消費関数とは・平均消費性向と限界消費性向
30秒でわかる消費関数
消費関数は、家計の消費(C)が何で決まるかを表した式です。いちばん基本の形(ケインズ型)では、消費は今の所得(Y)で決まり、 と書きます。 は所得が0でも生活のために使う基礎消費、 は限界消費性向です。所得は、正確には所得から租税()を引いた手取り(可処分所得 )ですが、試験では単に所得とすることが多いです。
限界消費性向(c)
平均消費性向
短期と長期の食い違い
先に読む論点均衡国民所得とギャップ
図の消費関数は です。所得900なら消費は 、平均消費性向は で、限界消費性向の0.7より大きくなります。所得のうち消費しなかった残りが貯蓄()です。所得が1増えると、そのうち が消費に回り、残りの が貯蓄になります。この を限界貯蓄性向といいます。このページでは、この消費関数を「基本の消費関数」と呼びます。
試験での出方
| 地方上級 | ★★ | 特別区Ⅰ類 | ★★★ |
|---|---|---|---|
| 市役所 | ★★ | 国家総合職 | ★★★ |
| 国家一般職 | ★★★ | 国家専門職 | ★★ |
仮説の中身と提唱者を組み合わせた文の正誤が中心で、恒常所得とライフサイクルの計算も出ます。
よく出るタイプ
消費関数の問題は、次の4つのタイプに分けられます。カードを押すと、そのタイプの解き方に切り替わります。
基本の図短期と長期の消費関数
消費関数のグラフ(短期と長期の消費関数)
横軸に所得、縦軸に消費をとり、基本の消費関数 から順に描きます。
- 短期:消費関数 C=90+0.7Y を引くわかること所得が0でも90の消費(基礎消費)があり、所得が増えると消費も増える
- 限界:所得が600から700へ100増えると、消費は510から580へ70増えるわかること線の傾き0.7が限界消費性向で、どの所得でも同じ
- 平均:点A(所得450・消費405)と原点を結ぶわかることこの線の傾き 405÷450=0.9 が、所得450での平均消費性向
- 所得増:点B(所得900・消費720)と原点を結ぶわかること傾きは 720÷900=0.8 に下がる。所得が増えるほど原点からの線の傾きはゆるやかになる
- 長期:数十年のデータでは、消費は所得に比例し、原点を通る直線 C=0.9Y になるわかること平均消費性向はどの所得でも0.9のまま
- 成長:所得が伸びると、短期の線そのものが C=180+0.7Y へ上に移るわかること所得900での消費は点Bの720ではなく点Dの810。DもAと同じく長期の線の上にある
図の見方
- 傾き=限界消費性向:直線なので、どの所得でも0.7です。所得が変わっても限界消費性向は変わりません。
- 原点からの線の傾き=平均消費性向:点Aでは0.9、点Bでは0.8です。切片の基礎消費90があるので、所得が増えるほど原点からの線の傾きはゆるやかになり、平均消費性向は下がります。
- 長期の消費関数 は原点を通るので、平均消費性向も限界消費性向も0.9で一定です。数十年の長いデータでこの比例の関係を見つけたのはクズネッツです。
- 短期0・短期1:短期0は最初の短期の消費関数、短期1は上へ移った後の線です。
短期の線の上を動くのは、その年の所得が変わったときです。年月がたって所得の水準そのものが伸びると、短期の線そのものが上へ移ります( から へ)。所得450のころは点A、所得900になったころは点Dにいるので、その時々の点(A、D)をつなぐと長期の線になります。短期と長期で平均消費性向の動きが食い違うこと(消費関数論争)を、なぜ短期の線が上へ移るのかで説明するのが、タイプ2の仮説です。
タイプ1ケインズ型と長期の消費関数
平均消費性向と限界消費性向の求め方(ケインズ型と長期の消費関数)
見分け方: の式が与えられて平均消費性向を求める問題か、「限界消費性向は所得の増加とともに」「長期の時系列データでは」のような文が並ぶ正誤の問題です。
なぜそうなるか平均消費性向が下がっても、限界消費性向は下回らない理由
平均消費性向は です。所得が増えると は小さくなりますが、0にはならないので、平均消費性向は に上から近づくだけです。長期の消費関数では切片が0なので、平均消費性向はいつも同じ値です。
この図は、縦軸が消費ではなく平均消費性向です。点は所得180・450・900での平均消費性向(1.2・0.9・0.8)で、所得が増えるほど下がりますが、点線の0.7(限界消費性向)には届きません。
使える条件:ケインズ型の短期の消費関数 (、)のとき。(長期)なら平均消費性向は のまま一定です。
判定のしかた
- 1
式を C=定数+係数×Y の形に直す
係数が限界消費性向、定数が基礎消費です。「所得とともに増える部分」は のほうで、基礎消費ではありません。 - 2
平均か限界かを見分ける
平均は、点と原点を結んだ線の傾き。限界は、消費関数の線そのものの傾きです(曲線で描かれた問題では、その点での接線の傾き)。「接線の傾きが平均消費性向」とあれば誤りです。 - 3
短期か長期かを見る
短期は平均消費性向が所得とともに下がり、限界消費性向は一定。長期(数十年のデータ)は平均消費性向がほぼ一定です。 - 4
提唱者を見る
短期の消費関数はケインズ(絶対所得仮説)、長期では消費が所得に比例することはクズネッツの実証です。
例で確かめる基本の消費関数で平均消費性向を並べる
基本の消費関数 と長期の消費関数 で、所得ごとの平均消費性向を出します。
| 所得 | 短期の消費 | 短期の平均消費性向 | 長期の平均消費性向 |
|---|---|---|---|
| 180 | 216 | 1.2 | 0.9 |
| 450 | 405 | 0.9 | 0.9 |
| 900 | 720 | 0.8 | 0.9 |
所得180では消費216が所得を上回り、貯蓄は と負です(ためた資産を取り崩しています)。短期と長期の線は所得450で交わり、それより所得が小さいと短期の平均消費性向のほうが高く、大きいと低くなります。
消費関数の例題(平均消費性向)
自分で解いてみる平均消費性向の例題(ケインズ型の消費関数)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 3
所得600では消費 、所得1,200では です。
| 所得 | 消費 | 平均消費性向 | 限界消費性向 |
|---|---|---|---|
| 600 | 480 | 0.8 | 0.6 |
| 1,200 | 840 | 0.7 | 0.6 |
- 1:0.6は限界消費性向です。平均消費性向は で、平均と限界を取り違えた文です。
- 2:限界消費性向は式の係数0.6で、所得によらず一定です。
- 3: で、0.8より小さくなります。正しい文で、正解は3です。
- 4:平均消費性向は で、 は正のままなので0.6を下回りません。
- 5:クズネッツが見いだしたのは、長期では平均消費性向がほぼ一定であることです。短期の性質と長期の性質を入れ替えた文です。
タイプ2消費の仮説と提唱者
消費関数の仮説と提唱者(相対所得・恒常所得・ライフサイクル)
見分け方:「相対所得仮説」「恒常所得仮説」「ライフサイクル仮説」「流動資産仮説」の名前と、デューゼンベリー・フリードマン・モディリアーニ・トービンなどの人名が並ぶ正誤の問題です。中身は正しく、人名や効果の名前だけを入れ替えた選択肢が多いです。
なぜそうなるか相対所得仮説で、不況期に平均消費性向が上がる理由(歯止め効果)
いちど高い所得で身についた暮らしの水準は、すぐには下げられません。所得が減っても、消費は過去の最高の所得に引きずられ、所得の減り方ほどには減りません。
- 成長:所得が伸びる間は、消費は長期の線 C=0.9Y の上を進むわかること所得800で消費720(点P)。800がこれまでの最高の所得
- 不況:所得が800から640に減るわかること消費は最高の所得のころの暮らしに引きずられ、傾きのゆるい短期の線(短期0)に沿って720から608までしか減らない(点R)
- 平均:点Rの平均消費性向は 608÷640=0.95わかること長期の0.9より高い。不況期には平均消費性向が上がる(歯止め効果)
- 回復:所得が800に戻るまでは短期の線を戻り、最高を超えると長期の線の上を進むわかること最高の所得が1000(点Q)に上がると、短期の線も上へ移る
次の仮説は、どれも「短期は平均消費性向が下がるのに、長期は一定」の食い違いを、1つの考え方で説明しようとしたものです。
- 相対所得仮説:短期は過去の最高の所得に引きずられて消費が下がりにくく、最高の所得が更新されると短期の線が上へ移ります。
- 恒常所得仮説:消費は、将来にわたって平均的に得られると見込む所得(恒常所得)で決まり、一時的な所得の増減(変動所得)はほとんど消費に回りません。好況で所得が一時的に増えても消費は増えないので、短期では平均消費性向が下がります。長い期間では変動所得の正負が打ち消し合うので、平均消費性向は一定になります。
- ライフサイクル仮説:消費は、生涯の所得と今の資産を、残りの人生で均等に使うように決まります。資産の分は所得に関係なく使えるので、資産が一定の短期では消費関数に切片ができ、平均消費性向は所得とともに下がります。長期では資産も所得とともに増えるので、消費が所得に比例し、平均消費性向は一定になります(式はタイプ4)。
- 流動資産仮説(トービン):消費は所得だけでなく、預金などすぐに使える資産(流動資産)にも依存します。短期は流動資産が一定なので切片があり、長期は流動資産も所得とともに増えるので、平均消費性向は一定になります。
判定のしかた
- 1
提唱者を表と照らす
相対所得=デューゼンベリー、恒常所得=フリードマン、ライフサイクル=モディリアーニ(アンドウ・ブランバーグと共同)、流動資産=トービン、絶対所得=ケインズ。 - 2
消費が何で決まるかを見る
今の所得(絶対所得)、過去の最高の所得や周りの家計の消費(相対所得)、恒常所得、生涯の所得と資産(ライフサイクル)、流動資産(流動資産仮説)。 - 3
効果の名前を見る
自分の過去の最高の所得に引きずられる=歯止め(ラチェット)効果(時間的相対所得仮説)。周りの家計の消費に引きずられる=デモンストレーション効果(空間的相対所得仮説)。 - 4
平均消費性向の向きを見る
恒常所得仮説では、好況期(変動所得が正)は下がり、不況期(負)は上がる。長期はどの仮説でもほぼ一定。
例で確かめる恒常所得仮説で好況と不況の平均消費性向を比べる
ある家計の恒常所得(将来にわたって平均的に得られると見込む所得)が400万円で、消費はその0.9倍の360万円です。実際の所得は、恒常所得に変動所得(一時的な上下)を足したものです。
| 時期 | 実際の所得 | 消費 | 平均消費性向 |
|---|---|---|---|
| 好況(変動所得+80) | 480 | 360 | 0.75 |
| ならした所得 | 400 | 360 | 0.9 |
| 不況(変動所得−40) | 360 | 360 | 1.0 |
消費は恒常所得だけで決まるので、どの時期も360万円です。分母の所得だけが動くので、好況期は平均消費性向が下がり、不況期は上がります。長い期間では変動所得の正負が打ち消し合い、平均消費性向は0.9に落ち着きます。
消費関数の仮説の例題
自分で解いてみる消費関数の仮説の例題(提唱者と中身)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
- 1:所得が最高の水準を下回ると、消費は傾きのゆるい短期の消費関数に沿って動き、所得の減り方ほどには減りません(歯止め効果)。長期の線と短期の線を取り違えた文です。
- 2:過去の最高の所得に引きずられる働きは歯止め(ラチェット)効果です。デモンストレーション効果は、周りの家計の消費に引きずられる働きです。
- 3:恒常所得仮説では、消費は恒常所得で決まるので、変動所得が負でもほとんど減りません。不況期は平均消費性向が上がります。
- 4:正しい文で、正解は4です。
- 5:流動資産仮説(トービン)では、消費は所得と流動資産で決まります。流動資産が増えると同じ所得でも消費は増え、短期の消費関数は上へ移ります。流動資産の働きを落とした文です。
| 仮説 | 提唱者 | 不況期の平均消費性向 |
|---|---|---|
| 相対所得仮説 | デューゼンベリー | 上がる(歯止め効果) |
| 恒常所得仮説 | フリードマン | 上がる(変動所得が負) |
| ライフサイクル仮説 | モディリアーニら | 上がる(資産から来る切片) |
消費の仮説の正誤問題には、次の2つの名前も選択肢に混ざります。公債の中立命題(政府支出が同じなら、家計が償還のための将来の増税を見込むかぎり、財源を税で集めても借金〈公債〉で集めても消費は変わらない)はリカードが論じ、償還が今の世代の死後になっても遺産を通じて成り立つことをバローが示したものです(リカード=バローの中立命題)。異時点間の最適消費(今と将来の所得を合わせて、今と将来の消費を決める)はフィッシャーの理論です。
消費関数の諸仮説の問題を解く必修の1問を解く(相対所得仮説)必修の1問を解く(恒常所得仮説)必修の1問を解く(ライフサイクル仮説・流動資産仮説)必修の1問を解く(提唱者の対応)タイプ3恒常所得の計算
恒常所得仮説の計算
見分け方:「」( は今期の所得、 は前期の所得)のように、恒常所得 が「今期の所得の0.6倍と前期の所得の0.4倍の合計」の形で与えられ、消費が と書かれています( は恒常所得のうち消費に回す割合)。0.6・0.4 のような掛ける数を、このページでは重みと呼びます。
なぜそうなるか変動所得が消費にほとんど回らない理由
家計は、長く続くと見込む所得に合わせて暮らしの水準を決めます。
- 今期だけ所得が増える
- → 恒常所得は、今期の重みの分しか増えない(過去の所得は変わらない)
- → 消費は、 × 今期の重み の分しか増えない
- → 残りは貯蓄に回る(所得が減ったときは、ためた資産を取り崩す)
ここでの「長期」は、所得の変化がずっと続き、式に入るどの期の所得も同じだけ変わった後のことです。重みの和が1なら長期の限界消費性向は 、重みの和が1でなければ × 重みの和です。
解き方の手順
- 1
どの期の消費を聞かれているかを決める
来期・今期・前期のどれか。前期の消費を出すときは、式の添え字を1期ずつ過去へずらします( の所に前期の所得、 の所に2期前の所得)。 - 2
恒常所得を出す
重みを、新しい期から古い期へ順に所得に掛けて足します。式に来期の所得の予想が入っている問題では、その期に立てた予想の値を入れます。 - 3
k を掛けて消費にする
。恒常所得のまま答えないこと。 - 4
聞かれたものに直す
消費の変化は、2つの期の消費をそれぞれ出して差をとります。貯蓄は実際の所得から消費を引きます。
例で確かめる所得が1期だけ増えたときと、増え続けたとき
恒常所得が 、消費が の家計です。所得はずっと500万円でした(消費は450万円)。
- 一時的:3期だけ所得が500から600に増えるわかること消費は、もとの450より3期に63多い513、4期に27多い477になり、5期には450に戻る。増えた所得のほとんどは貯蓄に回る
- 続く:3期から所得が600のまま続くわかること消費は、もとの450より3期に63多い513、4期からは90多い540になる(重みの和が1なので、長く続けば増えた所得の0.9倍)
図の見方:「所得」の線が実際の所得、「消費」の線が消費です。1段目は3期だけ所得が増えたとき、2段目は3期から増えたままのときです。
| 期 | 所得 | 恒常所得 | 消費 |
|---|---|---|---|
| 2期 | 500 | 500 | 450 |
| 3期 | 600 | 570 | 513 |
| 4期 | 500 | 530 | 477 |
| 5期 | 500 | 500 | 450 |
3期の恒常所得は 、4期は今期と前期が入れ替わって です。3期の消費の増加は63万円で、増えた所得100万円の0.63倍()にとどまります。所得600が続けば、4期からは恒常所得も600になり、消費は 万円と90万円多くなります。
恒常所得の計算の例題
自分で解いてみる恒常所得仮説の計算の例題(消費の減少額)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 1
前期の恒常所得は、添え字を1期ずらして前期・2期前・3期前の所得を入れます。
| 期 | 所得 | 恒常所得 | 消費 |
|---|---|---|---|
| 前期 | 1000 | 880 | 792 |
| 今期 | 600 | 730 | 657 |
前期は 、今期は です。消費は792万円と657万円で、差は135万円、正解は1です。
150万円は恒常所得の差に0.9を掛け忘れた値、243万円は前期の消費を前期の所得の0.9倍(900万円)とした値、252万円は今期の消費を今期の所得の0.9倍(540万円)とした値、360万円は所得の減少400万円に0.9を掛けて、減少がまるごと恒常所得の減少になるとした値です。
タイプ4ライフサイクルの計算
ライフサイクル仮説の計算
見分け方:「65歳になるまでの25年間働き」「80歳まで生きると見込む」「現在の資産」「遺産」が出てきて、毎年の消費や、計画の立て直し、今年の平均消費性向・限界消費性向を聞かれます。
なぜそうなるか引退後も同じ額を消費できる理由
- 生涯で使える額(今の資産+働く年数分の所得−残したい遺産)を決める
- → それを残りの生存年数で割り、毎年同じ額を消費する
- → 働く間は所得のほうが多いので貯蓄して資産が増え、引退後はその資産を取り崩す
は今の資産、 は残りの働く年数、 は毎年の所得、 は残したい遺産、 は残りの生存年数です。使える条件:利子を考えず、毎年同じ額を消費するとき。分子の所得は働く年数分だけ、割るのは生存年数です。 を一定とみると で、これが短期の消費関数(切片 、限界消費性向 )です。
解き方の手順
- 1
年数を今から数える
働く年数 =引退の年齢−今の年齢、生存年数 =見込む寿命−今の年齢。引退の年齢そのものを入れないこと。 - 2
生涯で使える額を出す
資産+ 年分の所得−遺産。 - 3
L で割る
毎年の消費です。 - 4
立て直すなら資産を更新する
立て直す時点の資産=当初の資産+(所得−消費)× 経過年数。そこから残りの ・ で同じ計算をします。
例で確かめる40歳で立てた計画を50歳で立て直す
40歳の人が、資産600万円を持ち、65歳までの25年間に毎年400万円を得て、80歳まで(あと40年)生きると見込みます。遺産は残さず、利子は考えません。
- 当初:40歳で資産600万円。毎年265万円を消費し、65歳まで所得との差の135万円ずつ貯めるわかること資産は65歳で3975万円になり、引退後に取り崩して80歳で0になる
- 50歳:10年間で1350万円貯めたので資産は1950万円(点A)わかることここで、残り15年の所得が520万円に上がると分かる
- 立て直し:資産1950万円と15年分の所得7800万円の合計を、残りの30年で割るわかること毎年325万円を消費し、65歳の資産は4875万円
図の見方:縦軸は消費ではなく、その年齢で持っている資産です。働く65歳までは所得が消費より多いので資産が増え、引退後は資産を取り崩して80歳で0になります。点Aは計画を立て直した50歳の資産です。
当初の計画の消費は 万円で、所得との差の 万円を毎年貯めます。50歳の資産は 万円です。ここで残りの働く年数( 年)の所得が520万円に上がると分かると、残りの生存年数( 年)で割って、立て直した後の消費は 万円です。割るのは当初の40年ではなく、残りの30年です。
ライフサイクル仮説の計算の例題
自分で解いてみるライフサイクル仮説の計算の例題(平均消費性向)
選択肢を押すと、正解と解説が出ます。
正解は 4
働く年数は 年、生存年数は 年です。短期の消費関数は です。今年の消費は 万円で、平均消費性向は 、正解は4です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 切片(資産−遺産)÷生存年数 | 40万円 |
| 限界消費性向 28÷40 | 0.7 |
| 今年の消費 | 320万円 |
| 平均消費性向 | 0.8 |
0.7は限界消費性向を答えた値、0.825は遺産を引き忘れて切片を とした値()、0.2は平均貯蓄性向()、0.3は引退後の年数の割合()です。
まとめ覚えることと間違いやすい点
覚えることの表(消費関数の仮説)
仮説と提唱者と、消費が何で決まるか
| 仮説 | 提唱者 | 消費を決めるもの |
|---|---|---|
| 絶対所得仮説(ケインズ型) | ケインズ | 今期の所得 |
| 長期では消費が所得に比例(実証) | クズネッツ | 所得(数十年のデータ) |
| 相対所得仮説 | デューゼンベリー | 過去の最高の所得(時間的相対所得仮説・歯止め効果)・周りの家計の消費(空間的相対所得仮説・デモンストレーション効果) |
| 恒常所得仮説 | フリードマン | 恒常所得(変動所得は回らない) |
| ライフサイクル仮説 | モディリアーニ・アンドウ・ブランバーグ | 生涯の所得と資産 |
| 流動資産仮説 | トービン | 所得と実質的な流動資産 |
短期と長期の平均消費性向(絶対所得仮説のあとに出た仮説は、どれも短期と長期の両方を説明する)
| 仮説 | 短期の平均消費性向 | 長期でほぼ一定になる理由 |
|---|---|---|
| 絶対所得仮説 | 所得とともに下がる | 説明できない(ケインズ型のままだと、長期でも所得とともに下がり続ける) |
| 相対所得仮説 | 不況期に上がる | 最高の所得が更新されて短期の線が上へ移る |
| 恒常所得仮説 | 好況期に下がり、不況期に上がる | 変動所得の正負がならされて0になる |
| ライフサイクル仮説・流動資産仮説 | 所得とともに下がる(資産が一定) | 資産も所得とともに増える |
周辺の命題:公債の中立命題はリカード(家計が将来の増税を見込むことが前提。世代をまたいでも成り立つことをバローが示した)、異時点間の最適消費はフィッシャーです。
よくある間違い
| 誤りの文 | 正しくはこう |
|---|---|
| 平均消費性向は、消費関数の接線の傾き | 原点と点を結んだ線の傾き。接線の傾きは限界消費性向 |
| ケインズ型では、所得が増えると限界消費性向が下がる | 限界消費性向は一定。下がるのは平均消費性向 |
| 平均消費性向は、所得が大きいと限界消費性向を下回る | なので に近づくだけで下回らない |
| 長期で消費が所得に比例する関係は、数年の短いデータで見つかった | 数十年の長期の時系列データ(クズネッツ) |
| 過去の最高の所得に引きずられる働きは、デモンストレーション効果 | 歯止め(ラチェット)効果。デモンストレーション効果は周りの家計の消費 |
| 恒常所得仮説では、好況期に平均消費性向が上がる | 好況期は変動所得が正なので下がる |
| 一時的な減税は、恒常所得を増やして消費を大きく増やす | 一時的な所得の増加は変動所得で、消費はほとんど増えない |
| 恒常所得仮説はトービン、流動資産仮説はフリードマン | 恒常所得はフリードマン、流動資産はトービン |
| ライフサイクル仮説はトービン(フリードマン) | モディリアーニ・アンドウ・ブランバーグ |
| 恒常所得の計算で、前期の消費にも今期と同じ所得を入れる | 前期の式は添え字を1期ずつ過去へずらす |
| ライフサイクルの消費は、働く年数で割る | 生存年数で割る。所得を数えるのが働く年数 |
| 立て直した後も、当初の資産のまま計算する | 当初の資産+それまでの貯蓄を、残りの年数で割る |
次にやること
先に読む論点











