を cm とおき、2つの中心を結ぶと長さは です。大きい円の中心から真下へ、小さい円の中心の高さまで線を引くと直角三角形ができます。
- 縦の辺:中心の高さは12cmと cm なので、
- 横の辺:左の辺から12cmと、右の辺から cm なので、
三平方の定理から です。この式を解くより、選択肢を入れるほうが速いです。 なら、横の辺は cm、縦の辺は cm、斜めの辺は cm で、 となり、式が成り立ちます。(式を解くと と が出ますが、75cmは長方形に入りません。)
4の6cmは、小さい円の直径です。5の15cmは、中心どうしの距離を半径の差 と取り違えたときの値です。
タイプ4分割と方程式
図形の計量の解き方(分割と方程式)
見分け方:図形を区画に分けた問題で、辺の長さの一部が書いてありません。代わりに「アの面積はウの2倍」のように、面積どうしの関係が書いてあります。
解き方の手順
- 1
分からない長さを x とおく
聞かれている長さ、またはそれが出せる長さを とおきます。何を にしたかを図に書き込みます。 - 2
区画の面積を x の式で書く
区画ごとに縦と横を で表します。道や帯は端に寄せると、残りが1つの長方形になります。 - 3
方程式を立てて解く
面積の関係をそのまま等式にします。解が2つ出たら、図に入らない長さを除きます。
例で確かめる花だんの十字の道
縦12m・横20mの長方形の花だんに、縦と横に同じ幅の道を1本ずつ通したところ、道を除いた部分の面積は180m²でした。道の幅を求めます。
- 道の幅を m とおきます。
- 道で切り分けた4つの区画は、並べ替えても広さは変わりません。道を右と下の端へ寄せると、4つの区画がすき間なく集まり、縦 m・横 m の長方形1つになります。
- 面積が180m²なので、 です。かっこを外すと 、整理して 、 です。
- は縦の12mより長いので合いません。道の幅は2mです()。
図形の計量の例題:分割と方程式
自分で解いてみる図形の計量の例題4(分割と方程式)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
図のように、縦12mの長方形の土地を3つの区画ア・イ・ウに分けた。アは土地の左端にとった一辺12mの正方形である。残りの長方形を横の線で上下に分け、上の縦3mの区画をイ、下の区画をウとした。ウの面積がアの面積と等しいとき、土地の横の長さはいくらか。(図の長さの比は正確ではない)
正解は 3
土地の横の長さを m とおきます。アを除いた残りの横は m です。ウの縦は、土地の縦12mからイの3mを引いた9mです。
アの面積は m²、ウの面積は m² です。等しいので 、、 m です。
1の16mは、残りの横 を出したところで止めた値です。2の24mは、ウの縦を土地と同じ12mとして と解いた値です。
タイプ5相似比と規則性
図形の計量の解き方(相似比と面積比・規則性)
見分け方:問題文に「平行」「中点を結ぶ」「少しずつずらして重ねる」と書いてあり、図に同じ形で大きさの違う図形(相似な図形)が出てきます。
解き方の手順
- 1
同じ形の組と相似比を探す
平行な線で切った三角形や、重なってできた小さな図形は、もとの図形と同じ形です。 - 2
面積比は相似比の2乗
相似比が なら、面積比は です。 - 3
くり返しは「最初+増える分」
にします。
例で確かめる平行な線で切った三角形
面積50cm²の三角形ABCの辺AB上に点D、辺AC上に点Eがあり、DEとBCは平行です。AD:DB=3:2のとき、台形DBCEの面積を求めます。
- DEとBCが平行なので、三角形ADEと三角形ABCは同じ形です。相似比は AD:AB= です。
- 面積比は2乗して です。三角形ADEは cm² です。
- 台形DBCEは cm² です。
図形の計量の例題:相似比と規則性
自分で解いてみる図形の計量の例題5(相似比と規則性)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
底辺9cm、高さ8cmの同じ直角三角形の紙が6枚ある。図のように、底辺を同じ直線の上にそろえ、1枚目から右へ6cmずつずらして6枚を重ねて貼った。紙で覆われた部分の面積はいくらか。
正解は 3
1枚の面積は cm² です。
となりの2枚が重なる部分は、もとの三角形と同じ形の小さな直角三角形です。底辺は cm で相似比は 、面積は cm² です。3枚目は1枚目より cm 右から始まり、1枚目の底辺は9cmで終わるので、重なりはとなりどうしだけです。
2枚目からは、1枚増えるごとに cm² ずつ増えます。6枚では、重なりは か所なので、 cm² です。
2の156cm²は、相似比 をそのまま面積比にして重なりを12とした値()です。5の228cm²は、増える回数を6回と数えた値です。
まとめ間違いやすい点
よくある間違い
- 三角形の ÷2、おうぎ形の「中心角÷360」を忘れる:三角形DEC(例題1)は ではなく24cm²です。
- 半径と直径を取り違える:直径8cmの半円の半径は4cmで、面積は です(8cmを半径にすると )。
- 相似比をそのまま面積比にする:相似比 の三角形ADE(タイプ5)は ではなく、 cm²です。
- 中心どうしの距離を取り違える:接し方で決まります(下の表)。
- 個数と重なりの回数を混同する:6枚ずらして重ねると、重なりは5か所です。
| 2つの円の接し方 | 中心どうしの距離 |
|---|---|
| 外側で接する(離れて並ぶ) | 半径の和 |
| 内側で接する(大きい円の中に小さい円) | 半径の差 |
時間と捨てる判断
- 全体から引く・等積変形・接する円の基本の形は、補助線1本で決まることが多く、2〜3分を目安に取りにいきたいタイプです。
- の前の数が選択肢ごとに全部違えば、引くおうぎ形の面積を出しただけで答えが1つに決まります。
- 2分ほど見ても補助線が浮かばなければ、後回しにする手もあります。1問に5分以上かけないのが目安です。
- 図は正確とは限りません。見た目で「直角」「同じ長さ」と決めず、問題文の条件だけを使います。
次にやること
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